エンベデッドシステムスペシャリスト 2015年 午後1 問03
改札機用乗車券処理装置に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
C社は、改札機用乗車券処理装置を開発している。改札機用乗車券処理装置は、磁気式乗車券(以下、券という)を処理する券処理ユニットと、無線式乗車券(以下、カードという)を処理するカード処理ユニットなどから構成されている。
改札機用乗車券処理装置の構成を、図1に示す。

〔券処理ユニットの概要〕
・券には券種、乗車駅情報、券の金額、有効日などの情報が記録されている。
・券の搬送速度は250cm/秒、券の長さは5cmであり、券の裏面の全長にわたって、データが1mm当たり4ビットの均一な密度で記録されている。
券処理ユニットの主な構成要素の機能を、表1に示す。

〔カード処理ユニットの概要〕
・券処理ユニットと同様に、カードに記録された券種、乗車駅情報などを基に、料金計算、通過可否の判定、カードへの残額の書込みなどを行う。
・処理時間は、カードがタッチされてから最大10ミリ秒である。
・券処理ユニットに、カードの処理結果を伝送する。
・券処理ユニットとの間のシリアル伝送速度は100kビット/秒であり、1バイトのデータは、10ビットで送信される。
管理用マイコン、カード処理ユニットなどの主要部の構成を、図2に示す。

〔券処理ユニットの動作〕
乗客が券の裏面を上側にして投入したときの券処理ユニットのタイミングチャートの例(一部)を、図3に示す。

・券処理ユニットは、券を受付可能なときにはシャッタを開き、処理中はシャッタを閉じる。
・券センサ1が券の投入を検出すると、モータが作動して券を搬送し、処理を開始する。表示器への出力が完了するまで、カード処理ユニットの動作を禁止する。
・券の処理が完了して表示器への出力が完了すると、券は券取出し部に送られ、シャッタが開き、次の券の受付が可能になるのと同時に、カードの処理も可能となる。
ソフトウェア処理の概要を、表2に示す。

・タイマ、シリアル伝送及び各券センサからの割込みは、優先度に従ってプリエンプティブに処理される。
・シリアル伝送送受信割込みは、1バイト送受信するごとに発生する。
・カード処理ユニットからのデータは、データ伝送完了後のタイマ割込み処理で表示器に出力される。
設問1:券処理ユニットの仕様について、(1)~(3)に答えよ。
設問1(1)
問題文を見るカード処理ユニットから券処理ユニットに伝送すべき情報を、三つ答えよ。
模範解答
①:通過可否の判定結果
②:引き落とし金額
③:カードの残額
解説
解答の導き方
-
問われているのは、カード処理ユニットが処理結果として券処理ユニットへ伝送する情報です。カード処理ユニットは料金計算や通過可否の判定などを行い、「券処理ユニットに、カードの処理結果を伝送する」とあります。
-
伝送先の券処理ユニットでは、管理用マイコンが表示器への表示データを出力します。表示器の機能として示されているのは、「通過可否の判定結果、引き落とし金額、カードの残額など」の表示です。
-
したがって、カードの処理結果のうち、表示器に出すために伝送する情報は、通過できるかどうかの判定結果、引き落とす金額、引き落とし後のカードの残額です。「引き落とし金額」と「カードの残額」は、料金に関する情報でも役割が異なるため、別々の項目として答えます。
誤りやすいポイント
- カードに記録されている券種や乗車駅情報と、処理結果として表示する情報を混同しないようにします。
- 「引き落とし金額」と「カードの残額」は別の情報です。前者は今回の利用で差し引く金額、後者は差し引いた後にカードに残る金額です。
- 通過可否の判定結果を、料金計算の結果に含めて省略しないようにします。表示器に表示する項目として、それぞれ示されています。
FAQ
Q: なぜカード処理ユニットから券処理ユニットへ情報を伝送するのですか?
A: 問題文では、カード処理ユニットが処理結果を券処理ユニットに伝送し、カード処理ユニットからのデータは伝送完了後のタイマ割込み処理で表示器に出力すると説明されています。
A: 問題文では、カード処理ユニットが処理結果を券処理ユニットに伝送し、カード処理ユニットからのデータは伝送完了後のタイマ割込み処理で表示器に出力すると説明されています。
Q: 「引き落とし金額」と「カードの残額」は、どちらか一方だけ答えればよいですか?
