システムアーキテクト試験 2023年 午前208


JIS X 25010:2013(システム及びソフトウェア製品の品質要求及び評価(SQuaRE)ーシステム及びソフトウェア品質モデル)で定義されたシステム及び/又はソフトウェア製品の品質特性に関する説明のうち、適切なものはどれか。
機能適合性とは、明示された状況下で使用するとき、明示的ニーズ及び暗黙の二ーズを満足させる機能を、製品又はシステムが提供する度合いのことである。(正解)
信頼性とは、明記された状態(条件)で使用する資源の量に関係する性能の度合いのことである。
性能効率性とは、明示された利用状況において、有効性、効率性及び満足性をもって明示された目標を達成するために、明示された利用者が製品又はシステムを利用することができる度合いのことである。
保守性とは、明示された時間帯で、明示された条件下に、システム、製品又は構成要素が明示された機能を実行する度合いのことである。

解説

JIS X 25010:2013 品質特性の説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:正しい品質特性の説明は「ア」の機能適合性である。
  • 根拠:JIS X 25010:2013は、機能適合性を「明示的・暗黙的ニーズを満たす機能の提供度合い」と定義している。
  • 差がつくポイント:各品質特性の定義を正確に理解し、用語の混同を避けることが重要である。

正解の理由

「ア」の機能適合性は、製品やシステムがユーザーの明示的および暗黙的なニーズを満たす機能を提供する度合いを示しており、JIS X 25010:2013の定義に完全に合致しています。
他の選択肢は品質特性の定義を誤っており、例えば信頼性は「資源の量」ではなく「故障なく機能する能力」、性能効率性は「利用者の満足度」ではなく「資源の使用効率」、保守性は「機能実行度合い」ではなく「修正や変更のしやすさ」を指します。

よくある誤解

信頼性を資源の使用量と混同したり、性能効率性をユーザーの満足度と誤解するケースが多いです。
保守性を機能の実行度合いと捉えるのも誤りです。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている「JIS X 25010:2013の品質特性」を確認する。
  2. 各選択肢の説明文を読み、品質特性の定義と照合する。
  3. JIS X 25010の公式定義を思い出し、正確に合致するものを選ぶ。
  4. 他の選択肢の誤りを確認し、除外する。
  5. 最終的に最も正確な説明である「ア」を選択する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 機能適合性の定義として正しい。明示的・暗黙的ニーズを満たす機能の提供度合いを示す。
  • イ: 信頼性は「資源の量」ではなく「故障なく機能する能力」であり、説明が誤っている。
  • ウ: 性能効率性は「資源の使用効率」に関する特性であり、利用者の満足度はユーザビリティの範疇であるため誤り。
  • エ: 保守性は「機能の実行度合い」ではなく「修正や変更のしやすさ」を示すため不適切。

補足コラム

JIS X 25010:2013はソフトウェア品質モデルの国際標準であり、品質特性は大きく8つに分類されます。
代表的なものは機能適合性、性能効率性、信頼性、使用性、保守性、移植性などです。
これらの正確な理解はシステム開発や品質評価に不可欠です。

FAQ

Q: 機能適合性と性能効率性の違いは何ですか?
A: 機能適合性は「必要な機能を満たす度合い」、性能効率性は「資源を効率的に使う度合い」を指します。
Q: 信頼性はどのように評価されますか?
A: 信頼性は「故障の発生頻度」や「平均故障間隔(MTBF)」などで評価されます。
Q: 保守性とは具体的に何を意味しますか?
A: 保守性は「ソフトウェアの修正や改良を容易に行える度合い」を意味します。

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