エンベデッドシステムスペシャリスト 2012年 午前2 問05
問題文
図のように3個の装置を並列と直列に組み合わせて構成したシステムがある。装置単体の稼働率と、システムの稼働率の関係を示したグラフはどれか。ここで、3個の装置の稼働率は、全て等しいものとする。


選択肢
ア:
イ:
ウ:
エ:(正解)
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並列・直列システムの稼働率【午前2解説】
正解の理由
装置単体の稼働率を とします。図では、2台の装置が並列に接続され、その並列部分にもう1台が直列に接続されています。
並列部分が稼働するのは、2台のうち少なくとも1台が稼働するときです。したがって、並列部分の稼働率は次のとおりです。
さらに、直列に接続された装置も稼働する必要があるため、システム全体の稼働率は次のようになります。
装置単体の稼働率が のとき、システムの稼働率は
です。つまり、グラフは を通り、装置単体の稼働率を示す対角線より下側になります。また、 では、
となるため、システムの稼働率は常に装置単体の稼働率より低くなります。この特徴に合うのは エ です。
解法ステップ
-
接続方式を読み取ります。
2台の並列部分と、1台の直列部分を組み合わせた構成です。 -
並列部分の稼働率を求めます。
2台とも停止する確率は なので、少なくとも1台が稼働する確率は です。 -
直列部分を含めた稼働率を求めます。
直列部分の装置も稼働する必要があるため、並列部分の稼働率に を掛けます。 -
グラフの特徴と照らし合わせます。
のときのシステム稼働率は で、対角線より下です。全体としても装置単体の稼働率を上回らない曲線を選びます。
選択肢別の誤答解説
- ア:曲線が対角線より上側にあります。並列接続は冗長性によって稼働率が単体より高くなりますが、このシステムには直列部分もあるため、システム全体の稼働率が単体を上回ることはありません。
- イ:システム稼働率が装置単体の稼働率と常に等しいグラフです。装置1台だけの稼働率を表す場合に相当します。
- ウ:稼働率が の位置で対角線を横切り、単体稼働率より低い範囲と高い範囲があります。これは、例えば3台中2台以上が稼働すればよい多数決型の構成に見られる形で、今回の構成とは異なります。
- エ:システム稼働率が対角線より下側にあり、 では になります。並列部分の後に直列部分がある構成に一致します。
よくある誤解
-
並列部分があるから、システム全体の稼働率も単体より高いと思う
並列部分は稼働率を高めますが、直列部分が停止するとシステム全体も停止します。全体では単体の稼働率を下回ることがあります。 -
装置の稼働率を足し合わせればよいと思う
稼働率は接続方式に応じて計算します。並列では「全台停止する確率」を使い、直列では各部分の稼働率を掛け合わせます。 -
「並列と直列がある」という情報だけでグラフを選ぶ
並列と直列のどちらがどの位置にあるかが重要です。まず図の接続順を確認してください。
補足コラム
この計算は、各装置の故障が互いに独立していることを前提としています。故障が独立していれば、各装置が停止する確率や複数装置が同時に停止する確率を、確率の積で求められます。
また、 ならシステム稼働率は 、 ならシステム稼働率は です。どちらもグラフの両端の値を確認する目安になります。
FAQ
なぜ並列部分の稼働率は、装置2台の稼働率の単純な合計ではないのですか?
2台が同時に稼働するケースが重複して数えられるためです。「少なくとも1台が稼働する確率」として、全台停止する確率を全体から引きます。
2台が同時に稼働するケースが重複して数えられるためです。「少なくとも1台が稼働する確率」として、全台停止する確率を全体から引きます。
なぜ直列部分では稼働率を掛けるのですか?
直列システムは、構成するすべての部分が稼働して初めてシステム全体が稼働します。各装置の故障が独立している場合、同時に稼働する確率は稼働率の積で求められます。
直列システムは、構成するすべての部分が稼働して初めてシステム全体が稼働します。各装置の故障が独立している場合、同時に稼働する確率は稼働率の積で求められます。
装置単体の稼働率が なら、システム稼働率も必ず ですか?
いいえ。今回の構成では、 のときのシステム稼働率は です。接続方式によってシステム全体の稼働率は変わります。
いいえ。今回の構成では、 のときのシステム稼働率は です。接続方式によってシステム全体の稼働率は変わります。
関連キーワード: 稼働率、並列システム、直列システム、信頼性、故障確率

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