エンベデッドシステムスペシャリスト 2010年 午後1 問01
通信機能をもつ宅配荷物受取システムに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
A社は、通信機能をもつマンション向けの宅配荷物受取システム(以下、受取システムという)を開発している。受取システムは、受取人が留守の場合に、宅配業者が配達した荷物を受取システムの荷物ボックス(以下、ボックスという)に入れておき、受取人に着荷を知らせることで荷物の受渡しを行うものである。
〔受取システムの構成〕
受取システムの構成を図1に示す。受取システムは、制御部、4台の荷物部及びマンションの各住戸内にある表示器で構成されている。制御部には、プリンタ、LCD及び操作盤がある。操作盤は、着荷キー、受取キー及びテンキーを備えている。4台の荷物部には、1~4の番号が付与されている。各荷物部には、鍵がついた複数のボックスがある。ボックスには、システム全体で重複しないように決められたボックス番号が付与されている。制御部と荷物部、及び荷物部と荷物部は、シリアル回線で接続されている。

〔受取システムの動作概要〕
(1) 荷物の着荷
① 着荷キーを押した後、空いているボックスに荷物を入れると、LCDにボックス番号が表示される。その後、受取人の住戸番号と事前に決められている宅配業者IDと宅配業者の暗証番号を入力する。
② 制御部は、荷物が入ったボックスの施錠指示を荷物部に送信する。送信後、着荷日時、宅配業者名、受取人氏名、マンション名、住戸番号及びボックス番号が記載された伝票を発行する。
③ 荷物部は、施錠指示を受信すると、荷物が入ったボックスを施錠する。
④ 制御部は、伝票発行後、宅配業者名、着荷日時、住戸番号と受取システムが決めた重複しない着荷番号からなる荷物データを電子メールで受取人に通知し、さらに、表示器にその荷物データを送信する。
⑤ 表示器は、荷物データを受け取るとその内容を表示し、削除指示を受信するまで荷物データを保持する。
⑥ 複数の着荷があるときは、①~⑤を荷物ごとに繰り返す。
(2) 荷物の取出し
① 受取キーを押し、住戸番号を入力すると、その住戸あてのすべての荷物の着荷日時及び宅配業者名がLCDに表示される。その後、その住戸の暗証番号及び通知された着荷番号を入力する。
② 制御部は、該当の荷物が入っているボックス番号をLCDに表示すると同時にそのボックスの解錠指示を送信する。
③ 荷物部は、解錠指示を受信すると該当のボックスを解錠する。
④ 荷物部は、ボックスから荷物が取り出されると、制御部に荷物の取出し通知を送信する。
⑤ 制御部は、荷物の取出し通知を受信すると荷物が取り出されたことをLCDに表示する。その後、表示器に、該当する荷物データの削除指示を送信する。
⑥ 表示器は、荷物データの削除指示を受信すると、保持している該当の荷物データを削除する。
⑦ 複数の荷物を取り出すときは、①~⑥を荷物ごとに繰り返す。
〔各部の機能概要〕
(1) 制御部
・制御部は、受取システム全体を制御する。
・荷物部や表示器との通信機能、及び電子メール配信機能をもつ。
(2) 荷物部
・ボックスには、荷物の有無を検出するセンサがある。
・荷物がボックスに入れられたときとボックスから取り出されたときに、制御部にボックス番号と荷物の有無を通知する。
・制御部からの指示によって指定されたボックスの施錠や解錠を行う。
(3) 表示器
・マンションの各住戸に1台ずつあり、制御部と通信回線で接続されている。
・制御部から送られてきた荷物データを表示する。複数の荷物データを保持しているときは、荷物の個数及び保持しているデータの中で最後に受信した荷物データを表示する。
