ITパスポート 2014年 秋期 問57
問題文
生体認証による入退室管理システムに全社員を登録し、社内の各部屋に入室を許可する社員を設定した。退室は管理していない。a〜dの記述のうち、この入退室管理システムで実現できることだけを全て挙げたものはどれか。
a 権限のある社員だけに入室を許可する。
b 入室者が部屋にいた時間を記録する。
c 入室を試みて、拒否された社員を記録する。
d 部屋にいる人数を把握する。
選択肢
ア:a, b, c
イ:a, c(正解)
ウ:a, d
エ:b, c, d
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生体認証による入退室管理の機能判断【ITパスポート 解説】
正解の理由
設問では「生体認証(biometric authentication:指紋や顔などの身体的特徴で本人を識別する方式)による入退室管理システムに全社員を登録し、社内の各部屋に入室を許可する社員を設定した。退室は管理していない」とあります。ここから次のことが言えます。
- 入室時に本人確認を行い、許可された社員だけを通す仕組みがあるため、選択肢の a(権限のある社員だけに入室を許可する)は実現できます。
- 入室時に認証を行うので、認証に失敗して入室が拒否された記録(ログ)を残すことも通常可能です。したがって選択肢の c(入室を試みて、拒否された社員を記録する)も実現できます。
以上より、選択肢 イ(a, c)が実現できる機能の組み合わせです。
一方、退室が管理されていないため、入室時刻だけでは「部屋にいた時間(滞在時間)を記録する」こと(b)は算出できません。また、現在部屋にいる人数(d)を正確に把握するには入退室の両方の記録か別のセンサーが必要です。したがって b と d はこの条件では実現できません。
解法ステップ
- 問題文の前提を確認:退室は管理していない。
- 「入室時の生体認証で何ができるか」を考える:本人確認・許可判定・認証成功/失敗の記録は可能。
- 各選択肢を前提と照らし合わせる:
- a:入室許可 → 可
- b:滞在時間(入退室の差分) → 退室記録が無ければ不可
- c:認証拒否の記録 → 可(認証で失敗したイベントはログに残る)
- d:部屋にいる人数 → 退室が分からなければ不可(正確な人数把握は不可)
- 可能なものだけを選び、該当する組み合わせを選ぶ(結果:イ)。
選択肢別の誤答解説
- ア: a, b, c
b(入室者が部屋にいた時間を記録する)が含まれているため誤り。入室のみの記録では滞在時間を算出できません。 - イ: a, c
正しい。入室許可と認証失敗の記録は入室側の生体認証で実現可能。 - ウ: a, d
d(部屋にいる人数を把握する)が含まれているため誤り。退室管理が無い状態では正確な人数把握はできません。 - エ: b, c, d
c は可能ですが、b と d は退室記録が無いため不可。よって誤り。
よくある誤解
- 「入室記録(入室時刻)があるから滞在時間も分かる」
→ 入室時刻だけでは、いつ退出したか分からないため滞在時間は計算できません。退出が記録されて初めて「滞在時間 = 退出時刻 − 入室時刻」が求まります。 - 「登録してある社員数=部屋の人数」
→ 登録人数はシステムに登録されたユーザー数です。実際に部屋にいる人数は入退室の実際の出入りに依存します。退室を管理していなければ現在人数は分かりません。 - 「認証失敗は自動的に記録されない」
→ 多くの入室システムは認証成功・失敗のイベントをログに残します。設計によりますが、拒否イベントは記録されることが一般的です。
補足コラム
- 入退室管理システムの一般的なログ:入室時刻、入室者ID、認証方式、認証結果(成功/失敗)、端末ID、タイムスタンプなどが記録されます。
- 退室を管理する方法:退出時に同じ認証を行う、入出ゲートで検知する、カードを使って出る際にもタップする、あるいは人数検知センサー(赤外線やカメラ解析)を組み合わせる方法があります。
- プライバシー注意点:生体情報は非常に機微な個人データです。実際の運用では生体データの扱い(テンプレート化、暗号化、保管期間の設定)に注意が必要です。テンプレートとは、生体そのものを保存せず、認証に使う数値表現に変換したデータのことです。
FAQ
Q1. 入室時刻が記録されているなら、後で退出を手作業で聞けば滞在時間は分かりますか?
A1. 理論的には可能ですが、手作業はミスや未申告が起きやすく正確性に欠けます。自動で退出を記録する仕組みが望ましいです。
A1. 理論的には可能ですが、手作業はミスや未申告が起きやすく正確性に欠けます。自動で退出を記録する仕組みが望ましいです。
Q2. 認証失敗の記録は必ず残りますか?
A2. 多くのシステムは残しますが、設定や運用方針によります。セキュリティ上、失敗ログは監査やアラートに重要です。
A2. 多くのシステムは残しますが、設定や運用方針によります。セキュリティ上、失敗ログは監査やアラートに重要です。
Q3. 部屋の人数はカメラやセンサーで代替できますか?
A3. はい。人数カウントセンサーやカメラ解析を使えば可能です。ただし設置費用やプライバシー配慮が必要です。
A3. はい。人数カウントセンサーやカメラ解析を使えば可能です。ただし設置費用やプライバシー配慮が必要です。
関連キーワード: 生体認証, 入退室管理システム, アクセス制御, ログ管理, 滞在時間計測, 人数検知, テンプレート保護

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