エンベデッドシステムスペシャリスト 2014年 午前2 問06
問題文
コンピュータシステムにおいて、性能改善手法を適用した機能部分の全体に対する割合を()、その部分の性能改善手法適用前に対する適用後の性能比をとする。このとき、システム全体の性能改善手法適用前に対する適用後の性能比を表す式はどれか。
選択肢
ア:
イ:(正解)
ウ:
エ:
🔒 解説は解答すると表示されます
アムダールの法則【午前2解説】
正解の理由
性能改善の対象部分が全体に占める割合を 、その部分の性能を改善する倍率を とします。
改善前のシステム全体の処理時間を とすると、改善後は次のように分けられます。
- 改善対象外の部分:(変化しません)
- 改善対象の部分:(処理時間が 倍の性能向上により になります)
したがって、改善後の処理時間は です。性能比は処理時間の比の逆数なので、システム全体の性能比は
となります。この式に一致するイが正解です。
解法ステップ
- 改善前のシステム全体の処理時間を と置きます。
- 改善対象外の処理時間は、そのまま です。
- 改善対象部分は、性能が 倍になるため、処理時間は です。
- 改善後の全体処理時間 の逆数を取り、全体の性能比を求めます。
選択肢別の誤答解説
- ア:改善対象外の部分にも を掛ける形になっており、改善されない部分を正しく扱えていません。
- イ:改善対象外の処理時間 と、改善後の対象部分の処理時間 を足し、その逆数を取っています。
- ウ: を改善後も変わらない部分、 を改善対象部分として扱っており、割合の対応が逆です。
- エ:改善対象部分だけを考えていて、改善対象外の部分が式に含まれていません。
よくある誤解
- 対象部分の性能が 倍になると、処理時間も 倍になると思う
性能が 倍なら、同じ処理にかかる時間は になります。 - 改善対象の割合 を、そのまま全体の性能向上率と考える
対象外の部分は改善されないため、全体の性能向上は対象割合だけでは決まりません。 - 処理時間の比と性能比を混同する
性能比を求める場合は、改善後の処理時間の逆数を取ります。
補足コラム
この考え方は、アムダールの法則として知られています。たとえば、全体の処理時間の を占める部分を 倍に高速化した場合、全体の性能比は
です。対象部分を大きく高速化しても、残りの部分が改善されなければ、全体の性能向上には限界があります。
FAQ
Q. の場合、全体の性能比はどうなりますか?
A. 改善対象部分の性能が変わらないので、全体の性能比も です。式に代入しても となります。
A. 改善対象部分の性能が変わらないので、全体の性能比も です。式に代入しても となります。
Q. を非常に大きくすれば、全体性能も無限に向上しますか?
A. いいえ。 を無限大に近づけても、全体性能比の上限は です。改善対象外の処理が残るためです。
A. いいえ。 を無限大に近づけても、全体性能比の上限は です。改善対象外の処理が残るためです。
関連キーワード: アムダールの法則、性能比、処理時間、ボトルネック

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