ITパスポート 2014年 春期 問48
問題文
SLAには、サービス提供者とサービス利用者との間で合意されたサービス内容などの取決めを記載する。SLAを取り交わすことによって得られるサービス提供者とサービス利用者双方の利点として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:サービスの実施内容に基づき請求料金の妥当性を証明することができる。
イ:サービスの内容、提供範囲、要求水準に関する共通認識をもつことができる。(正解)
ウ:サービスの内容が不十分な場合に料金の見直しを要求することができる。
エ:サービスの内容に関する過剰な要求を受けることなく業務を遂行できる。
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SLAには、サービス提供者とサービス利用者との間で合意されたサービス内容などの取決めを記載する。SLAを取り交わすことによって得られるサービス提供者とサービス利用者双方の利点として、適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
SLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意書)は、サービスの「何を」「どこまで」「どの水準で」提供するかを文書で合意するものです。これにより、サービス提供者と利用者の間で期待値がはっきりします。選択肢の中では、サービス内容、提供範囲、要求水準に関する共通認識を持てる点が最も直接的かつ双方にメリットがあります。したがって、イが正解です。
ポイント:
- SLAは「合意」として双方で同じ理解を持つための文書です。
- 双方の期待が一致することで、トラブルや認識のずれを減らせます。
解法ステップ
- 問題文で「SLA」の定義を確認する。SLA = Service Level Agreement(サービス提供者と利用者の合意内容を記載)。
- 選択肢が「双方の利点」かどうかを考える。SLAの目的は双方の合意と期待調整である。
- 各選択肢をSLAの目的に照らして比較・消去する。
- 「合意・共通認識」に直接対応するものが最も適切 → イ。
- 他の選択肢が部分的には関係していても、問いが「双方の利点」としてふさわしいかを基準に選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「サービスの実施内容に基づき請求料金の妥当性を証明することができる。」
- 理由:SLAは提供内容と水準を定めますが、「請求料金の妥当性を証明する」ことは主たる目的ではありません。請求の根拠や支払方法は契約書や料金規定で定めるのが一般的です。SLAが補助情報になることはありますが、「証明する」まで直接的に保証するものではありません。
-
イ: 「サービスの内容、提供範囲、要求水準に関する共通認識をもつことができる。」
- 理由:前述の通り、SLAはこれを目的とする文書です。どの機能を提供するか、どのレベルの可用性(例:稼働率)や応答時間を守るかを双方が合意します。双方にとって利益になります。
-
ウ: 「サービスの内容が不十分な場合に料金の見直しを要求することができる。」
- 理由:SLAに「ペナルティ(違約金やサービスクレジット)」が明記されることはありますが、必ずしも「料金の見直しを要求する権利」が自動的に発生するわけではありません。料金見直しは別途の契約交渉や条項が必要です。つまり「できる」と断定するのは誤りです。
-
エ: 「サービスの内容に関する過剰な要求を受けることなく業務を遂行できる。」
- 理由:これは主にサービス提供者側の利点に近い主張です(提供者が範囲外の要求を断りやすくなる)。しかし問題は「双方の利点」として適切かどうかであり、双方に等しく利点があるとは言いにくい点で不適切です。
よくある誤解
- 誤解1:SLAは「料金や支払い方法」を決める文書だと思う
- 解説:料金の取決めは契約書や価格表が主です。SLAはサービスの性能や提供範囲、可用性(稼働率)など品質面を定めます。料金は補足的に関わることはありますが主目的ではありません。
- 誤解2:SLAに書けば何でも保証されると考える
- 解説:SLAは合意の枠組みですが、計測方法や例外(天災などの不可抗力)も記載されます。条項によっては補償が限定されるため、内容をよく読む必要があります。
- 誤解3:SLAは提供者だけを守る書類だと思う
- 解説:SLAは双方の期待を一致させ、利用者が受けられるサービスレベルを明確にすることで利用者も保護します。双方にメリットがあります。
補足コラム
-
SLAの典型的な項目
- サービス内容(何を提供するか)
- 提供範囲(どのユーザー・地域に提供するか)
- 可用性(availability:稼働率やダウンタイムの許容値)
- 応答時間・復旧時間(例:問い合わせに対する初期応答時間)
- 測定方法と報告方法(どの指標で測るか、報告の頻度)
- ペナルティや補償(違反があった場合の対応)
- 連絡窓口・エスカレーション手順
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関連用語(初出時に説明)
- SLI(Service Level Indicator:サービスレベル指標)— 測るための具体的な値(例:平均応答時間)。
- SLO(Service Level Objective:サービス目標)— SLIで定める目標値(例:99.9%の可用性)。
- KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)— 業務全体の成果を測る指標。SLAはKPIと連携することがある。
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例:クラウドサービスでのSLA
- 「可用性99.95%」という目標がSLOで、これを守れなかった場合に月額の一部を返金するというペナルティ条項がSLAに書かれていることがあります。
FAQ
Q1. SLAは法的に拘束力がありますか?
- A1. SLA自体は契約書の一部として交わされれば法的拘束力を持ちます。しかし内容次第で補償や責任範囲が限定されることがあるので、条文の確認が重要です。
Q2. SLAと契約書はどう違いますか?
- A2. 契約書は商取引全般(料金、期間、守秘義務など)を定めます。SLAはその中で「提供するサービスの品質やレベル」に特化して詳細に定める文書です。
Q3. SLA違反があったらすぐに料金を下げられますか?
- A3. すぐに料金を下げられるわけではありません。SLAに違約金やサービスクレジットの規定がある場合は、それに基づいて対応が行われます。交渉が必要な場合もあります。
Q4. 中小企業や個人事業でもSLAは必要ですか?
- A4. 必須ではありませんが、サービスの品質や責任範囲を明確にするためには有用です。特に外部に業務を委託する場合はトラブル防止になります。
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