A: どちらも表示器に表示される別の情報なので、両方を答えます。
A: どちらも表示器に表示される別の情報なので、両方を答えます。
Q: カードの券種や乗車駅情報も、ここで答える情報に含まれますか?
A: それらはカードに記録されている情報です。この設問で問われているのは処理結果として伝送する情報なので、表示器に表示する処理結果の項目に着目します。
A: それらはカードに記録されている情報です。この設問で問われているのは処理結果として伝送する情報なので、表示器に表示する処理結果の項目に着目します。
関連キーワード: インタフェース設計、処理結果伝送、表示制御、データ項目、機能分担
設問1(2)
問題文を見る読込みヘッド1は、券のデータをビットごとに“1”、“0”のディジタル信号で出力する。読込みヘッド1からの出力を管理用マイコンの入力ポートに入力し、1ビット当たり8回のサンプリングでデータを判定する。このとき、入力ポートの読込み周期は、最大何マイクロ秒に設定できるか。答えは小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。
模範解答
12.5
解説
解答の導き方
求めるのは、1ビットのデータを8回サンプリングするための、入力ポートの読込み周期の最大値です。
本文には、券の搬送速度が「250cm/秒」、データの記録密度が「1mm当たり4ビット」とあります。したがって、券が1秒間に移動する距離はであり、1秒間に読み取るビット数は次のとおりです。
つまり、1ビット分のデータが通過する時間は、をで割ったです。マイクロ秒に直すと、1ビットの時間はになります。
設問では「1ビット当たり8回のサンプリング」が必要です。1ビットの時間を8等分した間隔で読み込めば、1ビットにつき8回のサンプリングができます。よって、読込み周期の最大値は次のとおりです。
誤りやすいポイント
- 券の長さを使って、券全体のデータ量を求めてしまうことがあります。この設問で必要なのは1ビット当たりの時間なので、搬送速度と記録密度から求めます。
- 1ビットの時間であるを、そのまま読込み周期としてしまわないようにします。8回サンプリングするため、さらに8で割ります。
- 「最大」を問われているため、読込み周期を1ビット時間の8分の1より大きくできません。8回のサンプリングを満たす限界がです。
FAQ
Q: 1ビット当たりの時間は、なぜ搬送速度と記録密度から求められるのですか?
A: 1秒間に券が進む距離に、1mm当たりのビット数を掛けると、1秒間に通過するビット数が分かるためです。その逆数が1ビット当たりの時間です。
A: 1秒間に券が進む距離に、1mm当たりのビット数を掛けると、1秒間に通過するビット数が分かるためです。その逆数が1ビット当たりの時間です。
Q: 読込み周期をより短く設定してもよいですか?
A: はい。短くすれば1ビット当たりのサンプリング回数は増えます。設問で求める最大値は、必要な8回をちょうど満たす周期です。
A: はい。短くすれば1ビット当たりのサンプリング回数は増えます。設問で求める最大値は、必要な8回をちょうど満たす周期です。
関連キーワード: データ密度、ビット時間、サンプリング周期、サンプリング周波数
設問1(3)
問題文を見る読込みヘッド1からの読込みデータ又は読込みヘッド2からの読込みデータのどちらかが正常であれば、券が正常であることの確認と、券の表裏の判定が可能である。券の表裏の判定は、券のデータを全て読み取ってから判定する。読込みヘッド1と読込みヘッド2の間隔は18cm、読込みヘッド2と券反転機の入口の間隔は8cmである。券の反転が必要な場合には、券反転機の入口に券が到達する10ミリ秒前までに券反転機の動作を開始する必要がある。
(a)券反転機の動作開始の判断に使用できる時間は、最小何ミリ秒か。答えは小数第1位を切り捨て、整数で答えよ。ただし、券の表裏の判定に要する時間は無視してよい。
(b)券の搬送速度及び読込みヘッドと券反転機の間隔を変更せずに、上記の時間を増やすための物理的手段を、40字以内で述べよ。
模範解答
(a):2
(b):読込みヘッド1と読込みヘッド2の上下位置を変更し、反転要の判定を早める。
解説
解答の導き方
(a)表裏の判定に使うデータは、「券のデータを全て読み取ってから」判定します。そのため、読込みを始めた時点ではなく、券の全データを読み終えた時点から、券反転機の動作開始までに使える時間を考えます。
