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エンベデッドシステムスペシャリスト 2021年 午後1 問01


ペット医療の点滴で用いるシリンジポンプに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。

 A社は、動物病院で取り扱う動物への点滴で使用される、ペット医療用のシリンジポンプ(以下、Sポンプという)を開発している。Sポンプの外観を図1に示す。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 図1)
 シリンジは、液体状の点滴用薬剤(以下、薬剤という)が入っている円筒形の筒と可動式の押し子で構成されており、注射器の構造をしている。シリンジは、着脱可能である。Sポンプは、Sポンプに装着されたシリンジの押し子を、ステッピングモータ(以下、モータという)によって稼働するレバーで押すことで、シリンジ内の薬剤を押し出す。操作部でSポンプを操作することができ、表示部で状態の表示などができる。また、Sポンプは無線通信で管理装置とデータの送受信を行う。   〔Sポンプの機構概要〕  Sポンプの機構概要を図2に、Sポンプの機構構成要素の機能概要を表1に示す。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 図2)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 表1)
〔Sポンプのハードウェア構成〕  Sポンプのハードウェアの主な構成要素の機能概要を表2に示す。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 表2)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 図3)
〔設定項目の設定動作の概要〕  Sポンプには、ペットID、シリンジID、点滴流量、及び点滴量の四つの設定項目があり、操作部を操作して設定する。ペットIDは、点滴するペットに付けられたIDである。シリンジIDは、点滴に使用するシリンジに付けられ、シリンジの内径と長さ、薬剤名を示すIDである。点滴流量は、一定量で点滴する1時間当たりの量である。点滴量は、点滴する総量である。  設定項目の設定動作について次に示す。  (1) Sポンプの電源が投入されると、状態表示領域に“設定可”を表示する。  (2) “設定可”の表示中に、設定開始キーが押されると、状態表示領域に“設定中”を表示し、四つの設定項目を設定項目一覧として情報表示領域に表示する。  (3) “設定中”の表示中に、設定する項目をテンキーの矢印キーで選択し決定キーが押されると、選択された項目の内容が既に設定されていればその内容を、設定されていなければ設定項目名だけを情報表示領域に表示する。表示された設定項目の内容を、テンキーを使用して入力する。決定キーが押されると入力した内容で設定内容を決定し、設定項目一覧を表示する。  (4) “設定中”の表示中に、設定終了キーが押されると、状態表示領域に“設定完了”を表示し、情報表示領域に点滴流量などを表示する。ただし、設定内容が不足していれば、状態表示領域に“設定可”を表示し、情報表示領域に不足している項目を表示する。“設定完了”の表示中に設定開始キーが再度押されると、上記(2)の状態表示領域の“設定中”の表示から繰り返す。   〔点滴動作の概要〕 (1) 状態表示領域が“設定完了”で、かつ、電池残容量表示領域が“OK”であるとき、準備キーが押されると、次の動作を行う。  ① シリンジ表示領域が“OK”であれば、状態表示領域に“準備中”を表示し、チューブ内の空気を抜くためにモータを駆動する。このときのパルスレートは3,200PPS、パルス数はチューブ内の空気を抜くために十分な数の固定数(以下、準備パルス数という)とする。  ② “準備中”の表示中に、停止キーが押されると、状態表示領域に“準備完了”を表示して、モータの駆動を停止する。準備キーが再度押されると、上記①から繰り返す。 (2) “準備完了”の表示中に点滴キーが押されると、次の動作を行う。  ① 状態表示領域に“点滴中”を表示し、設定されたシリンジID、点滴流量及び点滴量を基に、パルスレート及びパルス数を算出してモータを駆動する。  ② “点滴中”の表示中に、点滴量の点滴を完了したか、圧力センサの出力値が基準値を超えたか、又は停止キーが押されたかのいずれかの事象が発生するとモータの駆動を停止する。さらに、状態表示領域に“設定可”を表示し、情報表示領域に停止した事象を表示する。   〔管理装置との通信概要〕  “設定可”の表示中に、管理装置から設定項目を一括設定する指示を受信すると、受信した内容で四つの設定項目を設定し、状態表示領域に“設定完了”を表示する。また、“点滴中”の表示中にモータの駆動を停止したとき、停止した事象を管理装置に送信する。   〔Sポンプのソフトウェア構成〕  Sポンプでは、リアルタイムOSを使用する。Sポンプの主なタスク構成を図4に、Sポンプの主なタスクの処理概要を表3に示す。
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(令和3年 午後1 問1 図4)