・制御部からの削除指示が来るまで、その荷物データを保持する。
〔制御部と荷物部の通信〕
(1) パケットの概要
・パケットのサイズは常に一定である。
・制御部はパケットの所定の位置に、次の内容を載せることができる。
① ボックス番号
② ボックスの施錠指示又は解錠指示
・荷物部はパケットの所定の位置に、次の内容を載せることができる。
① ボックス番号
② ボックスへの荷物の入庫通知、又はボックス内の荷物の取出し通知
(2) 制御部の動作
・一定周期でパケットを送信する。このとき、荷物部が内容を載せるべき位置には空のデータを載せる。
・制御部から送信すべきデータがない場合は、所定の位置に空のデータを載せる。
・各荷物部を経由して戻ってきたパケットを受信する。
(3) 荷物部の動作
・受信したパケットが自分のボックスあてのとき、その内容を取り込む。
・受信したパケットが自分のボックスあてであってもなくても、次の方法でパケットを送信する。
① 送信する内容がない場合は、受信したパケットをそのまま送信する。
② 送信する内容がある場合は、受信したパケットの所定の位置にその内容を載せて送信する。ただし、その位置に既に空でないデータが載せられている場合は、受信したパケットをそのまま送信する。送信する内容は、次回のパケットに載せて送信する。
設問1:受取システムの仕様について、(1)、(2)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見る荷物を取り出すときに、住戸の暗証番号と受取システムが決めた着荷番号を入力させているが、なぜ、暗証番号だけにしないのか。セキュリティの観点から、その理由を40字以内で述べよ。
模範解答
暗証番号だけでは暗証番号を知られた場合、荷物が不正に取り出されるから
解説
解答の導き方
-
荷物を取り出す手順では、住戸番号を入力した後、「その住戸の暗証番号及び通知された着荷番号」を入力します。制御部は入力内容を確認してから、該当する荷物のボックスを解錠します。つまり、暗証番号だけでは荷物を取り出せません。
-
着荷番号は、受取システムが荷物ごとに決めて受取人へ通知する番号です。住戸の暗証番号とは別に、その荷物を指定する情報として使われます。
-
もし暗証番号だけで取り出せるなら、暗証番号を知った第三者が受取人になりすまして荷物を取り出すおそれがあります。着荷番号も必要にすることで、暗証番号が知られただけでは荷物を取り出せないようにしています。
誤りやすいポイント
- 着荷番号を、ボックス番号や住戸番号と混同しないようにします。着荷番号は荷物に対応する番号です。
- 暗証番号と着荷番号の両方を入力する理由を、単なる荷物の特定だけで説明しないようにします。暗証番号が漏れた場合の不正な取出しを防ぐことが、セキュリティ上の理由です。
- 二つの番号を入力するからといって、異なる種類の認証要素を組み合わせた認証だとまでは判断できません。
FAQ
Q: 着荷番号は何のために使いますか?
A: 受取人が取り出す荷物を指定するために使います。暗証番号とは別に、その荷物に対応する番号が必要です。
A: 受取人が取り出す荷物を指定するために使います。暗証番号とは別に、その荷物に対応する番号が必要です。
Q: 暗証番号が知られても、荷物は必ず安全ですか?
A: 暗証番号だけを知られた場合の不正な取出しを防ぐ仕組みです。着荷番号も知られた場合の安全性まで保証するものではありません。
A: 暗証番号だけを知られた場合の不正な取出しを防ぐ仕組みです。着荷番号も知られた場合の安全性まで保証するものではありません。
Q: これは二要素認証ですか?
