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エンベデッドシステムスペシャリスト 2012年 午後1 問03


家庭向け室内監視システムに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 C社は、ペット監視用の家庭向け室内監視システム(以下、監視システムという)の開発を行っている。   〔監視システムの概要〕 (1) システム構成  監視システムは、カメラ部及びコントローラで構成される。監視システムの利用例を図1に示す。カメラ部には監視カメラ、マイク及びスピーカを内蔵している。カメラ部とコントローラとの間は無線で情報を送受信するので、カメラ部を任意の場所に設置できる。カメラ部はコントローラからの指示で、画像情報及び音声情報(以下、監視情報という)を記録して、コントローラに送信する。コントローラは、LANに接続されたTV、PC、及びインターネットに接続された監視端末に監視情報を送信することができる。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成24年 午後1 問3 図1)
(2) 音声監視機能  消費電力を低減するために、監視カメラへの電源供給を停止して、マイクからの音声情報を監視端末に送信することで、ペットの異常の有無を確認することができる。 (3) 音声再生機能  カメラ部は、ペットを呼び寄せたり、安心させたりするために、コントローラから転送された飼い主の声を、スピーカから出力することができる。   〔カメラ部の概要〕 (1) 構成  カメラ部の概略構成を図2に示す。カメラ部はワンチップマイコン(以下、MCUという)で制御され、充電式の電池で動作する。  ・フラッシュメモリは、監視カメラからの画像情報の格納に使用される。  ・無線通信I/Fは、コントローラとの通信に使用される。  ・駆動回路は、監視カメラのカメラ方向回転、フォーカスを制御する。また、駆動回路は望遠/広角選択アクチュエータを駆動することで、監視カメラのレンズを望遠又は広角に切り替える。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成24年 午後1 問3 図2)
(2) MCU  MCUには、プログラム格納用のROM、データ格納用のRAM、時計機能、タイマ、A/Dコンバータ及びD/Aコンバータが内蔵されている。  ・A/Dコンバータは、マイクからの音声入力、及び赤外線センサからの信号入力に使用される。  ・D/Aコンバータは、コントローラからの音声情報を出力するために用いられる。  また、MCUの消費電力を低減するスリープ機能として、次の2種類がある。  ・MCU内の中央処理装置(以下、CPUという)への動作クロックの供給を停止する。このときもCPU以外の機能は動作可能である。  ・MCUへの動作クロックの発振を停止する。このときも割込みと時計機能は動作可能である。    動作クロックの発振を停止した場合には、発振を再開するときに10マイクロ秒の発振安定時間が挿入される。  消費電力を低減するために、ペットが近くにいない場合には、必要な機能以外の電源をオフにする。例えば、次のような処理を行う。  ・駆動回路に電流を流さない。  ・監視カメラへの電源供給を停止する。  ・MCUをスリープにする。    一方、MCUがスリープから復帰する(以下、ウェイクアップという)方法には、次の二つがある。  ・時計機能又はタイマからの割込みで、定期的にウェイクアップする。  ・赤外線センサからの割込みで、ウェイクアップする。    MCUはウェイクアップすると、赤外線センサで近くにいるペットの検出及びマイクで大きな音の検出を行う。何も検出できなかったときには、再びスリープに入る。この二つのどちらかを検出したときに、MCUは監視カメラに電源を供給し、画像の撮影を開始する。   (3) 構成要素の電流  カメラ部の主な構成要素の動作電流及び動作例A~Eでの1分当たりの時間配分を、表1に示す。表1で、MCUの動作電流には、CPUにも動作クロックが供給されて動作しているとき(クロック供給時)、スリープ機能でCPUへの動作クロックの供給が停止しているとき(クロック供給停止時)、及びスリープ機能でMCUの動作クロックの発振が停止しているとき(クロック発振停止時)の三つがある。表1におけるMCU以外の構成要素の非動作時の電流は0である。

設問1:カメラ部の仕様について、(1)、(2)に答えよ。

設問1(1)

問題文を見る
表1を参照して、次の問いに答えよ。ここで、表1にない構成要素の動作電流は無視してよいものとする。  (a) 動作例A~Eのうち、常に映像を撮影し、圧縮してコントローラに送信しながら、コントローラから受信した音声データを再生しているものはどれか。  (b) MCUのスリープ機能としてクロック発振停止を選択したとき、表1の動作例Aでカメラ部を30日間駆動させるには、電池の容量は何mAh必要か。答えは小数点以下を切り捨てて、整数で求めよ。