設問1:Sポンプの仕様について、(1)~(3)に答えよ。

設問1(1)

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電池残容量表示領域が“OK”で、かつ、状態表示領域が“設定完了”のとき、“設定完了”から“準備完了”が表示されるまでの間に、状態表示領域に表示される可能性のある状態が、“設定完了”及び“準備完了”を除いて三つある。その状態を、本文中の字句で全て答えよ。

模範解答

①:設定可 ②:設定中 ③:準備中

解説

解答の導き方

「設定完了」から「準備完了」までの間に、設定操作をやり直す場合と、準備を進める場合の状態遷移を確認します。
まず、本文には「“設定完了”の表示中に設定開始キーが再度押されると」、設定中の表示から設定動作を繰り返すとあります。このため、「設定完了」から設定開始キーを押すと、状態表示領域は「設定中」になります。
次に、「設定中」に設定終了キーを押したとき、設定内容が不足していれば状態表示領域に「設定可」が表示されます。したがって、設定操作をやり直す途中で「設定可」になる場合があります。設定内容がそろえば、再び「設定完了」に戻って準備へ進めます。
設定内容がそろった状態で、電池残容量表示領域が「OK」であり、シリンジ表示領域も「OK」であれば、準備キーを押すことで状態表示領域が「準備中」になります。その後、準備中に停止キーを押すと「準備完了」になります。
以上から、「設定完了」と「準備完了」を除いて、途中で表示される可能性がある状態は、設定をやり直すときの「設定中」と、設定内容が不足したときの「設定可」、準備動作中の「準備中」です。

誤りやすいポイント

  • 「設定完了」から準備キーを押すと、必ず直ちに「準備中」になるとは限りません。設定をやり直す操作を挟めば、「設定中」や「設定可」になる場合があります。
  • 「設定可」は初期状態だけで表示されるのではありません。設定中に設定終了キーを押し、設定内容が不足している場合にも表示されます。
  • 「点滴中」は、準備完了の表示中に点滴キーを押した後の状態です。今回の範囲は「準備完了」までなので、該当しません。

FAQ

Q: 「設定中」になるには、どの操作が必要ですか?
A: 「設定完了」の表示中に設定開始キーを押すと、設定動作が再開されて「設定中」になります。
Q: 「準備中」から「準備完了」へ移る条件は何ですか?
A: 「準備中」の表示中に停止キーが押されると、モータの駆動が停止し、「準備完了」が表示されます。
Q: シリンジ表示領域が「OK」でない場合も、準備動作に進みますか?
A: 準備キーを押したときにシリンジ表示領域が「OK」であることが、準備動作を開始する条件です。

関連キーワード: 状態遷移、状態表示、入力条件、センサ判定、イベント処理

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設問1(2)

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準備キーによってモータを駆動したとき、レバーが1秒間に移動する距離は何ミリメートルか。答えは小数第2位を四捨五入して、小数第1位まで求めよ。