A: 問題文から分かるのは、暗証番号と着荷番号の両方を要求することです。二つの入力情報が異なる認証要素に属するとは示されていません。
A: 問題文から分かるのは、暗証番号と着荷番号の両方を要求することです。二つの入力情報が異なる認証要素に属するとは示されていません。
関連キーワード: 認証、認証情報、アクセス制御、識別情報、暗証番号
設問1(2)
問題文を見る制御部と荷物部の通信は、制御部が送信したパケットが制御部に戻ってくる通信方式を採用しているが、この方式によって、どのようなことが検知できるか。35字以内で述べよ。
模範解答
荷物部及びシリアル回線が正常に動作しているか検知できる。
解説
解答の導き方
-
問われているのは、制御部から送ったパケットが戻ってくる通信方式によって、通信のどの部分が正常か確認できるかです。
-
本文には、制御部が「各荷物部を経由して戻ってきたパケットを受信する」とあります。つまり、パケットは制御部から出発し、各荷物部を順に通って制御部へ戻ります。
-
また、荷物部は、送信する内容がない場合には「受信したパケットをそのまま送信する」とされています。パケットが制御部まで戻るには、各荷物部が受信・転送できることに加え、荷物部間などのシリアル回線が通信できる必要があります。
-
そのため、戻ってきたパケットを受信できるかどうかによって、荷物部とシリアル回線が正常に動作しているかを検知できます。ただし、この方式で分かるのは通信経路の正常性であり、異常があった場合にどの荷物部や回線が原因かまで特定できるとは限りません。
誤りやすいポイント
- 荷物の有無やボックスの施錠状態を検知する仕組みだと考えないようにします。ここで問われているのは、パケットが戻る通信方式で検知できることです。
- パケットが戻らない場合でも、異常箇所を必ず特定できるわけではありません。「荷物部及びシリアル回線の正常性を検知できる」と捉えます。
- 制御部と荷物部の間だけでなく、パケットが通る各荷物部やシリアル回線も確認対象になります。
FAQ
Q: パケットが戻ってきた場合、何が分かりますか?
A: パケットが通る荷物部とシリアル回線を経由して、制御部まで通信できたことが分かります。
A: パケットが通る荷物部とシリアル回線を経由して、制御部まで通信できたことが分かります。
Q: パケットが戻らなかった場合、どの部分が異常か特定できますか?
A: この方式だけでは、異常があることは検知できても、原因となった荷物部や回線までは特定できるとは限りません。
A: この方式だけでは、異常があることは検知できても、原因となった荷物部や回線までは特定できるとは限りません。
Q: 荷物の入庫や取出しの通知があった場合も、通信経路の確認になりますか?
A: 荷物の通知内容とは別に、パケットが制御部まで戻るかどうかによって通信経路の正常性を確認できます。
A: 荷物の通知内容とは別に、パケットが制御部まで戻るかどうかによって通信経路の正常性を確認できます。
関連キーワード: シリアル通信、パケット、通信経路、正常性確認、通信障害検知
設問2:制御部と荷物部との通信について、(1)、(2)に答えよ。
制御部や荷物部が、パケットの送信を開始してから相手がそのパケットの受信を完了するまで、常に1.6ミリ秒の時間がかかる。
荷物部が、パケットの受信を完了した後、自分のボックスあてのパケットかどうかの判断終了まで1ミリ秒かかる。判断終了後、自分のボックスあてであるかどうかにかかわらず荷物部が送信パケットを準備し、送信を開始するまでに1ミリ秒かかる。
設問2(1)
問題文を見る制御部がパケットの送信を開始してから、各荷物部を経由して戻ってきたパケットの受信を完了するまでに何ミリ秒かかるか。答えは小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。