模範解答

(a):D (b):12,120

解説

解答の導き方

(a) 動作例の判定
まず、映像を常に撮影しているかどうかは、監視カメラの動作時間で判断できます。表1では、監視カメラが1分間のうち60秒動作するのは動作例AとDです。
次に、コントローラから音声データを受信して再生しているかを確認します。受信には無線通信I/Fの「受信時」の動作が対応し、音声再生にはアンプの動作が対応します。図2では、MCUのD/A出力がアンプを経由してスピーカにつながっています。
動作例AとDはいずれも無線通信I/Fが受信時に動作しますが、アンプが動作するのは動作例Dだけです。また、動作例Dでは監視カメラが60秒動作し、無線通信I/Fは送信時にも動作しています。したがって、映像を撮影して送信しながら、受信した音声データを再生しているものとして判断できるのは動作例Dです。
(b) 電池容量の計算
表1の動作例Aでは、MCUはクロック供給時に59秒動作し、残りの1秒はスリープします。設問ではクロック発振停止を選ぶため、スリープ中の電流には表1の「0.1 μA(クロック発振停止時)」を使います。これは mAです。
動作例Aで、1分間に各構成要素が消費する電荷をで合計します。表1から、監視カメラは60秒間、無線通信I/Fは送信時に55秒間、受信時に5秒間動作します。これらにMCUの電流を加えると、次のとおりです。
フラッシュメモリ、駆動回路、望遠/広角選択アクチュエータ、アンプ及び赤外線センサは、動作例Aでは動作時間が0秒なので加えません。
30日間に動作例Aの1分間の動作を繰り返す回数は、回です。電荷をに換算するには、秒を時間に直すためで割ります。
小数点以下を切り捨てると、電池容量は12,120 mAhとなります。

誤りやすいポイント

  • 動作例Aも監視カメラが60秒動作し、無線通信I/Fが送信・受信の両方で動作します。しかし、アンプの動作時間は0秒です。音声データを受信するだけでなく、再生することまで確認します。
  • MCUのスリープ電流は、指定されたスリープ方法に合わせて選びます。今回はクロック発振停止なので、100 μAではなく0.1 μAを使います。
  • 時間配分は1分間の秒数です。動作電流と時間の積を求めた後、30日間の繰返し回数を掛け、秒から時間への換算も行います。
  • 表1で動作時間が0秒の構成要素は、電流の合計に加えません。問題文では、表1にない構成要素の動作電流も無視してよいとされています。

FAQ

Q: 動作例Aでも無線通信I/Fが受信時に動作するのに、音声再生とは判断できないのですか?
A: 受信時の動作だけでは、受け取った音声を再生しているとは限りません。アンプも動作しているかを合わせて確認します。動作例Aではアンプが動作せず、動作例Dでは動作しています。
Q: 電池容量の計算で、MCUのスリープ時間に100 μAを使わないのはなぜですか?
A: 設問で選択しているのはクロック発振停止です。表1では、このときの電流が0.1 μAと示されています。
Q: 最後に小数点以下を切り捨てるのはなぜですか?
A: 設問で、電池容量の答えは小数点以下を切り捨てて整数で求めるよう指定されています。そのため、計算途中では端数を残し、最後に切り捨てます。

関連キーワード: 消費電流、電荷、電池容量、スリープモード、無線通信

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設問1(2)

問題文を見る
カメラ部の性能(画像情報データ)を表2に示す。これらの画像情報データをJPEGで1/10に圧縮して、無線通信I/Fでコントローラに送信する。無線通信I/Fの伝送速度が最小1Mビット/秒のとき、カメラ部から1秒間に送信できるのは何フレームか。答えは小数点以下を切り捨てて、整数で求めよ。ここで、1Mビットはビットとする。 エンベデッドシステムスペシャリスト試験(平成24年 午後1 問3 表2)