模範解答

0.5

解説

解答の導き方

準備動作では、モータを「パルスレートは3,200PPS」で駆動します。PPSは毎秒のパルス数なので、1秒間にモータへ送られるパルスは3,200パルスです。
表1には「1パルスで、モータは1.8度回転する。」とあります。モータが1回転する角度は360度なので、1回転に必要なパルス数は次のとおりです。
したがって、1秒間にモータが回転する回数は、
です。
さらに、表1には「モータが16回転するとシャフトは1回転する。」とあります。よって、1秒間にシャフトは1回転します。シャフトが1回転したとき、レバーは「0.5ミリメートル移動する。」ため、1秒間のレバーの移動距離は0.5ミリメートルです。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めても、値は変わりません。

誤りやすいポイント

  • 「3,200PPS」はモータの回転数ではなく、1秒間に送るパルス数です。まず、1回転に必要なパルス数を求めます。
  • モータの回転数をそのままシャフトの回転数として扱わないようにします。モータが16回転してシャフトが1回転する関係を反映します。
  • 準備パルス数はモータを動かす総量に関係しますが、1秒間の移動距離を求める今回の計算には使いません。移動速度はパルスレートから求めます。

FAQ

Q: なぜモータ1回転を200パルスと考えるのですか?
A: 1パルスで1.8度回転し、1回転は360度なので、360を1.8で割ります。
Q: 準備パルス数が分からなくても求められますか?
A: はい。今回は1秒間の移動距離を求めるため、毎秒のパルス数であるパルスレートを使います。準備パルス数は、モータを駆動する時間や総移動距離に関係します。
Q: シャフトの回転数を求めるとき、なぜ16で割るのですか?
A: モータが16回転するとシャフトが1回転するためです。モータの回転数を、シャフト1回転に必要なモータの回転数で割ります。

関連キーワード: ステッピングモータ、パルスレート、回転数、減速機構、移動速度

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設問1(3)

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シリンジIDで設定されたシリンジにおいて、押し子が1ミリメートル押され、0.1mlの薬剤が送り出される場合で、点滴流量7.2ml/時で点滴したいとき、シャフトを1時間に何回転させればよいか。また、パルスレートは何PPSか。答えは小数第1位を四捨五入して、それぞれ整数で求めよ。

模範解答

シャフト:144 パルスレート:128

解説

解答の導き方

求めるのは、点滴流量を満たすためのシャフトの回転数と、モータのパルスレートです。まず、薬剤の量とシャフトの回転数の関係を求めます。
問題文では、押し子が「1ミリメートル」押されると「0.1ml」の薬剤が送り出されるとあります。また、表1には「シャフトが1回転すると、0.5ミリメートル移動する。」とあります。レバーが押し子を押すので、シャフトが1回転するごとに送り出される薬剤は、
です。
点滴流量は「7.2ml/時」なので、1時間に必要なシャフトの回転数は、点滴流量を1回転当たりの薬剤量で割って求めます。
次に、モータのパルスレートを求めます。表1には、シャフトが1回転するにはモータが16回転するとあります。また、モータは1パルスで1.8度回転します。モータが1回転するのに必要なパルス数は、
です。したがって、シャフト1回転当たりのパルス数は、
となります。シャフトは1時間に144回転するため、1時間当たりのパルス数は、
です。1時間は3,600秒なので、毎秒のパルス数に直すと、
となります。どちらの値も整数で求まり、小数第1位を四捨五入しても変わりません。

誤りやすいポイント

  • シャフト1回転で移動する距離は、モータの回転から直接求めるのではなく、表1の「0.5ミリメートル」を使います。
  • モータは1回転で200パルスです。1パルス当たりの回転角である1.8度を、そのままパルス数と取り違えないようにします。
  • 1時間当たりのパルス数を求めた後、PPSにするには3,600秒で割ります。時間当たりのパルス数をそのままパルスレートにしてはいけません。
  • 準備動作の「3,200PPS」は、チューブ内の空気を抜くためのパルスレートです。今回求める点滴時のパルスレートとは別です。