券の搬送速度は「250cm/秒」なので、ミリ秒当たりでは進みます。券の長さはですから、読込みヘッドで全データを読み終えたときには、券の先端はすでに読込みヘッドを通過しています。
表裏の判定が遅くなるのは、券反転機の入口に近い読込みヘッド2で読み終える場合です。読込みヘッド2から入口までの距離はなので、データを読み終えた後、券の先端が入口に到達するまでに進む距離は、です。したがって、その時間はミリ秒です。
券反転機は「券反転機の入口に券が到達する10ミリ秒前までに」動作を開始する必要があります。よって、データを読み終えてから動作開始を判断できる時間は、ミリ秒です。
(b)読込みヘッド1と読込みヘッド2は上下に取り付け可能で、間隔はです。図1の配置では、裏面を上側にした券のデータを読むのは、入口に近い読込みヘッド2です。そこで上下の取付位置を入れ替え、反転が必要な券のデータを、より手前にある読込みヘッド1で読めるようにします。読込みヘッド1で早く読み終えれば、その分だけ表裏の判定を早められます。速度や読込みヘッドと券反転機の間隔を変えずに、判断に使える時間を増やせます。
誤りやすいポイント
- 読込みヘッドから券反転機の入口までの距離を、そのまま使わないようにします。全データを読み終えたときには券の先端がすでに進んでいるため、券の長さを差し引きます。
- データを読み終えた後の時間がそのまま判断時間になるわけではありません。券反転機を入口到達の10ミリ秒前までに動作させる必要があるので、その分をさらに差し引きます。
- 読込みヘッド1から入口までの距離を使うと、判断に使える時間を多く見積もってしまいます。最小時間を求めるので、入口に近い読込みヘッド2で読み終える場合を考えます。
FAQ
Q: なぜ券の長さを距離から差し引くのですか?
A: 全データを読み終えるのは券の後端が読込みヘッドを通過した時点です。その時点で先端は、券の長さ分だけ先に進んでいるためです。
A: 全データを読み終えるのは券の後端が読込みヘッドを通過した時点です。その時点で先端は、券の長さ分だけ先に進んでいるためです。
Q: 読込みヘッド1と読込みヘッド2の間隔は、(a)の計算に使わないのですか?
A: (a)は、より入口に近い読込みヘッド2で読み終える場合の最小時間を求めます。読込みヘッド1と読込みヘッド2の間隔は、(b)のように読み終える位置を手前に変える場合に関係します。
A: (a)は、より入口に近い読込みヘッド2で読み終える場合の最小時間を求めます。読込みヘッド1と読込みヘッド2の間隔は、(b)のように読み終える位置を手前に変える場合に関係します。
Q: (b)では、なぜ上下の位置を入れ替えるのですか?
A: 券の表裏によって、データを読み取る側のヘッドが異なります。上下の位置を入れ替えると、反転が必要な券のデータを、より手前の読込みヘッドで読み取れるようにでき、判定を早められます。
A: 券の表裏によって、データを読み取る側のヘッドが異なります。上下の位置を入れ替えると、反転が必要な券のデータを、より手前の読込みヘッドで読み取れるようにでき、判定を早められます。
関連キーワード: 搬送速度、データ読取り、時間計算、位置関係、処理遅延
設問2:券処理ユニットの設計について、(1)~(3)に答えよ。
設問2(1)
問題文を見る券の詰まりなど、券が正常に搬送されなかったことを検出するために、券センサを使用する。
書出しヘッドと読込みヘッド3との間での券の詰まりを検出したい。券センサ5と券センサ6のON/OFFでカウント値の設定及び起動・停止を制御できるカウンタがある。このカウンタは、起動すると定期的にカウント値が減算される。カウント値が0以下になったことで券の詰まりを検出するには、このカウンタをどのように使用すればよいか。45字以内で述べよ。
模範解答
券センサ5のONでカウント値を設定して起動させ、券センサ6のONで停止させる。
解説
解答の導き方
-
図1では、券センサ5は書出しヘッドより前にあり、券センサ6は読込みヘッド3より後にあります。したがって、この二つのセンサで、詰まりを検出したい区間への進入と、区間からの通過を確認できます。
-
カウンタは「起動すると定期的にカウント値が減算される」仕組みです。券センサ5がONになった時点で、券が監視区間に入ったと判断できます。そのため、このタイミングで、正常に通過するための猶予時間に相当するカウント値を設定してカウンタを起動します。