模範解答
16.0
解説
解答の導き方
求めるのは、制御部がパケットを送信し始めてから、荷物部を順に経由したパケットが制御部に戻り、受信を完了するまでの時間です。
まず、パケットが通る通信区間を数えます。図1では、制御部から荷物部1へ送られ、荷物部1、荷物部2、荷物部3、荷物部4を順に経由して制御部へ戻ります。したがって、通信区間は次の5区間です。
- 制御部から荷物部1
- 荷物部1から荷物部2
- 荷物部2から荷物部3
- 荷物部3から荷物部4
- 荷物部4から制御部
各区間について、送信開始から相手側の受信完了まで「1.6ミリ秒」かかるため、通信時間の合計は次のとおりです。
ミリ秒
次に、荷物部での処理時間を加えます。本文には、各荷物部がパケットの受信を完了してから、自分のボックスあてかどうかを判断するまでに「1ミリ秒」かかり、その後、送信パケットを準備して送信を開始するまでにさらに「1ミリ秒」かかるとあります。
荷物部は4台あり、いずれも受信したパケットを次の荷物部または制御部へ送る前に処理します。よって、荷物部での処理時間は次のとおりです。
ミリ秒
通信時間と荷物部での処理時間を合計すると、制御部で送信を開始してから戻ってきたパケットの受信が完了するまでの時間は、ミリ秒です。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで表すと、解答の値になります。
誤りやすいポイント
- 通信区間を荷物部の台数と同じ4区間と数えてしまうことがあります。制御部から最初の荷物部へ送る区間と、最後の荷物部から制御部へ戻る区間も数えるため、合計は5区間です。
- 通信時間だけを計算し、荷物部ごとの判断時間と送信準備時間を加え忘れることがあります。これらは各荷物部で発生します。
- 4台目の荷物部の処理時間を含め忘れることがあります。4台目も、受信後に判断と送信準備をしてから制御部へパケットを送ります。
- 荷物部が自分のボックスあてではないパケットを受け取った場合、処理時間が不要だと誤解しがちです。本文では、自分のボックスあてかどうかにかかわらず、送信パケットを準備するとされています。
FAQ
Q: 荷物部での判断時間と送信準備時間は、なぜ4台分加えるのですか?
A: 4台の荷物部それぞれがパケットを受信し、判断した後に次の送信を開始するためです。したがって、各荷物部で「1ミリ秒」と「1ミリ秒」の処理が発生します。
A: 4台の荷物部それぞれがパケットを受信し、判断した後に次の送信を開始するためです。したがって、各荷物部で「1ミリ秒」と「1ミリ秒」の処理が発生します。
Q: 最後の荷物部から制御部までの時間も数えるのですか?
A: 数えます。設問は、制御部に戻ったパケットの受信が完了するまでを尋ねています。そのため、最後の荷物部から制御部への通信時間も必要です。
A: 数えます。設問は、制御部に戻ったパケットの受信が完了するまでを尋ねています。そのため、最後の荷物部から制御部への通信時間も必要です。
Q: 最後に四捨五入する必要がありますか?
A: 求めた値は小数第1位まで表せるため、この場合は小数第2位を四捨五入しても値は変わりません。
A: 求めた値は小数第1位まで表せるため、この場合は小数第2位を四捨五入しても値は変わりません。
関連キーワード: シリアル通信、パケット通信、通信遅延、伝送時間、処理時間
設問2(2)
問題文を見る荷物部2のボックスに荷物が入れられてから、荷物部2がその内容を載せたパケットの送信を開始するまでに、最も時間がかかるのはどのような場合か。45字以内で述べよ。ただし、このときほかの荷物部は、パケットにデータを載せていないものとする。