FAQ

Q: シャフト1回転当たりの薬剤量は、なぜ0.05mlなのですか?
A: 押し子が1ミリメートル押されると0.1mlが送り出され、シャフト1回転でレバーが0.5ミリメートル移動するため、mlです。
Q: PPSは何を表していますか?
A: 1秒間に出すパルスの数です。したがって、1時間当たりのパルス数を3,600で割るとPPSに換算できます。
Q: シャフトの回転数をモータのパルス数に直す順序はどうなりますか?
A: まずシャフトの回転数に、シャフト1回転当たりのモータ回転数を掛けます。さらに、モータ1回転当たりのパルス数を掛けて、時間当たりのパルス数を求めます。

関連キーワード: ステッピングモータ、パルスレート、回転数、流量、単位換算

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設問2:Sポンプのソフトウェアについて、(1)~(3)に答えよ。

設問2(1)

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表3中のaに入れる適切な字句を答えよ。また、表3中のbに入れる適切な内容を20字以内で答えよ。

模範解答

a:キー判定 b:設定終了キーが押されたこと

解説

解答の導き方

この空欄は、設定タスクが設定終了を判断するために、どのタスクからどの通知を受けるかを問うています。
  1. 表3では、設定タスクは「設定開始の通知を受ける」と、操作部と表示部を使って設定内容を書き込みます。つまり、設定中のキー操作に関する通知を受けながら設定を進めます。
  2. キー判定タスクは、押されたキーを判定して通知します。表3には、状態情報が“設定中”のときは設定タスクに通知するとあります。したがって、設定終了キーが押されたことを設定タスクに知らせるのは、キー判定タスクです。aには「キー判定」が入ります。
  3. 設定タスクが設定終了の操作を見分けるには、受け取る通知の内容が設定終了キーの押下を示している必要があります。そのため、bには「設定終了キーが押されたこと」が入ります。
  4. この通知を受けた設定タスクは、設定開始を通知したタスクに設定終了を通知します。ここでは、キーを判定して通知するタスクと、設定終了の通知先となるタスクを区別することがポイントです。

誤りやすいポイント

  • aを、設定タスクに設定開始を通知するタスクと混同しないようにします。空欄が指すのは、設定終了キーの押下を設定タスクに知らせるタスクです。
  • bは、設定タスクから通知される「設定終了」そのものではありません。キー判定タスクから設定タスクに届く、キー操作の内容です。
  • キー判定タスクの通知先は常に同じではありません。状態情報が“設定中”のときは設定タスクに通知します。

FAQ

Q: なぜ設定タスクが直接キーを判定するのではないのですか?
A: 表3では、キー判定タスクが操作部のキーを判定し、状態情報に応じたタスクへ通知する構成になっています。設定タスクは、その通知を受けて設定処理を進めます。
Q: 設定タスクが通知を受けた後、設定終了キーを押したタスクへ通知するのですか?
A: 表3の記述では、設定終了を通知する相手は「設定開始を通知したタスク」です。キー判定タスクは、設定終了キーが押されたことを設定タスクに伝える役割です。
Q: 「設定終了キーが押されたこと」は、何を表す通知ですか?
A: キー判定タスクが押されたキーを判定した結果、設定タスクへ知らせる通知の内容です。

関連キーワード: タスク間通信、メールボックス、状態情報、イベント通知、状態遷移

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設問2(2)

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表3中のcに入れる適切な設定項目を全て答えよ。

模範解答

c:シリンジID、点滴流量、点滴量

解説

解答の導き方

表3では、点滴制御タスクが「設定情報に書き込まれたcを基に算出したパルスレート、パルス数」でモータを駆動するとあります。したがって、cには、モータの速さと駆動量を求めるために必要な設定項目が入ります。
まず、シリンジの形状によって、薬剤の体積を押し子の移動距離に換算できます。本文では、シリンジIDが「シリンジの内径と長さ、薬剤名を示すID」と説明されています。内径が分かれば、一定の体積を押し出すために押し子をどれだけ動かすかが分かるため、必要なモータのパルスレートやパルス数を求める際に必要です。
次に、点滴流量は「一定量で点滴する1時間当たりの量」です。これは薬剤をどの速さで送り出すかを表すため、モータの速さに対応するパルスレートを決めるのに必要です。
また、点滴量は「点滴する総量」です。薬剤をどれだけ送り出すかを表すため、モータを何パルス分駆動するかを決めるのに必要です。
一方、ペットIDは点滴するペットを識別する情報であり、薬剤を押し出す速さや総量の計算には使いません。以上から、cに入るのはシリンジID、点滴流量、点滴量です。

