ITパスポート 2009年 春期 問67
問題文
営業伝票を入力する画面の設計に際し、リストボックスを使った選択画面において、作業効率を高めるために、画面が表示された時点で、ある値がすでに選択された状態になるように設定することにした。
取引先の所在地(関東地方の七つの都道府県の名称)を選択するリストボックスの場合、選択された状態で設定される都道府県として、適切なものはどれか。ここで、入力作業に関する事項は、次のとおりである。
〔入力作業に関する事項〕
(1)営業担当者ごとの取引先の所在地は、一つ又は隣接する二つの都道府県にある。
(2)営業担当者は、伝票を取引先ごとに分類して、入力作業担当者に渡す。
(3)入力作業は、営業担当者ごとの伝票をまとめて行う。
(4)まとめて入力する伝票の数は、都道府県ごとに複数枚ある。
(5)1画面の入力操作で、1枚の伝票が入力できる。
選択肢
ア:営業成績の良い担当者の取引先がある都道府県
イ:会社数が最も多い東京都
ウ:五十音順で先頭となる茨城県
エ:前画面で入力した都道府県(正解)
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営業伝票のリストボックス初期選択設定【ITパスポート 解説】
問題の要点は「画面が表示された時点で、リストボックスが既にある値を選択した状態(初期選択)になっているようにして、入力作業の効率を上げる」という要件です。ここで「リストボックス」とは、複数の選択肢から1つを選ぶ画面部品(プルダウンに似た選択UI)、「初期選択(デフォルト値)」は画面表示時にあらかじめ選ばれている値のことです。
提示された条件(特に(1)〜(3))を整理すると、営業担当者ごとに伝票がまとめられて入力されるため、まとめて渡された伝票の多くは同じ都道府県(または隣接する2県)に属します。したがって、画面を開いたときに最も有用な初期選択は、その都度の作業文脈(直前の画面で選んだ都道府県)に合わせることです。これが、エ(前画面で入力した都道府県)が適切である理由です。
正解の理由
- 入力作業は「営業担当者ごと」にまとめて行われる(条件(2)(3))。つまり、同一担当者分の伝票では都道府県が揃っていることが多い。
- 「前画面で入力した都道府県」を初期選択にすることで、そのバッチ(まとめ)で多数の伝票が初期値と一致し、入力操作(選択の変更)を減らせます。
- 他の選択肢(人気や五十音順、成績など)は画面を使うその場の文脈(どの担当者の伝票か)を反映していないため、無関係な初期値になる可能性が高く、効率改善につながりにくいです。
- よって、文脈に基づく初期値である エ が最も効率的で合理的です。
解法ステップ
- 問題文から入力のまとまり方を確認する:伝票は営業担当者ごとにまとめて入力(条件(2)(3))。
- 各担当者の取引先所在地は「一つまたは隣接する二つの都道府県」(条件(1))であると把握する。
- 「効率を高める」ための初期選択とは、実際に多数当てはまる・変更が少ない値を選ぶことだと理解する。
- 各選択肢を「その場の文脈に合うか」で評価する。文脈に合うのは前画面で既に指定された都道府県、すなわち エ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 営業成績の良い担当者の取引先がある都道府県
- なぜ誤りか:成績優秀な担当者の取引先がある地域を固定で選ぶのは、今回入力する担当者の伝票とは無関係な場合が多い。入力バッチの文脈(どの担当者の分か)に合わせていないため、効率化に結びつかない。
-
イ: 会社数が最も多い東京都
- なぜ誤りか:全社的に件数が多いからといって、目の前の入力バッチが東京都かどうかは分からない。多数派に合わせると特定のバッチで誤選択が頻発し、逆に手間が増える恐れがある。
-
ウ: 五十音順で先頭となる茨城県
- なぜ誤りか:表示順や文字順による固定選択は、作業の文脈とは無関係。たまたま先頭だからという理由で初期値にすると、変更操作が多くなり効率が上がらない。
-
エ: 前画面で入力した都道府県(正解)
- なぜ正しいか:入力作業が「営業担当者ごと」にまとまっており、前画面の選択はその担当者やその取引先の所在地という直近の文脈を反映している。したがって初期選択として最も適切。
よくある誤解
-
「全体で最も多い値(例:東京都)を初期にすれば最適」と考える誤解
- 実際は、入力は個別のバッチ(担当者ごと)で行うため、全体の統計はそのバッチに直接当てはまらないことが多いです。
-
「固定ルール(五十音先頭や人気)で良い」と考える誤解
- 固定の初期値は特定の状況では便利かもしれませんが、多様な担当者のバッチを扱う実務では、文脈に基づく動的な初期値のほうが変更が少なく効率的です。
-
「前画面の値を使うと間違いが起きるのでは?」という不安
- 前画面の値が常に正しいとは限りませんが、入力オペレーションが伝票のまとまり(担当者単位)であれば、その前画面の値は高い確率で正しいものになります。誤りが心配なら、画面に「選択済み(確認)」の表示を付けるなどの工夫をします。
補足コラム
- 「文脈に合わせた初期値」が有効な理由はユーザビリティ(使いやすさ)と効率化の基本原則にあります。UI(ユーザーインターフェース:利用者とシステムがやり取りする画面や操作)設計では、利用者が行う操作の数を減らすことが重要です。前の画面の値を初期にすることは「コンテキスト保存(文脈の保持)」という手法で、業務アプリではよく使われます。
- 実装上の注意点:バッチが「隣接する二県」にまたがる場合もあるので、改善策としては
- 前画面で担当者ごとの都道府県を確定しておき、入力画面を開くときにその担当者の都道府県を渡す
- もし複数県がある場合は「直近の伝票の都道府県」や「前回入力した値」を初期値にする
- 初期値が自動で入る旨を画面に明示し、変更が必要ならすぐ変更できるUI(例えば候補の高速検索)を用意する これらの工夫でさらに入力効率が向上します。
FAQ
Q1. 前画面の都道府県が空欄のときはどうする?
A1. フォールバック(代替)として、担当者ごとに「前回入力した都道府県を記憶」する、あるいは入力補助(検索・候補表示)を優先表示する方が安全です。無理に全国一律の都道府県を初期にするよりも文脈保持を優先します。
A1. フォールバック(代替)として、担当者ごとに「前回入力した都道府県を記憶」する、あるいは入力補助(検索・候補表示)を優先表示する方が安全です。無理に全国一律の都道府県を初期にするよりも文脈保持を優先します。
Q2. もしバッチが隣接2県に分かれている場合はどうすればよい?
A2. 可能ならば伝票はさらに担当者内で県別に分類して渡すとベストです。現実的には「直近の(または最初の)伝票の都道府県」を初期値にする運用が実務上有効です。
A2. 可能ならば伝票はさらに担当者内で県別に分類して渡すとベストです。現実的には「直近の(または最初の)伝票の都道府県」を初期値にする運用が実務上有効です。
Q3. UIで「前画面の値」を使うとミスが起きやすくないか?
A3. 初期値があることを明示し、利用者がすぐに変更できる操作(クリックで一覧を開く、検索できる)を用意すれば、ミスは最小限にできます。むしろ毎回選択させるよりミスや手間が減る場合が多いです。
A3. 初期値があることを明示し、利用者がすぐに変更できる操作(クリックで一覧を開く、検索できる)を用意すれば、ミスは最小限にできます。むしろ毎回選択させるよりミスや手間が減る場合が多いです。
関連キーワード: リストボックス、デフォルト値、ユーザビリティ、入力効率、業務アプリ、画面設計、都道府県選択

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