模範解答

5

解説

解答の導き方

求めるのは、無線通信I/Fの伝送速度で1秒間に送信できるフレーム数です。まず、1フレーム分の圧縮後のデータ量を求めます。
表2では、1フレーム当たりの画素数が「400ドット×300ドット」、1画素当たりのデータ量が「16ビット」です。したがって、圧縮前のデータ量は、
ビット
です。
問題文にあるとおり、画像情報データをJPEGで1/10に圧縮するので、圧縮後の1フレーム分は、
ビット
となります。
伝送速度の「1Mビット/秒」は、問題文の定義からビット/秒、つまり1秒間にビットを送信できるということです。よって、1秒間に送信できるフレーム数は、
です。フレームは整数単位で送るため、小数点以下を切り捨てると、1秒間に送信できるのは5フレームです。

誤りやすいポイント

  • 圧縮前のデータ量のまま計算しないようにします。JPEGで1/10に圧縮する条件を反映してから、伝送速度で割ります。
  • 表2の「最大30フレーム/秒」はカメラのフレームレートの上限です。伝送速度が1Mビット/秒の場合、実際に送れるフレーム数はデータ量と伝送容量で決まります。
  • フレームを送れると考えず、小数点以下を切り捨てます。1フレーム分のデータをすべて送るには、192,000ビット分の容量が必要です。

FAQ

Q: 1Mビット/秒を1,000,000ビット/秒として計算するのはなぜですか?
A: 問題文で1Mビットをビットと定義しているためです。
Q: 圧縮率を掛けるのではなく、なぜ10で割るのですか?
A: 圧縮後のデータ量が圧縮前の1/10になるためです。したがって、圧縮前のデータ量を10で割ります。
Q: 最大30フレーム/秒は計算に使わないのですか?
A: これは撮影できるフレームレートの上限です。今回求める送信可能数は、1フレーム当たりのデータ量と伝送速度から求めます。

関連キーワード: 画像圧縮、画素数、ビットレート、伝送容量、フレームレート

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設問2:カメラ部のMCUがウェイクアップする場合の処理について、(1)、(2)に答えよ。

設問2(1)

問題文を見る
MCUが、動作クロックをカウントするタイマからの割込みではなく、時計機能からの割込みを利用して、数秒ごとにウェイクアップする方法を採用した。この理由を、25字以内で述べよ。

模範解答

クロック発振停止して消費電力を低減したいから

解説

解答の導き方

  1. MCUがスリープする方法には、CPUへの動作クロックの供給だけを止める方法と、MCUの動作クロックの発振そのものを止める方法があります。本文では、後者の状態でも「割込みと時計機能は動作可能」とされています。
  2. 設問のタイマは、動作クロックをカウントして割込みを発生させます。そのため、動作クロックの発振を停止するとカウントできず、タイマから定期的に割込みを発生させることはできません。タイマを使うには、動作クロックの発振を続ける必要があります。
  3. 一方、時計機能は動作クロックの発振を停止した状態でも動作し、割込みを発生させられます。したがって、数秒ごとのウェイクアップに時計機能からの割込みを使えば、MCUを動作クロック発振停止の状態で待機させられます。
  4. 表1では、MCUの電流はクロック供給停止時が100 μA、クロック発振停止時が0.1 μAです。この差からも、時計機能の割込みを選ぶのは、クロック発振を止めて消費電力を低減するためだと分かります。

誤りやすいポイント

  • CPUへのクロック供給停止と、MCUの動作クロック発振停止を同じ状態だと考えないようにします。後者の方が、動作クロックそのものを止めるため、さらに消費電力を抑えられます。
  • タイマが動作クロックを数える点を見落とさないようにします。クロック発振を止めると、タイマはカウントを継続できません。
  • 時計機能を使う理由を、単に「一定時間ごとに起こすため」とだけ捉えないようにします。重要なのは、動作クロック発振停止中でも時計機能と割込みが動作できることです。

FAQ

Q: CPUへのクロック供給を停止するだけでは不十分なのですか?
A: CPUは停止できますが、動作クロックの発振は続いています。発振自体も停止できる時計機能の割込みを使うことで、より消費電力を抑えられます。
Q: タイマからの割込みは、どのような場合に使えますか?
A: 動作クロックの発振を続ける場合に使えます。タイマはそのクロックを数えて、設定した時間の経過後に割込みを発生させます。
Q: クロック発振停止中でもウェイクアップできるのはなぜですか?
A: 本文の説明では、MCUの動作クロックの発振を停止していても、時計機能と割込みは動作可能だからです。

