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ITパスポート 2010年 秋期 51


問題文

システム開発プロジェクトにおいて、成果物の品質を評価するために使用する指標として、適切なものはどれか。

選択肢

外部調達率
テストカバー率(正解)
投入した延べ人数
プロジェクト経過日数

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成果物の品質を評価する指標【ITパスポート 解説】

正解の理由

「成果物の品質を評価する指標」と言う場合、直接その品質の良し悪しに関係する「どれだけ検証されているか」を示す指標が適しています。テストカバー率は、成果物(ソフトウェアや仕様)がどの程度テストされ、確認されているかを示すため、品質評価に直結します。
(補足)ここでの「テストカバー率」は、要求(要件)に対するテスト実施率や、コードがテストで実行された割合(コードカバレッジ:テストで実行されたソースコードの割合)などを指します。

解法ステップ

  1. 問題の目的を確認する:評価したいのは「成果物の品質」。
  2. 各選択肢が「品質」をどの程度直接示すかを考える:
    • 品質を直接示すもの:テスト結果や欠陥の割合など。
    • 品質と直接関係ないもの:投入リソースや日数、外部調達の割合などは間接的要因。
  3. 最も直接的に「品質の検証の範囲」を示すのが「テストカバー率」であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 外部調達率
    外部調達率は部品やソフトを外注・購入で賄った割合です。コストや調達リスク、管理の手間には関係しますが、成果物自体の品質を直接示す指標ではありません。外部調達先の品質が良ければ間接的に影響しますが、単独で品質評価には不十分です。
  • イ: テストカバー率(正解)
    テストでどれだけの要件やコードを検証したかを表します。検証の範囲が広ければ、欠陥が残る可能性は低くなり、成果物の品質評価に有用です。
  • ウ: 投入した延べ人数
    延べ人数(人日・人月)はリソース投入量を示します。努力量やコストの目安にはなりますが、同じ投入量でも品質は変わるため、品質そのものを表す指標ではありません。
  • エ: プロジェクト経過日数
    ただの経過時間・スケジュール指標です。遅延や短縮はプロジェクト管理には重要ですが、成果物の品質を直接測る指標ではありません。

よくある誤解

  1. 「投入人数が多ければ品質も上がる」
    実際は人数を増やしただけでは品質向上になりません。人を増やすとコミュニケーションコストが増え、逆に品質が下がることもあります(ブルックスの法則のような現象)。重要なのは「効率的で適切な検証」が行われているかです。
  2. 「テストカバー率が高ければバグはゼロになる」
    テストカバー率が高いほど見落としは減りますが、100%でもバグがゼロとは限りません。テストの質(誤った期待値をチェックしていない、想定外の使い方を試していない等)も重要です。
  3. 「外部調達は品質低下を意味する」
    外部調達そのものが悪いわけではありません。信頼できるベンダーや適切な受入試験があれば、高品質を維持できます。外部調達率はリスク・管理指標と考えるのが正しいです。

補足コラム

品質評価でよく使われる他の指標(例):
  • 欠陥密度(Defect density:欠陥数 / サイズ)
    例:ソースコード1,000行あたりの欠陥数。式は (KLOC = 1000 行単位)。
  • テスト合格率(パス率)
    実行したテストケースのうち合格(期待どおり動いた)した割合。テストカバー率と合わせて見ると有効です。
  • 平均修復時間(Mean Time To Repair:MTTR)
    問題が起きてから修正完了までの平均時間。運用品質の指標になります。
実務では複数の指標を組み合わせて判断します。例えば「テストカバー率が高く、欠陥密度が低く、MTTRも短い」なら品質は良い可能性が高い、という具合です。

FAQ

Q1: テストカバー率は何%を目標にすればよいですか?
A1: 一律の基準はありません。重要度の高い機能は100%を目指し、通常は 70〜90% が実務での目安と言われます。プロジェクトやリスクに応じて優先度をつけてテストしてください。
Q2: コードカバレッジと要件カバレッジはどちらが重要ですか?
A2: 両方重要です。コードカバレッジ(コードがテストで実行された割合)は実装面の検証、要件カバレッジは仕様・要求が満たされているかの検証です。要件カバレッジが不足していると、必要な機能がチェックされていないまま残る恐れがあります。
Q3: テストカバー率を上げるにはどうすればよいですか?
A3: テスト設計で抜けを減らす(チェックリスト、同値分割、境界値分析など)、自動テストを導入して繰り返し実行する、レビューでテストケースの見落としを防ぐ、などの手法があります。

関連キーワード: テストカバー率、テストカバレッジ、コードカバレッジ、要件カバレッジ、欠陥密度、MTTR、品質指標、ソフトウェアテスト、QA、品質保証
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