ITパスポート 2011年 春期 問31
問題文
エンジニアリングシステムのCAMを活用する場面として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:工業製品や建築物などの設計図面を作成する。
イ:工作機械を制御するための加工データを出力する。(正解)
ウ:製品の生産に必要な部品の発注量を計画する。
エ:月別の生産日程計画を策定する。
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エンジニアリングシステムのCAMを活用する場面【ITパスポート 解説】
正解の理由
CAM(Computer-Aided Manufacturing:製造を支援するコンピュータ)は、設計データを基に「工作機械を動かすための加工データ」を作成するツールです。加工データとは、CNC(Computer Numerical Control:数値制御)工作機械が読み取るGコードなどの指示書です。したがって、選択肢の中でCAMの役割に直接対応しているのは、イの「工作機械を制御するための加工データを出力する。」です。
解法ステップ
- CAMとは何かを確認する。
- CAM(Computer-Aided Manufacturing):製造工程で機械を動かすためのデータや加工手順を生成するソフトウェア。
- 各選択肢に含まれるキーワードとCAMの定義を照らし合わせる。
- 「設計図面を作成」→ 設計はCAD(Computer-Aided Design:設計支援) の役割。
- 「加工データを出力」→ 工作機械制御はCAMの代表的機能。
- 「部品の発注量を計画」や「生産日程計画」→ これはMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)やERP(Enterprise Resource Planning:基幹業務管理)の分野。
- 一致する選択肢を選ぶ。該当はイ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 工業製品や建築物などの設計図面を作成する。
- これはCAD(Computer-Aided Design:設計支援ソフト)の役割です。CADは図面や形状を作るツールで、CAMとは目的が異なります。
- イ: 工作機械を制御するための加工データを出力する。
- CAMの典型的な機能です。CADで作った形状データから工具の動き(工具経路)を決め、シミュレーションしてGコードなどのNCデータを出力します。
- ウ: 製品の生産に必要な部品の発注量を計画する。
- これはMRP(Material Requirements Planning:資材所要量計画)や生産管理システムの機能です。部品の所要量を計算して購買へつなげます。
- エ: 月別の生産日程計画を策定する。
- これは生産計画やスケジューリングの領域で、ERPやMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)が関わることが多いです。CAMは個々の加工データの生成に特化します。
よくある誤解
- CAMとCADを混同する。
- 見た目は似ていますが、CADは「図を作る」、CAMは「機械が動くための命令を作る」です。順番で言えば「CADで設計 → CAMで加工データ生成」です。
- CAMが生産計画や発注まで行うと思う。
- CAMはあくまで加工(工作機械の制御)に特化します。生産計画や資材計画は別のシステム領域です。
- CAM=CNCと考える。
- CNC(工作機械の制御方式)とCAM(加工データを作るソフト)は役割が違います。CAMが出力したデータをCNCが受け取って動きます。
補足コラム
- CAMの出力物:一般に「NCデータ」「Gコード」と呼ばれる数値制御用の命令セットです。Gコードは、工作機械に「どこに、どの速度で、どの順で移動するか」を伝えます。
- 仕事の流れ(簡単なイメージ):
-
- CADで形状設計 → 2) CAMで工具経路を生成・最適化 → 3) ポストプロセッサで機械特有のGコードへ変換 → 4) 工作機械で加工実行。
-
- 近年は、3Dプリンタ向けの「スライス」ソフトもCAMに近い役割を果たします。目的は同じで「設計を機械が理解できる命令に変える」ことです。
FAQ
Q1: CAMとCADの違いは何ですか?
A1: CAD(Computer-Aided Design:設計支援)は製品の形や図面を作るツールです。CAM(Computer-Aided Manufacturing:製造支援)はその設計をもとに、工作機械が動くための加工手順やGコードを作るツールです。
A1: CAD(Computer-Aided Design:設計支援)は製品の形や図面を作るツールです。CAM(Computer-Aided Manufacturing:製造支援)はその設計をもとに、工作機械が動くための加工手順やGコードを作るツールです。
Q2: Gコードとは何ですか?
A2: GコードはNC(数値制御)工作機械に与える命令言語の一種で、位置・速度・加工順序などを数値で指示します。CAMが生成する代表的な出力です。
A2: GコードはNC(数値制御)工作機械に与える命令言語の一種で、位置・速度・加工順序などを数値で指示します。CAMが生成する代表的な出力です。
Q3: CAMは生産管理や発注もできますか?
A3: 基本的にはできません。生産管理や発注はMRPやERPの領域です。ただし、システム連携でCAMの情報が生産管理に渡ることはあります。
A3: 基本的にはできません。生産管理や発注はMRPやERPの領域です。ただし、システム連携でCAMの情報が生産管理に渡ることはあります。
Q4: CAMソフトの例は?
A4: 市場にはさまざまなCAMソフトがあります。名称よりも「加工機種に対応しているか」「ポストプロセッサがあるか」を確認することが重要です。
A4: 市場にはさまざまなCAMソフトがあります。名称よりも「加工機種に対応しているか」「ポストプロセッサがあるか」を確認することが重要です。
関連キーワード: CAM、CAD、CNC、G-code、NCデータ、MRP、ERP、生産管理、加工データ

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