ホーム > システムアーキテクト試験 > 2023年
システムアーキテクト試験 2023年 午前2 問21
CPU内部の命令読取り用バスとデータアクセス用バスとを分離するハーバードアーキテクチャを用いる目的として、適切なものはどれか。
ア:CPU以外のバスマスターを使用可能にする。
イ:バスの号線の本数を減らす。
ウ:プログラムの実行時間を短縮する。(正解)
エ:メモリの内容を保護する。
解説
CPU内部の命令読取り用バスとデータアクセス用バスとを分離するハーバードアーキテクチャを用いる目的【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ハーバードアーキテクチャは命令バスとデータバスを分離し、プログラムの実行時間を短縮します。
- 根拠:命令とデータを同時にアクセスできるため、CPUの処理効率が向上し、待ち時間が減少します。
- 差がつくポイント:バスの本数削減やメモリ保護ではなく、並列アクセスによる高速化が目的である点を理解しましょう。
正解の理由
ハーバードアーキテクチャは、命令用バスとデータ用バスを独立させることで、CPUが命令の読み取りとデータの読み書きを同時に行えます。これにより、命令フェッチとデータアクセスの競合がなくなり、プログラムの実行時間が短縮されます。したがって、選択肢の中で「プログラムの実行時間を短縮する」ウが正解です。
よくある誤解
ハーバードアーキテクチャはバスの本数を減らすためではなく、むしろ命令とデータのバスを分けて増やしています。メモリ保護機能とは直接関係ありません。
解法ステップ
- ハーバードアーキテクチャの特徴を確認する。
- 命令用バスとデータ用バスが分離されていることを理解する。
- 分離によるメリットを考える(同時アクセス可能で高速化)。
- 選択肢の内容と照らし合わせて、目的に合致するものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: CPU以外のバスマスター使用はバスアービトレーションの話であり、ハーバードアーキテクチャの目的ではありません。
- イ: バスの号線の本数はむしろ増えるため、減らす目的ではありません。
- ウ: 命令とデータの同時アクセスによりプログラムの実行時間を短縮できるため正解です。
- エ: メモリの内容保護はメモリ管理ユニットなどの役割であり、バス構成とは直接関係ありません。
補足コラム
ハーバードアーキテクチャは組み込みシステムやDSPなどでよく使われます。一方、命令とデータを同じメモリ空間で扱うフォン・ノイマンアーキテクチャは汎用コンピュータで一般的です。ハーバード方式は高速化に優れますが、設計が複雑になることがあります。
FAQ
Q: ハーバードアーキテクチャはなぜ高速化できるのですか?
A: 命令とデータを別々のバスで同時にアクセスできるため、CPUの待ち時間が減り処理が速くなります。
A: 命令とデータを別々のバスで同時にアクセスできるため、CPUの待ち時間が減り処理が速くなります。
Q: フォン・ノイマンアーキテクチャとの違いは何ですか?
A: フォン・ノイマンは命令とデータを同じバスで扱うため、アクセスが競合しやすいのに対し、ハーバードはバスを分離して競合を防ぎます。
A: フォン・ノイマンは命令とデータを同じバスで扱うため、アクセスが競合しやすいのに対し、ハーバードはバスを分離して競合を防ぎます。
関連キーワード: ハーバードアーキテクチャ, 命令バス, データバス, CPU高速化, プログラム実行時間