システムアーキテクト試験 2023年 午前214


WTO政府調達協定の説明はどれか。
政府機関などによる物品・サービスの調達において、締約国に対する市場開放を進めて国際的な競争の機会を増大させるとともに、苦情申立て、協議及び紛争解決に関する実効的な手続を定めたものである。(正解)
EU市場で扱われる電気・電子製品、医療機器などにおいて、一定基準値を超える特定有害物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀など6物質)の使用を規制することを定めたものである。
締約国に対して、工業所有権の保護に関するパリ条約や、著作権の保護に関するベルヌ条約などの主要条項を遵守することを義務付けるとともに、知的財産権保護のための最恵国待遇などを定めたものである。
国などの公的機関が率先して、環境物品等(環境負荷低減に資する製品やサービス)の調達を推進し、環境物品等への需要の転換を促進するために必要な事項を定めたものである。

解説

WTO政府調達協定の説明はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:WTO政府調達協定は政府調達市場の国際的な開放と公平な競争を促進する協定です。
  • 根拠:締約国間で政府調達の透明性向上や苦情処理手続きの整備を義務付けています。
  • 差がつくポイント:環境規制や知的財産権保護の協定と混同せず、政府調達の市場開放に特化している点を理解しましょう。

正解の理由

選択肢ウは、WTO政府調達協定の核心を正確に表現しています。この協定は、政府機関が行う物品やサービスの調達において、締約国間で市場を開放し、国際競争を促進することを目的としています。また、苦情申立てや紛争解決のための実効的な手続きも定めており、公正な取引環境の確保に寄与しています。

よくある誤解

WTO政府調達協定は環境規制や知的財産権保護の条約ではありません。これらは別の国際協定や規制に該当します。

解法ステップ

  1. 問題文の「WTO政府調達協定」に注目し、協定の目的を思い出す。
  2. 各選択肢の内容を国際協定の特徴と照らし合わせる。
  3. 環境規制や知的財産権保護に関する説明は除外する。
  4. 政府調達の市場開放と紛争解決手続きに言及している選択肢を選ぶ。
  5. 正解はであることを確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア:EUの特定有害物質規制(RoHS指令)に関する説明であり、WTO政府調達協定とは無関係です。
  • イ:環境物品調達の推進に関する内容で、環境政策の一環ですがWTO政府調達協定の説明ではありません。
  • :政府調達市場の国際開放と紛争解決手続きに関する正しい説明です。
  • エ:知的財産権保護に関する条約(パリ条約、ベルヌ条約)について述べており、政府調達協定とは異なります。

補足コラム

WTO政府調達協定(GPA: Government Procurement Agreement)は、WTO加盟国のうち一部の国が締結している協定で、政府調達市場の透明性と公正な競争を促進します。これにより、参加国の企業は他国の政府調達市場にアクセスしやすくなり、国際貿易の活性化に寄与しています。

FAQ

Q: WTO政府調達協定はすべてのWTO加盟国が対象ですか?
A: いいえ。GPAはWTO加盟国の中でも参加を希望した国のみが締結している協定です。
Q: この協定は環境配慮型調達に関係ありますか?
A: 直接の規定はありませんが、透明性向上により環境配慮型調達の促進も期待されます。

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