ITパスポート 2011年 春期 問80
問題文
PCのハードディスクにデータの追加や削除を繰り返していると、データが連続した領域に保存されなくなることがある。改善策を講じない場合、どのような現象が起こり得るか。
選択肢
ア:ウイルスが検出されなくなる。
イ:データが正しく書き込めなくなる。
ウ:データが正しく読み取れなくなる。
エ:保存したデータの読取りが遅くなる。(正解)
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PCのハードディスクにデータの追加や削除を繰り返すと…【ITパスポート 解説】
正解の理由
ハードディスク(HDD:磁気ディスクでデータを読み書きする記憶装置)は、ファイルを連続した領域に保存できないと、同じファイルが複数の断片(フラグメント)に分かれて保存されます。読み出すときはディスク上の別々の場所へ読み取りヘッドが何度も移動します。この移動(シーク)や回転待ち(回転遅延)によって、データの読み取りにかかる時間が長くなります。したがって、最も起こりやすい現象は保存したデータの読取りが遅くなること、つまりエです。
ポイントを一言で:断片化=「ファイルがバラバラに置かれる」→「ヘッドの移動が増える」→「読み取りが遅くなる」。
解法ステップ
- 問題文で「データの追加や削除を繰り返す」とある点に注目する。
→ これはファイルの断片化(フラグメンテーション)を示唆する状況です。 - 断片化が起きるとファイルは連続した領域に保存されない。
→ 読み書きヘッドが複数の場所を行き来する必要が出る。 - ヘッドの移動や回転待ちによって「速度」に影響が出る。
→ 読み取り(読み出し)時間が主に増えるため、選択肢の中では「保存したデータの読取りが遅くなる」が最も適合する。
この流れで各選択肢を当てはめれば、エが妥当と判断できます。
選択肢別の誤答解説
- ア: ウイルスが検出されなくなる。
→ 断片化は物理的なデータ配置の問題です。ウイルス検出はウイルス対策ソフトの定義やスキャン方法に依存し、断片化が検出の可否を直接変えることは基本的にありません。 - イ: データが正しく書き込めなくなる。
→ 断片化があると書き込みの効率は落ちることがあるものの、通常はファイルシステムが空き領域を使って正しく書き込みます。書き込み不能になるのはディスク故障やファイルシステムの深刻な損傷、容量不足など別の原因です。 - ウ: データが正しく読み取れなくなる。
→ 断片化そのものはデータの配置順序の問題であり、通常は読み取り結果の内容が壊れる(誤ったデータになる)ことはありません。読み取りエラー(データ破損)が起きるのは、物理的な不良セクタやファイルシステムの破損など別の問題です。 - エ: 保存したデータの読取りが遅くなる。
→ 断片化によるヘッド移動増加と回転遅延で読み出し時間が延びます。これが最も典型的な影響です(エが該当)。
よくある誤解
- 「断片化=データが壊れる」
→ 多くの場合は速度低下が主で、データ破損とは別問題です。壊れるのはディスク物理障害やファイルシステムの損傷の場合です。 - 「すべてのドライブでデフラグ(断片化解消)すべき」
→ SSD(ソリッドステートドライブ:半導体メモリを使う記憶媒体)では断片化による速度低下の影響は小さく、デフラグは寿命を減らす可能性があるため不要または推奨されません。 - 「断片化はすぐに起こるので毎日デフラグが必要」
→ 普通の利用では断片化の影響が顕著になるまで時間がかかります。必要に応じたメンテナンスで十分です。
補足コラム
- HDDの動きのイメージ:本(ファイル)が棚(ディスク面)にバラバラに置かれていると、目的の本を集めるために棚を何度も歩く必要があります。これがヘッドのシーク(移動)です。
- デフラグ(デフラグメンテーション)とは、ファイルを連続した領域にまとめ直す作業です。Windowsの「最適化ドライブ(デフラグ)」機能が代表的です。
- SSDではTRIM(トリム:不要になったデータ領域を効率よく扱う命令)や内部のガベージコレクションが重要です。SSDに普通のデフラグを行うと不要な書き込みが増え、寿命を縮める可能性があります。
- ファイルシステムの種類(NTFS、FAT32、ext4など)やクラスタ(割り当て単位)サイズも断片化の度合いに影響します。
FAQ
Q. 断片化をチェックする方法は?
A. Windowsなら「ディスクの最適化(最適化ドライブ)」で状態を確認できます。割合で断片化の程度を示すことが多いです。Linux系では一般ユーザ環境での断片化は比較的少ないですが、必要ならファイルシステム固有のツールが使えます。
A. Windowsなら「ディスクの最適化(最適化ドライブ)」で状態を確認できます。割合で断片化の程度を示すことが多いです。Linux系では一般ユーザ環境での断片化は比較的少ないですが、必要ならファイルシステム固有のツールが使えます。
Q. デフラグをするとデータが消えることはありますか?
A. 通常は消えません。ファイルシステムの標準ツールが慎重に移動します。ただし、万が一に備えて重要データは事前にバックアップしておくのが安全です。
A. 通常は消えません。ファイルシステムの標準ツールが慎重に移動します。ただし、万が一に備えて重要データは事前にバックアップしておくのが安全です。
Q. ノートPCのSSDをデフラグしてもいいですか?
A. 基本的に避けてください。SSDはランダムアクセスが得意で、デフラグによる効果は薄く、逆に書き込み回数が増えて寿命を縮める恐れがあります。OSに任せた自動最適化(TRIMの有効化)で十分です。
A. 基本的に避けてください。SSDはランダムアクセスが得意で、デフラグによる効果は薄く、逆に書き込み回数が増えて寿命を縮める恐れがあります。OSに任せた自動最適化(TRIMの有効化)で十分です。
Q. 断片化はパソコン全体の遅さにどれくらい影響しますか?
A. HDDで大きなファイルを頻繁に読み書きする用途(動画編集など)では顕著に影響します。通常の事務作業やウェブ閲覧では気にならないこともあります。
A. HDDで大きなファイルを頻繁に読み書きする用途(動画編集など)では顕著に影響します。通常の事務作業やウェブ閲覧では気にならないこともあります。
関連キーワード: フラグメンテーション、デフラグ、ハードディスク、HDD、SSD、シークタイム、回転遅延、ファイルシステム、NTFS、FAT32、最適化ドライブ、TRIM、バックアップ

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