誤りやすいポイント

  • 設定項目が四つあるからといって、すべてがモータ駆動の計算に使われるわけではありません。ペットIDは対象の識別に使う情報です。
  • 点滴流量と点滴量は役割が異なります。点滴流量は送り出す速さ、点滴量は送り出す総量に関係します。
  • シリンジIDは名称や薬剤名を示すだけではありません。シリンジの内径と長さの情報が、体積と押し子の移動量の換算に関係します。

FAQ

Q: シリンジIDがないと、点滴流量と点滴量だけでパルスを計算できませんか。
A: できません。薬剤の体積を押し子の移動距離に換算するには、シリンジの形状が必要です。
Q: 点滴量はパルスレートの計算にも必要ですか。
A: 主にモータを動かす総パルス数に関係します。点滴流量は、単位時間当たりの送り出し量を決めるため、パルスレートに関係します。
Q: ペットIDはなぜ計算対象に含まれませんか。
A: ペットIDは点滴するペットを識別するための情報であり、シリンジの形状や薬剤の送り出し方を決める情報ではないからです。

関連キーワード: ステッピングモータ、パルスレート、パルス数、流量制御、設定情報

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設問2(3)

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周期タスクから点滴制御タスクにメッセージを通知するときの状態情報を答えよ。また、そのとき発生した事象を25字以内で述べよ。

模範解答

状態情報:点滴中 発生した事象:圧力センサの出力値が基準値を超えた事象

解説

解答の導き方

  1. 周期タスクは、電源やセンサの情報を状態情報に基づいて必要なタスクへ通知します。したがって、周期タスクから点滴制御タスクに通知する場面では、まずどの状態で点滴制御タスクがその情報を必要とするかを考えます。
  2. 表3の点滴制御タスクの説明には、モータの駆動中に「圧力センサの出力値が基準値を超えた事象」が発生すると、モータを停止し、点滴開始の通知をしたタスクへ停止事象を通知するとあります。圧力センサの情報が点滴制御タスクの停止処理につながるのは、点滴を行っているときです。
  3. 点滴動作の説明では、点滴キーが押されると状態表示領域に「点滴中」を表示してモータを駆動します。一方、「準備中」はチューブ内の空気を抜くための動作です。したがって、周期タスクから点滴制御タスクへ通知するときの状態情報は「点滴中」です。
  4. 発生した事象は、表3に示された圧力センサの出力値が基準値を超えた事象です。パルス数分の駆動が終了した場合もモータは停止しますが、これはモータ駆動部による駆動完了であり、周期タスクから通知されるセンサ事象とは区別します。

誤りやすいポイント

  • モータの駆動が終わる条件には、指定されたパルス数分の駆動完了と、圧力センサの出力値が基準値を超える場合があります。周期タスクから点滴制御タスクへの通知として問われているのは、後者です。
  • 「準備中」もモータを駆動しますが、準備動作と点滴動作は別です。圧力センサの事象による点滴制御を考えるときは、点滴中の状態に着目します。
  • 状態情報は「どの状態で処理するか」を示し、発生した事象は「どの条件を検出したか」を示します。両者を混同しないようにしましょう。