模範解答
・荷物部2がパケットの受信完了と同時に荷物部2に荷物が入れられたことを検出した場合
・荷物部2がパケットの送信開始と同時に荷物部2に荷物が入れられたことを検出した場合
・荷物部2が送信準備を完了したと同時に荷物部2に荷物が入れられたことを検出した場合
解説
解答の導き方
この設問では、荷物部2のボックスに荷物が入ってから、その入庫通知を載せたパケットの送信が始まるまでの時間が最も長くなるタイミングを考えます。
本文によると、荷物部は自分から独立してパケットを送るのではなく、制御部が「一定周期でパケットを送信」し、各荷物部はそれを受信して次へ送ります。送信する内容があれば「受信したパケットの所定の位置にその内容を載せて送信」します。つまり、荷物部2が入庫通知を送れる機会は、制御部から周期的に回ってくるパケットを処理するときだけです。
荷物部2の1回分のパケット処理は、次の流れです。
- パケットの受信を完了する
- 1ミリ秒かけて、自分のボックスあてかどうかを判断する
- 1ミリ秒かけて送信パケットを準備し、送信を開始する
この流れのどこかで、「送信する内容があるかどうか」を確認し、パケットに載せる内容が決まります。その時点に荷物の検出がわずかでも間に合わなければ、今回のパケットには載らず、次の周期で回ってくるパケットまで待つことになります。待ち時間が最も長くなるのは、内容を決める時点の直後に荷物を検出した場合で、このときはほぼ1周期分待たされます。
内容を決める時点は、受信完了時、送信準備の完了時、送信開始時のいずれとも考えられます。どの設計でも、その時点と同時に荷物が入れられたことを検出した場合が最悪となるため、「荷物部2がパケットの受信完了と同時に荷物部2に荷物が入れられたことを検出した場合」などが答えになります。送信準備の完了と同時、送信開始と同時とする答えも同じ考え方です。
また、「ほかの荷物部は、パケットにデータを載せていない」という条件があるので、荷物部1が所定の位置を使っていて荷物部2の通知がさらに次回へ回る、という遅れは考えなくてよいことになります。
誤りやすいポイント
- 荷物を検出した直後に、荷物部2が自分からパケットを送信できると考えてしまうことです。荷物部は、制御部から周期的に回ってくるパケットに内容を載せることしかできません。
- 判断の1ミリ秒と準備の1ミリ秒を足した2ミリ秒が最も長い待ち時間だと考えてしまうことです。今回のパケットに間に合わないと、次の周期のパケットまで待つため、それよりずっと長くなります。
- 「受信完了」「送信準備の完了」「送信開始」の三つを、別々の現象として覚えようとすることです。どれも「載せる内容が決まる時点の直後に検出した」という同じ考え方で、内容が決まる時点をどこと見るかの違いです。
FAQ
Q: 最も長い場合、待ち時間はどのくらいになりますか?
A: 今回のパケットを逃して次のパケットを待つため、制御部がパケットを送信する周期とほぼ同じ時間になります。
A: 今回のパケットを逃して次のパケットを待つため、制御部がパケットを送信する周期とほぼ同じ時間になります。
Q: なぜ模範解答に三つのタイミングが並んでいるのですか?
A: 本文には、荷物部が載せる内容をどの時点で決めるかまでは書かれていないためです。受信完了時、送信準備の完了時、送信開始時のどれで決める設計でも、その時点と同時に荷物を検出した場合が最悪になります。
A: 本文には、荷物部が載せる内容をどの時点で決めるかまでは書かれていないためです。受信完了時、送信準備の完了時、送信開始時のどれで決める設計でも、その時点と同時に荷物を検出した場合が最悪になります。
Q: ほかの荷物部がデータを載せている場合は、どうなりますか?