-
券が正常に進めば、カウント値が0以下になる前に券センサ6がONになります。券センサ6がONになった時点でカウンタを停止すれば、監視区間を通過したことを確認できます。
-
詰まりによって券が券センサ6まで到達しない場合は、券センサ6がONにならず、カウンタの減算が続きます。カウント値が0以下になったことを詰まりとして検出できます。よって、券センサ5のONでカウント値を設定して起動し、券センサ6のONで停止するように使用します。
誤りやすいポイント
- 券センサ6を起動のタイミングにするのは誤りです。券が監視区間に入ったことを示す券センサ5のONでカウンタを起動します。
- 券センサ5のONでカウンタを停止すると、券が区間に入った直後に監視が終わってしまいます。停止するのは、区間を通過したことを示す券センサ6のONです。
- カウント値を設定するだけでなく、券センサ5のONでカウンタを起動する必要があります。また、正常通過時にカウント値が0以下になるのを防ぐため、券センサ6のONで停止させます。
- 詰まりを検出するのは、券センサ6がONにならないことだけではありません。カウンタが減算を続け、カウント値が0以下になったことを検出に使います。
FAQ
Q: カウント値は何を基準に設定しますか?
A: 券が監視区間を正常に通過できる猶予時間に相当する値を設定します。正常な券が券センサ6に到達する前にカウント値が0以下にならないようにします。
A: 券が監視区間を正常に通過できる猶予時間に相当する値を設定します。正常な券が券センサ6に到達する前にカウント値が0以下にならないようにします。
Q: 券センサ6がONになったら、なぜカウンタを停止するのですか?
A: 券が監視区間を通過したことが確認でき、詰まりを検出するための監視を終えられるからです。
A: 券が監視区間を通過したことが確認でき、詰まりを検出するための監視を終えられるからです。
Q: 券センサ6がONにならない場合、すぐに詰まりと判断しますか?
A: すぐには判断せず、カウンタを動作させ続けます。カウント値が0以下になった時点で詰まりを検出します。
A: すぐには判断せず、カウンタを動作させ続けます。カウント値が0以下になった時点で詰まりを検出します。
関連キーワード: カウントダウンタイマ、タイムアウト監視、センサ入力、異常検出
設問2(2)
問題文を見るカード処理ユニットは、カードの処理を完了した直後に、100バイトの処理結果を送信する。カード処理ユニットがカードの処理を完了してから、券処理ユニットがそのデータを表示するまでの時間は、最大何ミリ秒か。答えは小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。ここで、上記の処理の間に券処理ユニットからの送信処理はないものとする。
模範解答
35.1
解説
解答の導き方
-
まず、カード処理ユニットから送信される100バイトのデータを、券処理ユニットが受信し終えるまでの時間を求めます。シリアル伝送速度は100kビット/秒で、1バイトは10ビットで送信されるので、データ全体の送信時間はです。
-
表2では、シリアル伝送受信割込み処理の時間は0.05ミリ秒で、割込みは1バイト受信するごとに発生するとあります。一方、1バイトの送信にかかる時間はです。受信割込み処理の0.05ミリ秒は次の1バイトが届くまでの0.1ミリ秒以内に終わるため、受信割込み処理の時間を100バイト分そのまま送信時間に加える必要はありません。最後の1バイトを受信した後、その受信割込み処理が終わるまでの0.05ミリ秒を加えます。したがって、受信処理が完了するのはカード処理ユニットが送信を開始してから最大で10.05ミリ秒後です。
-
本文には、カード処理ユニットからのデータは「データ伝送完了後のタイマ割込み処理で表示器に出力される」とあります。タイマ割込みは20ミリ秒ごとなので、データ受信が完了してから次のタイマ割込みまで、最大で20ミリ秒待つことがあります。
-
表2によると、タイマ割込み処理には5.0ミリ秒かかります。データを表示するには、その処理が完了するまで待つ必要があるため、受信完了後の待ち時間と合わせると、です。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めると、35.1ミリ秒になります。