FAQ

Q: なぜ状態情報は「準備中」ではないのですか?
A: 準備動作は、チューブ内の空気を抜くための動作として説明されています。設問で問われている圧力センサの事象による点滴制御は、点滴を行う「点滴中」の処理として判断します。
Q: 指定されたパルス数分の駆動が終わった場合も、周期タスクから通知されますか?
A: 表3では、指定されたパルス数分の駆動完了と、圧力センサの出力値が基準値を超えた事象が別に示されています。今回問われているのは、周期タスクがセンサ情報を通知する場合です。
Q: 圧力センサの事象を受け取った点滴制御タスクは、何をしますか?
A: モータの駆動を停止し、点滴開始の通知をしたタスクに、点滴を停止した事象を通知します。

関連キーワード: リアルタイムOS、タスク間通信、状態管理、周期処理、センサ入力

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設問3:作業ミスの防止機能の追加について、(1)、(2)に答えよ。

 USB I/Fをもつバーコードリーダ(以下、リーダという)をSポンプに接続できるようにする。リーダは、バーコードを読み取るごとにSポンプに送信する。Sポンプは受信したバーコードの情報と設定情報を比較することで、作業ミスを防止する。リーダで読む情報は、ペットID及びシリンジIDの2種類とする。  リーダの接続状況を把握できるアイコン(以下、アイコンという)を表示部に追加する。リーダが未接続のときはアイコンを消灯し、リーダが接続されるとアイコンを点灯する。アイコンの点灯中に、状態表示領域に“設定完了”を表示するタイミングでアイコンの点滅を開始する。アイコンの点滅中に、リーダからペットID及びシリンジIDの情報を受信するとアイコンを点灯に戻し、作業ミスの有無を判定する。判定の結果が作業ミス“有り”のときだけ、状態表示領域に“設定可”を、情報表示領域に作業ミスの内容を表示する。  ソフトウェアの変更は、リーダタスクを新たに追加し、メインタスクだけを変更する。リーダタスクは、リーダの接続状況の変化を検出した場合、又は状態情報が“設定完了”のときにバーコードの情報を受信した場合にメインタスクに通知する。

設問3(1)

問題文を見る
メインタスクで変更する処理の一部に関して、次の記述中のd~gに入れる適切な字句を答えよ。
 メインタスクは、アイコンが点滅している場合、キー判定タスクからの通知を無効とする。これは、アイコンが点滅している場合にdキーが押されて状態表示領域にeを、又はシリンジ表示領域に“OK”が表示されている場合にfキーが押されて状態表示領域にgを表示する不都合を防止するためである。

模範解答

d:設定開始 e:設定中 f:準備 g:準備中

解説

解答の導き方

アイコンが点滅するのは、状態表示領域に“設定完了”を表示している間です。この間にバーコードを受信すると、設定情報と照合して作業ミスを判定します。リーダタスクがバーコード情報をメインタスクに通知する条件も、状態情報が“設定完了”であることです。そのため、この状態を別の状態に変えてしまうキー操作を防ぐ必要があります。
まず、設定動作について、本文には“設定完了”の表示中に設定開始キーが押されると、状態表示領域に“設定中”を表示するとあります。したがって、[d]は「設定開始」、[e]は「設定中」です。
次に、準備動作について確認します。状態表示領域が“設定完了”で、電池残容量表示領域が“OK”のときに準備キーが押され、さらにシリンジ表示領域が“OK”であれば、状態表示領域に“準備中”を表示してモータを駆動します。よって、[f]は「準備」、[g]は「準備中」です。
アイコンの点滅中にキー判定タスクからの通知を無効にするのは、これらの操作で状態が“設定中”や“準備中”に変わり、バーコード受信・判定に必要な“設定完了”の状態が保てなくなる不都合を防ぐためです。

誤りやすいポイント

  • [d]に「設定終了」を入れないようにします。設定完了の表示中に設定開始キーを押すと、状態は“設定中”に戻ります。
  • [f]は「点滴」ではなく「準備」です。点滴キーによる点滴開始は、“準備完了”の表示中に行います。
  • 準備キーを押しただけで必ず“準備中”になるわけではありません。本文では、状態表示領域が“設定完了”であることや、電池残容量表示領域が“OK”であることも条件です。