A: 所定の位置が既に埋まっていると、荷物部2は受信したパケットをそのまま送り、通知は次回のパケットに回ります。設問ではこの影響を除くために、ほかの荷物部はデータを載せていないとしています。
A: 所定の位置が既に埋まっていると、荷物部2は受信したパケットをそのまま送り、通知は次回のパケットに回ります。設問ではこの影響を除くために、ほかの荷物部はデータを載せていないとしています。
関連キーワード: パケット転送、ポーリング、送信周期、イベント通知、処理遅延
設問3:制御部のタスクについて、(1)~(3)に答えよ。
制御部のタスクの機能概要を表に、制御部のタスク関連図を図2に示す。


設問3(1)
問題文を見る図2中のa~cに入れる適切なタスク名を答えよ。
模範解答
a:取出し
b:データ管理
c:着荷
解説
解答の導き方
図2のa~cには、表にあるタスク名を当てはめます。処理の内容と、図2で各タスクがつながっている相手を照らし合わせます。
まず、cは「印刷」「メール送信」「表示器通信」とつながっています。荷物の着荷では、荷物を施錠した後に伝票を発行し、受取人に電子メールで通知するとともに、表示器にも荷物データを送信します。この一連の処理に対応するため、cは「着荷」です。
次に、aは「荷物部通信」および「表示器通信」とつながっています。荷物の取出しでは、ボックスから荷物が取り出されたことを荷物部から受け取り、その後、表示器に荷物データの削除指示を送信します。荷物部との連携と表示器への削除指示の両方が必要なので、aは「取出し」です。
最後に、bはaとcの両方につながっています。表では「データ管理」が、住戸番号や着荷日時、ボックス番号、着荷番号などのデータの生成・削除を行うとされています。着荷時のデータ作成にも、取出し後のデータ削除にも関係するため、bは「データ管理」です。
誤りやすいポイント
- 着荷と取出しのどちらも荷物部と通信するため、「荷物部通信」とつながっていることだけでは区別できません。伝票発行や電子メール送信は着荷処理、取出し後の削除指示は取出し処理に対応する点にも注目します。
- 図2の線はタスク間の関係を表しており、矢印はありません。線の向きや処理順を読み取るのではなく、つながっているタスクの機能を表の説明や動作概要と照合します。
- 「データ管理」は着荷だけ、または取出しだけに属する処理ではありません。データの作成と削除の双方に関係するため、両方のタスクとつながる位置にあると判断できます。
FAQ
Q: 「荷物部通信」とつながっていれば、必ず「着荷」と判断できますか?
A: いいえ。荷物の入庫時だけでなく、取出し時にも荷物部から通知を受けるため、ほかの機能とのつながりも確認します。
A: いいえ。荷物の入庫時だけでなく、取出し時にも荷物部から通知を受けるため、ほかの機能とのつながりも確認します。
Q: 「データ管理」が着荷と取出しの両方に関係するのはなぜですか?
A: 着荷時には荷物データを作成し、取出し時には該当するデータを削除するためです。
A: 着荷時には荷物データを作成し、取出し時には該当するデータを削除するためです。
関連キーワード: タスク関連図、機能分割、タスク間通信、データ管理、イベント処理
設問3(2)
問題文を見る図2中のⅠで送信されるメッセージに含まれる情報として、住戸番号と荷物データの削除指示のほかに必要となる荷物データの情報を答えよ。
模範解答
着荷番号
解説
解答の導き方
図2では、Ⅰの線はaと「表示器通信」を結んでいます。設問3-1のとおりaは「取出し」なので、Ⅰは取出しタスクから表示器通信タスクへ送られるメッセージです。本文の荷物の取出しの手順⑤には、制御部は荷物の取出し通知を受信すると「表示器に、該当する荷物データの削除指示を送信する」とあり、Ⅰはこの削除指示に当たります。
次に、削除指示を受けた表示器が、どの荷物データを削除すればよいかを考えます。表示器は「削除指示を受信するまで荷物データを保持」し、複数の荷物データを保持することもあります。住戸番号で送信先の表示器は決まりますが、その住戸あてに荷物が複数あれば、住戸番号だけではどの荷物データを消すのか区別できません。
そこで、荷物データを一つに特定できる情報が必要です。本文の着荷の手順④によると、荷物データは「宅配業者名、着荷日時、住戸番号と受取システムが決めた重複しない着荷番号」からなります。このうち重複しないことが保証されているのは着荷番号です。したがって、住戸番号と削除指示のほかに必要な荷物データの情報は、着荷番号です。
誤りやすいポイント
- Ⅰの送信元を「データ管理」と読んでしまうことです。図2でⅠの表示がある線はaと「表示器通信」を結んでおり、aは「取出し」です。
- 住戸番号だけで対象を特定できると考えることです。同じ住戸あてに複数の荷物データが保持されている場合、住戸番号だけではどの荷物を削除するのか分かりません。
- 着荷日時や宅配業者名を答えることです。これらも荷物データに含まれますが、重複する可能性があるため、一意に特定する情報としては着荷番号が適切です。
- ボックス番号を答えることです。ボックス番号は表示器に送る荷物データに含まれていません。
FAQ
Q: 住戸番号は何のために使いますか?
