ITパスポート 2010年 秋期 問33
問題文
ITサービスマネジメントのプロセスには、インシデント管理、問題管理、リリース管理などの活動がある。問題管理の活動はどれか。
選択肢
ア:電子メールが送信できないと各部署から連絡があった。サービスを再開するためバックアップシステムを立ち上げた。
イ:電子メールが送信できないと問合せがあった。利用者にPCの設定を確認してもらったところ、電子メールアドレスが誤っていたので修正してもらった。
ウ:メールシステムがサーバのハードウェア障害でダウンした。故障したハードウェア部品の交換と確認テストを実施した。
エ:メールシステムがダウンした。原因を究明するために情報システム部門の担当者とシステムを構築したベンダの技術者を招集し、情報収集を開始した。(正解)
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ITサービスマネジメント:問題管理の活動はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
問題管理(Problem Management:問題の根本原因を究明し、再発を防止するプロセス)の目的は「原因を突き止めること」と「再発防止」です。
選択肢エは「原因を究明するために関係者を招集し情報収集を開始した」という記述で、まさに問題管理の初動(根本原因の調査)に当たります。したがって、問題管理の活動として正しいです。
選択肢エは「原因を究明するために関係者を招集し情報収集を開始した」という記述で、まさに問題管理の初動(根本原因の調査)に当たります。したがって、問題管理の活動として正しいです。
※用語説明:
- インシデント管理(Incident Management:サービスの停止や障害が発生したときに、まずサービスを速やかに復旧することを重視するプロセス)
- 問題管理(Problem Management:障害の根本原因を分析して、同じ障害が再発しないようにするプロセス)
- リリース管理(Release Management:修正や機能追加などの変更を実際に現場(本番環境)へ導入・展開する管理)
解法ステップ
- 問題文で「何をする活動か」を確認する。キーワードは「原因を究明」「再発防止」「情報収集」など。
- 各選択肢の行動が「サービスの復旧(インシデント管理)」「原因究明(問題管理)」「部品交換や展開(修理・リリース)」のどれに該当するか分類する。
- 「原因究明」や「関係者招集」「情報収集」といった記述がある選択肢が問題管理に該当するため、それを選ぶ。
短く言うと:問題管理=原因を調べる活動。選択肢エがこれに該当するため正解です。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「サービスを再開するためバックアップシステムを立ち上げた」
→ これはインシデント管理(サービスを早く復旧する行動)に該当します。問題管理ではなく、まずは利用者への影響を減らすための対応です。 -
イ: 「利用者のPC設定ミスを修正してもらった」
→ 利用者サポートや一次対応(インシデント管理)の一例です。原因が単純なユーザ操作ミスならその場で復旧させますが、根本原因の分析(問題管理)ではありません。 -
ウ: 「故障したハードウェア部品の交換と確認テストを実施した」
→ 物理的な修理作業や復旧対応に当たります。インシデント対応(または保守作業)です。問題管理は「なぜ故障したのか」を調べる点が重要で、部品交換だけでは問題管理の活動とは言えません。 -
エ: 「原因を究明するために担当者とベンダの技術者を招集し、情報収集を開始した」
→ 正解。問題(根本原因)を調べるための典型的な最初の動きです。問題管理の活動に合致します。
よくある誤解
-
「故障を直す=問題管理」ではない
- 故障を直してサービスを戻す行為はインシデント管理です。問題管理は「なぜ故障したのか」を調べる点が違います。
-
「すぐに部品を交換すれば問題管理は完了」ではない
- 交換で復旧しても、再発原因を突き止めなければ同じ障害がまた起きる可能性があります。問題管理では根本原因分析が必要です。
-
「問題管理は後回しでよい」は危険
- 一度インシデントを復旧しても、問題管理を怠ると同じ障害で何度も業務に支障をきたします。優先度をつけ適切に実施することが重要です。
補足コラム
問題管理でよく使う手法(初出の用語は一言説明を付けます):
- 5回のなぜ(5 Whys:なぜを繰り返して原因を掘り下げる手法)
例:メールが送れない→なぜ?→サーバが応答しない→なぜ?→電源故障… のように掘り下げます。 - 特性要因図(Ishikawa図、フィッシュボーン):原因をカテゴリ別に整理する図です。機器・人・手順・環境などに分けて考えます。
プロアクティブ(予防的)問題管理とリアクティブ(事後的)問題管理があります。選択肢エはリアクティブに当たりますが、良い組織はログや傾向分析で予防的に問題を見つけます。
FAQ
Q1: インシデントと問題はどう違いますか?
A1: インシデントは「今起きている障害やサービス停止」を指します。目的は速やかな復旧です。問題は「その障害の根本原因」を指し、目的は再発防止です。
A1: インシデントは「今起きている障害やサービス停止」を指します。目的は速やかな復旧です。問題は「その障害の根本原因」を指し、目的は再発防止です。
Q2: 問題管理は誰がやるのですか?
A2: 情報システム部門や運用チーム、必要に応じてシステムを構築したベンダ(vendor:製品やサービスを提供する業者)の技術者など、関係者で実施します。組織ごとに「問題管理担当」が決まっていることが多いです。
A2: 情報システム部門や運用チーム、必要に応じてシステムを構築したベンダ(vendor:製品やサービスを提供する業者)の技術者など、関係者で実施します。組織ごとに「問題管理担当」が決まっていることが多いです。
Q3: ハードウェア交換は問題管理の一部になり得ますか?
A3: 交換自体は復旧作業(インシデント対応)ですが、同時に交換原因の分析や再発防止策の検討が行われれば問題管理の一部になります。単なる交換のみでは問題管理とは言えません。
A3: 交換自体は復旧作業(インシデント対応)ですが、同時に交換原因の分析や再発防止策の検討が行われれば問題管理の一部になります。単なる交換のみでは問題管理とは言えません。
関連キーワード: インシデント管理、問題管理、根本原因分析、5 Whys、特性要因図、変更管理、運用保守、ベンダ調整

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