ITパスポート 2012年 春期 問50
問題文
新人事システム開発プロジェクトの遂行に当たって、どのようなことがリスクとなり得るかを洗い出すために、プロジェクトチームメンバである企画部、人事部、情報システム部の担当者が集まり、プロジェクトに関して思い付くリスクを自由に出し合った。このような手法を何というか。
選択肢
ア:ウォークスルー
イ:クリティカルパス法
ウ:シミュレーション
エ:ブレーンストーミング(正解)
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新人事システムのリスク洗い出しに使った手法は何か【ITパスポート 解説】
正解の理由
この問題で適切なのは エ のブレーンストーミング(Brainstorming:複数人で自由にアイデアを出し合う手法)です。問題文では「企画部、人事部、情報システム部の担当者が集まり、プロジェクトに関して思い付くリスクを自由に出し合った」とあります。意見の量を重視し、批判を控えながら自由に発想を広げるのがブレーンストーミングの特徴です。したがって、この記述に最も合致するのは エ です。
(注)ブレーンストーミングは「量 → 質」の発想で、まずは多くのリスク候補を出し、その後で評価・絞り込みを行います。
解法ステップ
- 問題文を読む:重要なフレーズは「自由に出し合った」「プロジェクトのリスクを洗い出す」「複数部門の担当者が集まった」。
- 各選択肢の定義を簡単に確認:
- ア ウォークスルー(Walkthrough:成果物を順に確認するレビュー手法)
- イ クリティカルパス法(Critical Path Method:工程で時間が最もかかる経路を求める工数管理手法)
- ウ シミュレーション(Simulation:現実を模して試行する方法)
- エ ブレーンストーミング(Brainstorming:自由にアイデアを出す)
- 問題文の状況(自由な意見出し、目的がアイデア=リスクの列挙)と照らし合わせて当てはまるものを選ぶ。
- 当てはまらない他の選択肢を除外することで エ を確定する。
選択肢別の誤答解説
-
ア:ウォークスルー(Walkthrough:成果物を参加者で順に追いながら確認する手法)
ウォークスルーは設計書やプログラムなどの成果物を順に説明し、誤りや改善点を確認する手法です。問題文の「自由にアイデアを出す」場面とは異なります。よって不正解です。 -
イ:クリティカルパス法(Critical Path Method:工程で最も時間がかかる経路を見つけ、工期管理に使う手法)
クリティカルパス法はスケジュール管理の計算手法で、プロジェクトの「どの作業が遅れると全体遅延になるか」を分析します。リスクの自由な発想をする場面の説明には当てはまりません。 -
ウ:シミュレーション(Simulation:現実の状況を模して試す方法)
シミュレーションはモデルやツールを使って、結果を事前に試す手法です。リスクのアイデアを人間が自由に出す行為そのものではないため該当しません。 -
エ:ブレーンストーミング(Brainstorming:複数人で自由にアイデアを出し合う手法)
問題文の描写と一致します。複数部門が集まり、自由にリスクを出し合う活動は典型的なブレーンストーミングです。
よくある誤解
-
「ブレーンストーミングは雑談と同じ」
→ 雑談に見えることもありますが、ブレーンストーミングは目的(ここではリスク洗い出し)を持った活動です。時間やテーマを決め、アイデアを記録する点が体系的です。 -
「ブレーンストーミングでは評価・議論をしてはいけない」
→ 原則としてアイデア出しの段階では批判を控えますが、出し終えた後に評価・絞り込みを行うのが正しい手順です。批判を全くしないわけではなく、順序が重要です。 -
「ファシリテーターはいらない」
→ 結果を出すためには進行役(ファシリテーター)がいた方が効率的です。発言の偏りを減らし、記録を取り、時間管理を行います。
補足コラム
効果的なブレーンストーミングのコツ(リスク洗い出し向け)
- 目的を明確にする:例「新システム導入で発生し得るリスク(運用・法務・データ移行など)を洗い出す」。
- ルールを共有する:批判は後回し、量を出す、他人の意見に便乗して発展させる(アイデアの組み合わせ)。
- 時間を区切る:短時間(例20〜40分)で集中して出すと効果的です。
- 記録を残す:出たリスクはすぐにホワイトボードや付箋に書き出す。後で「リスク登録簿(リスクレジスター)」に整理します。
- リスク登録簿の簡単な項目例:リスク内容、影響度、発生確率、対応策、担当者
- 多様な視点を入れる:企画・業務(人事)・技術(情報システム)のように異なる立場を含めることで見落としが減ります。
例:人事システムのリスク候補
- データ移行中のデータ欠損や重複
- 新しい法令や税制への対応漏れ
- ユーザ権限設定のミスによる情報漏えい
- 旧システムとの連携停止による業務停止
FAQ
Q. ブレーンストーミングと会議は同じですか?
A. 目的が共通していても違います。ブレーンストーミングは「アイデアを多く出す」ことに特化した進め方の一つです。通常の会議は議論・決定を行うことが多いので、役割や進行を変える必要があります。
A. 目的が共通していても違います。ブレーンストーミングは「アイデアを多く出す」ことに特化した進め方の一つです。通常の会議は議論・決定を行うことが多いので、役割や進行を変える必要があります。
Q. ブレーンストーミングはオンラインでも有効ですか?
A. 有効です。付箋ツールやホワイトボードツール、チャットを活用してルールを守れば、オンラインでも同様の効果が得られます。ファシリテーターの役割はむしろ重要になります。
A. 有効です。付箋ツールやホワイトボードツール、チャットを活用してルールを守れば、オンラインでも同様の効果が得られます。ファシリテーターの役割はむしろ重要になります。
Q. 出たアイデアが多すぎて整理できません。どうすればよいですか?
A. まずはカテゴリ(技術、業務、法務、スケジュール等)に分類し、発生確率×影響度で優先順位を付けてリスク登録簿に落とし込みます。
A. まずはカテゴリ(技術、業務、法務、スケジュール等)に分類し、発生確率×影響度で優先順位を付けてリスク登録簿に落とし込みます。
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