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ITパスポート 2012年 春期 59


問題文

ディジタル署名を用いることで可能なことはどれか。

選択肢

署名された文書の暗号化方式の受信者への通知
署名された文書の改ざんの検出(正解)
署名された文書の改ざんの防止
署名された文書の漏えいの防止

🔒 解説は解答すると表示されます

ディジタル署名を用いることで可能なことはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

ディジタル署名(digital signature:電子データの送信者と内容の正当性を保証する仕組み)は、文書が作成者のものであり、送信後に内容が改ざんされていないかを検証できます。具体的には文書の要約(ハッシュ関数:データを短い固定長の値に変換する関数)を作り、その要約に署名者の秘密鍵(公開鍵暗号:公開鍵と秘密鍵のペアを使う暗号方式)で暗号処理を行います。受信者は署名を公開鍵で検証し、受け取った文書の要約と照合します。照合が一致すれば改ざんされていないと判断できます。
したがって選択肢のうち、文書の改ざんの検出が可能であることを表す が正解です。ディジタル署名は「改ざんされているかどうかを検出し、かつ誰が署名したかを確認する」機能を持ちます(整合性と認証、さらに非否認性)。

解法ステップ

  1. 「ディジタル署名」の意味を思い出す。要点は「誰が」「改ざんされたか」を確認できること。
  2. 各選択肢が「検出(detect)」「防止(prevent)」「通知(notify)」「漏えい防止(confidentiality)」のどれに当たるかを判定する。
  3. ディジタル署名は改ざんの検出(整合性の確認)や送信者の認証に使うが、改ざんそのものを物理的に防ぐわけではない点で「防止」や「漏えい防止」とは異なると判断する。
  4. 以上より、改ざんの検出に関する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 署名された文書の暗号化方式の受信者への通知
    ディジタル署名は暗号化方式(どの暗号アルゴリズムを使ったか)を「通知」する仕組みではありません。暗号方式の情報は通信プロトコルやメタデータで扱われることがありますが、署名そのものの目的ではありません。
  • : 署名された文書の改ざんの検出
    正解。文書のハッシュに署名を付け、受信側で検証することで、送信後に内容が書き換えられていないかを判定できます。改ざんがあれば検証に失敗します。
  • ウ: 署名された文書の改ざんの防止
    誤り。ディジタル署名は「改ざんされていれば検出できる」手段です。物理的な改ざんを物理的に防ぐ装置ではありません。例えると、封蝋(ふうろう)が割れていれば開封を検出できるが、封を割られるのを止めるわけではありません。
  • エ: 署名された文書の漏えいの防止
    誤り。文書の漏えい(第三者に内容を見られること)を防ぐには暗号化(encryption:内容を読めないようにする処理)やアクセス制御が必要です。ディジタル署名は内容を隠す役割は持ちません。

よくある誤解

  1. 「署名=暗号化」と混同する
    署名は主に整合性(内容が変わっていないか)と認証(誰が署名したか)を確認するためのものです。暗号化は内容を秘匿(第三者に読まれないようにすること)するための技術です。
  2. 「署名があれば改ざんされない」と思う
    署名は改ざんを検出できますが、改ざんそのものを物理的に防ぐわけではありません。改ざんを防止したければアクセス管理や通信の保護が必要です。
  3. 電子署名(法的文脈)とディジタル署名(技術)を同じものと考える
    法律上の「電子署名」は幅広い概念で、厳密な意味での「ディジタル署名」は暗号技術に基づくものです。区別して考えると理解しやすいです。

補足コラム

ディジタル署名の基本的な流れ(簡潔):
  1. 文書からハッシュ値を作る(ハッシュ関数)。
  2. そのハッシュ値を署名者の秘密鍵で暗号化して署名を作る。
  3. 受信者は署名者の公開鍵(public key)でその署名を復号し、文書のハッシュ値と比較する。
    一致すれば改ざんされていないと判断できます。
よく使われるアルゴリズム例:RSA(公開鍵暗号の一種)、ECDSA(楕円曲線署名)。また、署名と暗号化は組み合わせて使われることが多く、署名で検証、暗号化で機密保持を同時に実現します(例:電子メールで署名+暗号化)。
身近な例え:手紙に「封蝋(ふうろう)」を付けるのは、封が開けられたかどうかを知らせる(検出)手段です。封が割れるのを物理的に止めるわけではありません。

FAQ

Q1: ディジタル署名で文書の内容を秘密にできますか?
A1: できません。内容の秘匿には暗号化が必要です。署名は内容の改ざん検出や送信者の確認に使います。
Q2: 署名があれば送信者は否定できないですか?(非否認性)
A2: 基本的には署名の仕組みにより「署名したのはその秘密鍵を持つ者」と結びつくため、否認しにくくなります。ただし鍵管理がずさんだと否認可能になることがあります。
Q3: 改ざんを完全に防ぎたいときはどうする?
A3: 改ざんの検出に加え、アクセス制御、改ざんできない保管(WORMストレージなど)、通信路の保護(TLSなど)を組み合わせます。

関連キーワード: ディジタル署名、電子署名、公開鍵暗号、ハッシュ関数、整合性、認証、非否認性、暗号化、機密性、改ざん検出
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