関連キーワード: クロック発振停止、タイマ割込み、時計機能、スリープ、消費電力

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設問2(2)

問題文を見る
ウェイクアップ時にできるだけ早く監視を開始したいので、MCUがスリープに入るときに、監視カメラのレンズを広角側に設定してからスリープに入るようにした。これは、ウェイクアップ時の最初に実行する、どのような監視動作を考慮したからと考えられるか。30字以内で述べよ。

模範解答

部屋全体の概要を確認する監視動作を考慮したから

解説

解答の導き方

  1. 設問では、MCUがスリープに入る前にレンズを広角側に設定しておくことで、ウェイクアップ後にどの監視動作を速やかに始められるかを考えます。
  2. 本文には、MCUが検出を行い、条件に合うものが見つかると「監視カメラに電源を供給し、画像の撮影を開始する」とあります。つまり、ウェイクアップ後は、まず撮影した画像で周囲の状況を確認することになります。
  3. 広角は、望遠に比べて広い範囲を一度に撮影できます。そのため、レンズをあらかじめ広角側にしておけば、撮影開始後すぐに部屋全体を見渡せます。特定の場所やペットを細かく確認する前に、まず部屋全体の状況を確認する監視動作を想定したと考えられます。

誤りやすいポイント

  • 広角側にする目的を、ペットを大きく撮影することだと考えないようにします。広角は広い範囲を撮影するための設定です。
  • 設問は、広角にする理由を一般的に問うのではなく、ウェイクアップ後に最初に行う監視動作を問うています。
  • スリープ中に設定を済ませることで、ウェイクアップ後にレンズを切り替える時間を省き、監視の開始を早められる点も押さえます。

FAQ

Q: 広角側では、ペットの細かな様子も確認できますか?
A: 広い範囲を撮影するのに適していますが、特定の対象を大きく捉えるには望遠側が適しています。まず部屋全体を確認する場面では、広角側が向いています。
Q: なぜウェイクアップ後ではなく、スリープに入る前に広角側へ設定するのですか?
A: ウェイクアップ後にレンズを切り替える処理を省き、撮影を始めたときから部屋全体を確認できるようにするためです。
Q: ウェイクアップ後は、必ず撮影が始まりますか?
A: 本文では、ペットの検出または大きな音の検出があったときに、監視カメラへ電源を供給して撮影を開始すると説明されています。

関連キーワード: 広角、望遠、画角、ウェイクアップ、監視カメラ

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設問3:不具合対策について、(1)、(2)に答えよ。

設問3(1)

問題文を見る
監視端末に表示される画像情報のフレームレートが低く、動画として見づらいことが指摘された。その原因は、動画として見るための画像情報データ量が、監視端末との伝送容量を超えているからである。そこで、画像情報データ量を少なくすることによってフレームレートを高くする方法について検討した。  検討の結果、撮影した画像情報データと、その直前に撮影した画像情報データとの差分を算出し、その差分データだけを送信する方法を採用した。この方法を用いて、監視端末に届いたかどうかの確認を行わない通信プロトコルで監視端末に送信する場合、一定フレームごとに画像情報データ全体の送信処理が必要であった。この理由を50字以内で述べよ。

模範解答

差分情報受信に失敗した場合、画像が復元できず正常再生できなくなるので、定期的に全体を送信する。

解説

解答の導き方

まず、送信するデータは毎回の画像全体ではなく、「直前に撮影した画像情報データとの差分」です。したがって、監視端末は、受信済みの画像を基準に差分を反映して次の画像を復元します。
次に、通信プロトコルについて、問題文には「監視端末に届いたかどうかの確認を行わない」とあります。この場合、差分データが届かなかったとしても、送信側はそのことを把握して再送できません。
差分データを一度受信できないと、監視端末の画像は本来の状態からずれます。その後に届く差分も、送信側では直前に撮影した画像を基準に作られているため、監視端末のずれた画像を基準に適用しても正しい画像を復元できません。
そこで、一定フレームごとに画像全体を送信し、監視端末の画像を正しい状態に戻す必要があります。画像全体の受信をきっかけに、その後の差分を正しく適用できるようになります。

