ITパスポート 2011年 秋期 問86
問題文
シンクライアント端末の説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:アプリケーションソフトウェアの実行やファイルなどの資源の管理は全てサーバ側で行う、ユーザインタフェース専用の端末(正解)
イ:高性能かつ持ち運びが便利で戸外でも長時間の利用が可能なように、半導体ディスクや複数の低消費電力型CPUを搭載した、薄くてコンパクトなPC端末
ウ:データベース検索機能に特化したアプリケーションを搭載し、特定業務専用に利用される端末
エ:紛失や盗難時のセキュリティ対策として、ハードディスクに格納される全ての情報が自動的に暗号化されるようになっている端末
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シンクライアント端末の説明として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
アの文は「アプリケーションソフトウェアの実行やファイルなどの資源の管理は全てサーバ側で行う、ユーザインタフェース専用の端末」とあります。これはシンクライアント(thin client:処理やデータをできるだけサーバ側で行い、端末は操作画面(ユーザインタフェース)だけを提供する端末)の定義に合致します。
ここで用語を簡単に説明します。
- サーバ(サービスを提供するコンピュータ): 他のコンピュータに処理やデータを提供する側のコンピュータです。
- ユーザインタフェース(操作画面): 人が見る画面や操作する部分のことです。
シンクライアントは端末自身で重い処理や多くのデータ管理を行わず、サーバ側でまとめて行います。したがって、アの説明が正しい理由です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを見つける:「アプリケーションの実行」や「ファイルなどの資源の管理は全てサーバ側で行う」。
- そのキーワードがどの技術を指すかを考える。サーバ側で処理を行い、端末は操作のみ提供するもの=シンクライアント(thin client)。
- 他の選択肢が「端末の物理的な薄さ」や「特定の機能」に偏っていないか確認する。該当しなければアが正解。
短く言うと、「処理はサーバ、端末は画面だけ」がシンクライアントの本質です。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正解)
サーバ側でアプリやデータを管理し、端末はユーザインタフェースを提供する。これがシンクライアントの基本的な説明です。 -
イ(誤り)
「高性能で持ち運びが便利な薄くてコンパクトなPC端末」という説明は、ノートPCやウルトラブックのような携帯端末を指します。シンクライアントは必ずしも高性能なローカル処理を持つ端末ではなく、むしろローカル処理を抑える設計です。 -
ウ(誤り)
「データベース検索に特化した特定業務専用端末」は専用端末や業務端末の説明です。シンクライアントは業務専用端末になり得ますが、本質は「処理をサーバで行う」点であり、特定の機能に限定された端末ではありません。 -
エ(誤り)
「ハードディスクの自動暗号化」はフルディスク暗号化(FDE:Full Disk Encryption)の説明です。セキュリティ機能として重要ですが、端末がシンクライアントか否かの定義には当たりません。シンクライアントはそもそもローカルに重要データを置かない設計が多いです。
よくある誤解
-
「シンクライアントは物理的に薄い端末だ」
→ 誤りです。thin(薄い)は「処理の厚みが薄い」という比喩で、物理的な薄さを指すわけではありません。 -
「シンクライアントは全くローカル記憶を持たない」
→ 必ずしもそうではありません。キャッシュや一時ファイルなど最小限のローカル機能を持つ端末もありますが、重要なデータや主要な処理はサーバ側で行います。 -
「シンクライアント=VDI(仮想デスクトップ)だ」
→ 関連は深いですが同義ではありません。VDI(Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)はサーバ側で仮想PCを動かす仕組みの一例で、シンクライアントはその仮想デスクトップに接続する端末として使われます。
補足コラム
シンクライアントがよく使われる場面:
- コールセンターや学校など、多数の端末を管理する場所。ソフト更新やセキュリティ対策を中央で行えるため運用が楽になります。
- BYOD(Bring Your Own Device:私物端末の業務利用)対策として、個人端末からサーバ上の作業環境へ接続させる形もあります。
利点と注意点:
- 利点:管理が集中化される、データ紛失リスクが減る、端末は比較的安価で良い。
- 注意点:ネットワーク障害や遅延に弱い、サーバ側に高性能な設備が必要になる、導入コストや設計の手間がかかる場合がある。
代表的な仕組みや製品:
- VDI(Virtual Desktop Infrastructure:サーバ上で仮想的なデスクトップを提供する仕組み)や、リモートデスクトップサービス、Citrix、VMware Horizon、Microsoft Remote Desktop など。
FAQ
Q1: Chromebook(クロームブック)はシンクライアントですか?
A1: 完全なシンクライアントではありません。Chromebookはクラウドサービス主体の設計ですが、ローカルでもアプリが動く場合があります。サーバ依存度が高ければ「シンクライアントに近い」と言えます。
A1: 完全なシンクライアントではありません。Chromebookはクラウドサービス主体の設計ですが、ローカルでもアプリが動く場合があります。サーバ依存度が高ければ「シンクライアントに近い」と言えます。
Q2: シンクライアントにすると盗難時のデータ漏えいは完全に防げますか?
A2: 完全ではありません。ローカルに重要データを置かない分リスクは下がりますが、接続情報の漏洩やサーバ側の管理不足など別のリスクは残ります。
A2: 完全ではありません。ローカルに重要データを置かない分リスクは下がりますが、接続情報の漏洩やサーバ側の管理不足など別のリスクは残ります。
Q3: ゼロクライアントって何ですか?
A3: ゼロクライアント(zero client)は端末側にOSや設定をほとんど持たず、さらにサーバ依存度が高い端末です。シンクライアントの一種ですが、より端末側の機能が少ない分類です。
A3: ゼロクライアント(zero client)は端末側にOSや設定をほとんど持たず、さらにサーバ依存度が高い端末です。シンクライアントの一種ですが、より端末側の機能が少ない分類です。
関連キーワード: シンクライアント、クライアントサーバ、サーバ、VDI (Virtual Desktop Infrastructure:仮想デスクトップ基盤)、ゼロクライアント、フルディスク暗号化、ユーザインタフェース、セキュリティ

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