誤りやすいポイント
- 受信割込み処理の時間をミリ秒として、送信時間にそのまま加えるのは誤りです。各バイトの受信割込み処理は、次のバイトが送信されている間に進みます。
- 最後のバイトの受信後にも、受信割込み処理に0.05ミリ秒かかります。この時間を忘れると、最大時間を正しく求められません。
- タイマ割込みの待ち時間は最大20ミリ秒です。データ受信完了後、次の割込みまでの待ち時間が常に一定になるわけではありません。
- 問われているのはカード処理の完了後から表示までの時間です。カード処理そのものの処理時間は、カード処理完了後の時間として数えません。
FAQ
Q: 受信割込み処理の時間を100バイト分加算しないのはなぜですか。
A: 1バイトの送信には0.1ミリ秒かかり、受信割込み処理は0.05ミリ秒です。各割込み処理は次のバイトの送信中に実行できるので、送信時間とは重なります。最後のバイトを受信した後の処理時間だけを追加します。
A: 1バイトの送信には0.1ミリ秒かかり、受信割込み処理は0.05ミリ秒です。各割込み処理は次のバイトの送信中に実行できるので、送信時間とは重なります。最後のバイトを受信した後の処理時間だけを追加します。
Q: タイマ割込み処理の5.0ミリ秒は、なぜ加算しますか。
A: 表示器への出力はタイマ割込み処理で行われます。次のタイマ割込みが発生しても、その処理が完了するまでは表示が終わらないためです。
A: 表示器への出力はタイマ割込み処理で行われます。次のタイマ割込みが発生しても、その処理が完了するまでは表示が終わらないためです。
Q: 20ミリ秒の待ち時間は、いつでも発生するのですか。
A: いいえ。データ受信の完了タイミングによって待ち時間は変わります。受信完了直後にタイマ割込みが起きる場合もあれば、次の割込みまでほぼ1周期待つ場合もあるため、最大値として20ミリ秒を見積もります。
A: いいえ。データ受信の完了タイミングによって待ち時間は変わります。受信完了直後にタイマ割込みが起きる場合もあれば、次の割込みまでほぼ1周期待つ場合もあるため、最大値として20ミリ秒を見積もります。
関連キーワード: シリアル通信、割込み処理、周期タイマ、割込み優先度、処理時間
設問2(3)
問題文を見る券の処理の直後にカードが処理されたときに、表示がカードのデータに切り替わるのが早く、券を投入した乗客がデータの表示を見る前に表示が切り替わってしまうことがあった。券を投入した乗客が券を取り出すまで、券の処理データの表示を保持するための処理を、40字以内で述べよ。
模範解答
券センサ9がOFFになってから、カードのデータの表示を行う。
解説
解答の導き方
-
問題で防ぎたいのは、カードの処理によって表示器の内容が切り替わり、乗客が券の処理データを見る前に消えてしまうことです。したがって、カードの処理を止めるのではなく、カードのデータを表示するタイミングを調整します。
-
本文では、カード処理ユニットから受信したデータは「データ伝送完了後のタイマ割込み処理で表示器に出力される」とあります。つまり、データの受信と表示器への出力は別のタイミングで行われるため、カードのデータを受信しても、表示器への出力を待たせることができます。
-
表1には、券センサ9が「券が券取出し部まで送られてきたこと、及び券が取り出されたこと」を検出し、それぞれが割込み信号になるとあります。券が券取出し部に残っている間は、券の処理データを表示し続け、乗客が券を取り出したことを券センサ9のOFFで確認してから、カードのデータを表示すればよいです。
誤りやすいポイント
- カードの処理自体を券の取出しまで待たせる、と考えることです。問われているのはカードの処理時期ではなく、カードのデータを表示する時期です。
- 券の処理が完了した時点でカードのデータを表示すると、券がまだ券取出し部に残っている間に表示が切り替わる可能性があります。
- 券センサ9がONになった時点を、券が取り出された時点と取り違えないようにします。券センサ9は、券が券取出し部に到着したことと、取り出されたことの両方を検出します。
FAQ
Q: カードのデータを受信したら、すぐに表示しなければなりませんか?
A: いいえ。受信したデータを保持し、券が取り出された後に表示できます。
A: いいえ。受信したデータを保持し、券が取り出された後に表示できます。
Q: 券センサ9のOFFは、何を示しますか?