誤りやすいポイント

  • 差分データが届かなかったとき、次の差分を受信すれば自動的に復旧できると考えることです。差分は送信側の直前の画像を基準にしているため、受信側の画像とのずれが残ります。
  • 一定フレームごとに全体を送る理由を、画質を向上させるためと考えることです。ここでの目的は、欠落した差分による画像のずれを解消することです。
  • 届いたかどうかの確認を行わない通信であっても、送信側が欠落を把握して再送できると考えることです。確認を行わないため、欠落に気付けず再送もできません。

FAQ

Q: 差分データが欠落しても、その後の差分だけで正しい画像に戻ることはありませんか?
A: その保証はありません。差分は送信側で撮影した直前の画像を基準にしているため、受信側の画像がその基準と異なると、正しく復元できない可能性があります。
Q: なぜ毎回ではなく、一定フレームごとに画像全体を送るのですか?
A: 差分データを使うことで通常の送信量を抑えながら、定期的に画像全体を送って受信側の状態を正しい画像に戻せるからです。
Q: 届いたかどうかを確認する通信なら、全体の画像を定期的に送らなくてもよいのですか?
A: 確認や再送によって差分の欠落に対処できる場合はあります。ただし、この問題では届いたかどうかを確認しない通信なので、定期的な画像全体の送信が必要です。

関連キーワード: 差分符号化、パケット損失、再同期、再送制御、フレーム間予測

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設問3(2)

問題文を見る
音声監視機能では、飼い主の声をカメラ部のスピーカから再生してペットを呼び寄せ、カメラ部のマイクからペットの様子を集音し、監視端末で聞けるようにしている。しかし、スピーカで再生した音をマイクから拾ってしまう不具合が発生した。そこで、スピーカで再生した音をノイズとみなして、ノイズキャンセル処理を行うことにした。ノイズキャンセル処理では、マイクの入力から、スピーカ出力音の成分を取り除く。このために、初期設置時に測定用の音をスピーカから出力して、マイクから入力する処理を追加した。この処理で得られる、ノイズキャンセル処理に利用する情報は何か。25字以内で二つ述べよ。

模範解答

①:スピーカ出力からマイク入力までの遅れ時間 ②:スピーカ出力とマイク入力との音量差

解説

解答の導き方

マイクに入る音には、ペットの鳴き声などの周囲の音だけでなく、スピーカから出した飼い主の声も含まれます。問題文では「マイクの入力から、スピーカ出力音の成分を取り除く」とあるため、スピーカに出した音を基準にして、マイクに入ったその音の成分を差し引く必要があります。
ただし、スピーカから出した音がマイクに届くまでには時間がかかり、音量も変化します。そのまま差し引くと、マイク入力中のスピーカ音と基準にするスピーカ出力音が一致しません。
そこで、まずスピーカ出力からマイク入力までにどれだけ時間がずれるかを測ります。これが、ノイズ成分を差し引く際に音を時間的に合わせるための遅れ時間です。さらに、スピーカから出た音とマイクで拾った音との音量差も測り、差し引く音の大きさを調整します。
したがって、測定して得る情報は、スピーカ出力からマイク入力までの遅れ時間と、スピーカ出力とマイク入力との音量差です。

誤りやすいポイント

  • 遅れ時間だけを答えて、音量差を挙げ忘れることがあります。時間を合わせても、音量が異なればスピーカ音の成分を適切に取り除けません。
  • 音量差だけを答えて、遅れ時間を挙げ忘れることがあります。音の大きさを調整しても、時間がずれたままでは差し引く対象が一致しません。
  • 音量差を、ペットの鳴き声とスピーカ音との音量差と取り違えないようにします。必要なのは、スピーカ出力と、それがマイクに入力された音との音量差です。

FAQ

Q: なぜスピーカの出力音を基準にするのですか?
A: 取り除きたいのはスピーカから出た音がマイクに入った成分なので、スピーカ出力を基準にしてマイク入力内の該当成分を特定します。
Q: 遅れ時間は、何から何までの時間ですか?
A: スピーカから音を出してから、その音がマイクに入力されるまでの時間です。
Q: 初期設置時に測定するのはなぜですか?
A: スピーカとマイクの位置関係などによって、音が届くまでの時間や音量の変化が異なるためです。

関連キーワード: ノイズキャンセル、音声信号処理、遅延時間、音量補正、基準信号

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