エンベデッドシステムスペシャリスト 2017年 午前2 問15
問題文
マイコンに供給するクロックとシリアル通信ポートに使用するクロックを共用するマイコンシステムがある。クロックを分の1に分周するだけで57.6kビット/秒の通信速度を得るためには、マイコンに供給するクロックを何MHzにするのが最も適切か。ここで、シリアル通信ポートのクロックの精度は5%以内に収まればよいものとする。

選択肢
ア:52
イ:60(正解)
ウ:66
エ:72
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クロック分周による通信速度設定【午前2解説】
正解の理由
分周器は、マイコンに供給するクロックを 分の1にします。したがって、通信速度は「マイコンのクロック ÷ 2の累乗」で求めます。
イの60 MHzを で分周すると、通信速度は次のとおりです。
目標の57.6 kビット/秒との差は約1.7%で、許容範囲の5%以内です。そのため、イが適切です。
解法ステップ
-
目標の通信速度に対する許容範囲を求めます。よって、許容される通信速度は54.72〜60.48 kビット/秒です。
-
各クロックを2の累乗で分周し、この範囲に入るかを確認します。60 MHzの場合、分周比を1,024とすると約58.59 kビット/秒となり、範囲内に収まります。
-
分周比は に限られるため、任意の数で割って目標値に近づけるのではなく、2の累乗で分周した結果を比較します。
選択肢別の誤答解説
- ア:52 MHzを1,024で分周すると約50.78 kビット/秒となり、目標との差は約11.8%です。許容範囲を外れます。
- イ:60 MHzを1,024で分周すると約58.59 kビット/秒となり、目標との差は約1.7%です。許容範囲内です。
- ウ:66 MHzを1,024で分周すると約64.45 kビット/秒となり、目標との差は約11.9%です。許容範囲を外れます。
- エ:72 MHzを1,024で分周すると約70.31 kビット/秒となり、目標との差は約22.1%です。許容範囲を外れます。
よくある誤解
- 分周比を自由に選べると思い込むことがあります。この問題では、分周比は に限られます。
- 目標速度との差を絶対値だけで比較し、5%以内かどうかを確認しないミスがあります。誤差は目標速度を基準にした割合で判断します。
- クロック周波数が高いほど正解に近いと考えるのも誤りです。分周後の速度が許容範囲に入るかが重要です。
補足コラム
57.6 kビット/秒を得るために必要な分周比を、60 MHzの場合で計算すると、
となります。分周比は2の累乗に限られるため、近い値である1,024を選びます。実際の通信速度は目標値と完全一致しませんが、誤差が許容範囲内なら問題ありません。
FAQ
なぜ分周比に1,041ではなく1,024を使うのですか?
分周器が 分の1にする仕組みだからです。1,024は であり、条件を満たす分周比です。
分周器が 分の1にする仕組みだからです。1,024は であり、条件を満たす分周比です。
誤差5%以内かどうかは、何を基準に判断しますか?
目標の57.6 kビット/秒を基準に、実際の通信速度との差の割合を求めます。
目標の57.6 kビット/秒を基準に、実際の通信速度との差の割合を求めます。
関連キーワード: クロック周波数、分周器、分周比、ボーレート、許容誤差

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