A: 券センサ9が券を検出していない状態です。券が取り出されたことを確認する条件として利用できます。
A: 券センサ9が券を検出していない状態です。券が取り出されたことを確認する条件として利用できます。
Q: なぜ一定時間待つのではなく、券センサ9を使うのですか?
A: 乗客が券を取り出すまでの時間は一定ではないため、実際に取り出されたことをセンサで確認する方が確実です。
A: 乗客が券を取り出すまでの時間は一定ではないため、実際に取り出されたことをセンサで確認する方が確実です。
関連キーワード: 表示制御、割込み処理、状態遷移、イベント駆動処理、データ保持
設問3:券処理ユニットで発生する可能性がある問題について、(1)~(3)に答えよ。
設問3(1)
問題文を見る券センサ1がOFFの状態のままで故障すると、券処理ユニットが券を搬送できなくなる。その理由を、20字以内で述べよ。
模範解答
券の投入を検出できないから
解説
解答の導き方
表1では、券センサは「券を検出している間、ONになる」と説明されています。したがって、券センサ1がOFFのまま故障すると、券が投入口に入っても券センサ1は券を検出した状態になりません。
また、券センサのON/OFF信号の両エッジが管理用マイコンの割込み信号になります。券処理ユニットの動作については、「券センサ1が券の投入を検出すると、モータが作動して券を搬送し、処理を開始する」とあります。つまり、券センサ1による投入の検出が、モータを作動させて搬送を始めるきっかけです。
券センサ1がOFFのままだと投入を検出できず、搬送開始のきっかけが得られません。そのため、券処理ユニットは券を搬送できません。
誤りやすいポイント
- 券センサ1が券の搬送を直接行うのではなく、券の投入を検出して搬送開始のきっかけを与える点を押さえます。
- 「OFFの状態のまま」とは、券が投入されても検出状態を示すONにならないことです。券の投入時に必要な検出ができないため、モータの作動につながりません。
- 券センサの故障によって表示や料金計算に問題が起きると考えるのではなく、設問で問われている搬送開始への影響に絞ります。
FAQ
Q: 券センサ1がOFFのままだと、なぜモータが作動しないのですか?
A: 券処理ユニットは、券センサ1が券の投入を検出したことをきっかけにモータを作動させます。投入を検出できなければ、搬送開始の制御に進めません。
A: 券処理ユニットは、券センサ1が券の投入を検出したことをきっかけにモータを作動させます。投入を検出できなければ、搬送開始の制御に進めません。
Q: 券センサのON/OFF信号が割込みになることは、理由に関係しますか?
A: 関係します。券センサ1がOFFのままでは、券が投入されたことを示すONへの変化が発生せず、投入を検出する割込みのきっかけも得られません。
A: 関係します。券センサ1がOFFのままでは、券が投入されたことを示すONへの変化が発生せず、投入を検出する割込みのきっかけも得られません。
関連キーワード: センサ、割込み処理、エッジ検出、モータ制御
設問3(2)
問題文を見る券の処理が完了し、券が券取出し部まで送られているにもかかわらず、券の処理に続けてカードを処理しようとしたときに、カードが受付禁止の状態のままになっていた。この原因は券センサの故障と考えられた。どの券センサがどのような状態になっていると考えられるか。35字以内で述べよ。
模範解答
券センサ9が、券が送られてきてもONにならない状態であった。
解説
解答の導き方
-
まず、券の搬送自体は完了していることに注目します。券が券取出し部まで届いているため、カードの受付禁止が続く原因は、券を搬送するモータや途中の搬送路ではなく、処理完了を管理する信号にあると考えられます。
-
本文には、券処理中はカード処理を禁止し、「表示器への出力が完了すると」券が券取出し部に送られ、カード処理も可能になるとあります。したがって、カード処理を可能にするには、券処理が終わったことを管理用マイコンが認識できなければなりません。
-
表1では、券センサ9が「券が券取出し部まで送られてきたこと」を検出し、その検出が割込み信号になると説明されています。券は実際には券取出し部まで届いているのにカードの受付禁止が解除されないなら、到着を管理用マイコンに知らせる信号が出ていない状態が考えられます。
-
そのため、券センサ9が券の到着時にONにならず、到着を知らせる割込みが発生しないことが原因と判断できます。
誤りやすいポイント