FAQ

Q: アイコンが点滅している間に状態を変えない必要があるのはなぜですか?
A: リーダタスクがバーコード情報をメインタスクに通知するのは、状態情報が“設定完了”のときだからです。キー操作で状態が変わると、バーコードの照合に必要な通知が行われない可能性があります。
Q: シリンジ表示領域が“OK”なら、準備キーだけで準備を開始できますか?
A: いいえ。本文では、状態表示領域が“設定完了”で、電池残容量表示領域が“OK”であることも準備動作の条件です。
Q: 点滴キーを押した場合も、状態表示領域に“準備中”が表示されますか?
A: いいえ。準備キーによる動作で“準備中”になります。点滴キーによる動作は、“準備完了”の表示中に行われ、状態表示領域には“点滴中”が表示されます。

関連キーワード: 状態遷移、タスク間通信、入力イベント、排他制御、イベント駆動処理

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設問3(2)

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リーダを接続したのに、アイコンが点滅せず、作業ミスの判定が行われない場合があった。それはどのような場合か。故障を除き、40字以内で述べよ。

模範解答

状態表示領域に“設定完了”が表示されているときにリーダが接続された場合

解説

解答の導き方

  1. アイコンの点滅が始まる条件を確認します。本文では、リーダが接続されてアイコンが点灯している状態で、状態表示領域に“設定完了”を表示するタイミングに、アイコンの点滅を開始するとあります。つまり、アイコンが点灯しているだけでは点滅は始まりません。“設定完了”の表示タイミングも関係します。
  2. リーダが接続されたときの動作を確認します。リーダが接続されるとアイコンは点灯し、接続状況の変化はリーダタスクからメインタスクに通知されます。しかし、本文にある点滅開始の条件は、リーダの接続時ではなく、“設定完了”を表示するタイミングです。
  3. したがって、“設定完了”がすでに表示されているところへリーダを接続すると、接続時にアイコンは点灯しても、“設定完了”を表示するタイミングは過ぎています。そのため、点滅が始まらない場合があります。
  4. さらに、本文では、バーコードを受信したときの作業ミス判定は、アイコンの点滅中に行うとされています。点滅していないため、受信しても作業ミスの判定に進まず、問題の状況になります。この場合は、状態表示領域に“設定完了”が表示されているときにリーダが接続されたことが原因です。

誤りやすいポイント

  • リーダを接続すれば、いつでもアイコンが点滅すると考えることです。接続時に起きるのはアイコンの点灯であり、点滅には“設定完了”を表示するタイミングが必要です。
  • 状態表示領域が“設定完了”であれば、いつでも点滅が始まると考えることです。重要なのは、“設定完了”が表示されている状態そのものではなく、表示されるタイミングです。
  • バーコードを受信すれば必ず作業ミス判定が行われると考えることです。本文では、判定はアイコンの点滅中に受信した場合に行うとされています。

FAQ

Q: リーダが“設定完了”の表示より前に接続された場合はどうなりますか?
A: リーダが接続されてアイコンが点灯し、その後“設定完了”を表示するタイミングが来れば、点滅が始まります。
Q: 接続状況の変化がメインタスクに通知されるなら、接続時に点滅を始められませんか?
A: 接続状況の変化が通知されることと、点滅を開始する条件は別です。問題文で点滅開始の条件とされているのは、“設定完了”を表示するタイミングです。
Q: 点滅していないときにバーコードを受信した場合、なぜ判定されないのですか?
A: 作業ミスの判定は、アイコンの点滅中にバーコードの情報を受信した場合に行う仕様だからです。

関連キーワード: 状態遷移、イベント駆動処理、タスク間通信、状態管理

解説を読んでも分からないところは、AIに質問できます。 この問題の本文と解説をふまえて答えます。

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