A: 削除指示をどの住戸の表示器に届けるかを特定するために使います。
A: 削除指示をどの住戸の表示器に届けるかを特定するために使います。
Q: 着荷番号が必要なのはなぜですか?
A: 表示器に同じ住戸あての荷物データが複数あるときでも、削除する荷物データを他と区別できるからです。
A: 表示器に同じ住戸あての荷物データが複数あるときでも、削除する荷物データを他と区別できるからです。
Q: 荷物データの削除指示は、どの時点で送られますか?
A: 荷物部から荷物の取出し通知を受信し、荷物が取り出されたことをLCDに表示した後です。
A: 荷物部から荷物の取出し通知を受信し、荷物が取り出されたことをLCDに表示した後です。
関連キーワード: 一意識別子、メッセージ設計、タスク間通信、データ管理、レコード削除
設問3(3)
問題文を見る図2中のⅡで、荷物部通信タスクが受信するメッセージに含まれる情報を二つ答えよ。
模範解答
①:・ボックス番号
②:・解錠指示
解説
解答の導き方
図2のⅡは、処理を行うタスクから「荷物部通信」へ渡されるメッセージを表しています。荷物の取出し処理では、該当する荷物が入っているボックスを特定し、そのボックスを解錠する必要があります。
本文では、取出し時に「該当の荷物が入っているボックス番号をLCDに表示すると同時にそのボックスの解錠指示を送信する」とあります。したがって、「荷物部通信」が指示を実行するためのメッセージには、対象を示すボックス番号と、実行する操作を示す解錠指示が必要です。
また、制御部から荷物部へ送るパケットには「ボックス番号」と「ボックスの施錠指示又は解錠指示」を載せられます。この通信仕様とも一致するため、Ⅱのメッセージに含まれる情報は、ボックス番号と解錠指示です。
誤りやすいポイント
- 荷物部から制御部へ送られる「荷物の取出し通知」と混同しないようにします。これは荷物が取り出された後に荷物部から送られる通知で、Ⅱのタスク間メッセージとは方向も目的も異なります。
- 施錠指示ではなく解錠指示です。荷物を預けるときは施錠しますが、ここでは荷物を取り出す処理を行っています。
- 操作の指示だけでは、どのボックスに対する指示か分かりません。対象を特定するボックス番号も必要です。
FAQ
Q: 荷物の取出し通知は、メッセージに含まれないのですか?
A: 含まれません。取出し通知は、荷物がボックスから取り出された後、荷物部から制御部へ送られる通知です。Ⅱは、取出し処理を行うタスクから「荷物部通信」へ指示を渡す箇所です。
A: 含まれません。取出し通知は、荷物がボックスから取り出された後、荷物部から制御部へ送られる通知です。Ⅱは、取出し処理を行うタスクから「荷物部通信」へ指示を渡す箇所です。
Q: ボックス番号はなぜ必要ですか?
A: 荷物部には複数のボックスがあるため、どのボックスを操作するのかを特定する必要があるからです。
A: 荷物部には複数のボックスがあるため、どのボックスを操作するのかを特定する必要があるからです。
Q: 荷物を預ける場合も解錠指示を送りますか?
A: いいえ。荷物を預けるときは荷物を入れたボックスを施錠します。今回のメッセージは取出し処理のため、解錠指示です。
A: いいえ。荷物を預けるときは荷物を入れたボックスを施錠します。今回のメッセージは取出し処理のため、解錠指示です。
関連キーワード: タスク間通信、パケット通信、シリアル通信、状態通知