- 券が券取出し部まで届いているので、搬送路上のセンサやモータの故障と決めつけないようにします。問題はカード処理の禁止が解除されないことです。
- 券センサ9は、券の到着だけでなく、券が取り出されたことも検出します。今回の症状では、券が届いているのに到着を検出できない状態に着目します。
- 券センサ9がONのまま故障した場合ではなく、券が届いてもONにならない状態です。
FAQ
Q: 券センサ8ではなく、券センサ9が原因と考えるのはなぜですか。
A: 券センサ8は券取出し部に入る前にあり、券が取出し部まで届いたことを直接検出するのは券センサ9だからです。
A: 券センサ8は券取出し部に入る前にあり、券が取出し部まで届いたことを直接検出するのは券センサ9だからです。
Q: 券は物理的に届いているのに、なぜカードの受付禁止が続くのですか。
A: 管理用マイコンがセンサの信号を使って処理状態を管理しているためです。券が届いていても、到着を知らせる信号がなければ、カード処理を許可する状態に移れません。
A: 管理用マイコンがセンサの信号を使って処理状態を管理しているためです。券が届いていても、到着を知らせる信号がなければ、カード処理を許可する状態に移れません。
Q: 券センサ9は、券が取り出されたことも検出しますか。
A: はい。表1には、券センサ9が券の到着と取出しの両方を検出し、それぞれが割込み信号になるとあります。
A: はい。表1には、券センサ9が券の到着と取出しの両方を検出し、それぞれが割込み信号になるとあります。
関連キーワード: センサ、割込み、状態遷移、インタロック
設問3(3)
問題文を見る券の搬送中に券センサ6がONになったが、券センサ7がONにならなかった。このとき、券センサ7が故障したのか、券センサ7の前で券が詰まったのかを判別する方法を、50字以内で述べよ。
模範解答
券センサ8がONになれば、券センサ7の故障。ONにならなければ、券の詰まりと判断する。
解説
解答の導き方
この設問では、券センサ7がONにならなかった原因を、「券センサ7の故障」と「券センサ7の前で券が詰まった」のどちらかに判別する方法を考えます。
図1では、券の搬送路上で、券センサ6の後に券ストッカがあり、その先に券センサ7、さらにその先に券センサ8があります。券センサ7がONにならないだけでは、券が券センサ7まで進めなかったのか、券センサ7が検出できなかったのかを区別できません。
そこで、券センサ7より後方にある券センサ8のON/OFFを確認します。券センサ8がONになれば、券は券センサ7の位置を通過して先まで進んだことになります。そのため、券センサ7の前で詰まったのではなく、券センサ7が券を検出できなかったと判断できます。
一方、券センサ8もONにならなければ、設問で示された二つの候補の範囲では、券センサ7に到達する前に券が詰まったと判断します。
誤りやすいポイント
- 券センサ7がONにならなかったことだけで、券センサ7の故障と決めつけないでください。券がそこまで進んでいない場合も同じ状態になります。
- 券センサ8は券センサ7より後方にあるため、券センサ8がONになったかどうかで、券が券センサ7の位置を通過したかを確かめられます。
- 券センサ8がONにならない場合の判断は、設問で示された「券センサ7の故障」か「券センサ7の前で券が詰まった」かという候補の中で行います。
FAQ
Q: 券センサ7がONにならないのに、券センサ8がONになることはありますか?
A: あります。券が券センサ7の位置を通過して券センサ8まで進んでいれば、券センサ7の故障によって券センサ7だけがONにならない状態が考えられます。
A: あります。券が券センサ7の位置を通過して券センサ8まで進んでいれば、券センサ7の故障によって券センサ7だけがONにならない状態が考えられます。
Q: 券センサ8がONにならないとき、なぜ券の詰まりと判断するのですか?
A: 設問で示された二つの原因のうち、券が後方の券センサ8まで進んでいない場合に当たるためです。
A: 設問で示された二つの原因のうち、券が後方の券センサ8まで進んでいない場合に当たるためです。
Q: 券センサ7だけを確認しても判別できないのはなぜですか?
A: 券センサ7がOFFのままになる原因が、券の未到達とセンサ故障の両方にあり得るからです。後方のセンサの状態を組み合わせて判断します。
A: 券センサ7がOFFのままになる原因が、券の未到達とセンサ故障の両方にあり得るからです。後方のセンサの状態を組み合わせて判断します。
関連キーワード: センサ、状態遷移、異常検出、故障診断、搬送制御



