ITパスポート 2015年 秋期 問22
問題文
A社は、単一市場をターゲットとして複数の製品を提供しており、毎年社内の調査部門が市場の成長率と各製品のシェアを調査している。この調査情報を用いて資源配分の最適化を行うために、製品別の投資計画作成に活用する手法として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:CRM
イ:ERP
ウ:PPM(正解)
エ:SWOT
🔒 解説は解答すると表示されます
製品別の投資計画に用いる手法の選択【ITパスポート 解説】
正解の理由
与えられた条件は「単一市場をターゲットとして複数の製品を提供」「市場の成長率と各製品のシェアを調査」「資源配分の最適化に活用」となっています。これは製品(プロダクト)ごとに、市場の成長率(市場の拡大スピード)と自社製品の市場シェア(占有率)を軸にして投資の優先度を決める手法を指します。こうした手法は製品ポートフォリオマネジメント(PPM:Product Portfolio Management、製品群の管理)の代表例で、特にボストン・コンサルティング・グループの成長率–相対的市場シェアマトリクス(通称 BCGマトリクス)を使うことが一般的です。よって正しい選択肢は ウ です。
(補足:PPM は製品ごとの「投資・維持・撤退」の方針決定に直接使えるため、資源配分の最適化に最も適しています。)
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:
- 「市場の成長率」「各製品のシェア」「資源配分」「製品別の投資計画」など。
- キーワードと各選択肢の意味を照らし合わせる:
- 市場成長率と市場シェアの情報を使って投資配分を決めるのはどの手法かを考える。
- 該当する手法を選ぶ:
- 市場成長率と市場シェアの二軸で製品の位置づけを行い、投資優先度を決めるのは PPM(BCGマトリクス)であると判断する。
短く言えば、「市場成長率 × 市場シェア」で製品ごとの位置を示し、資源配分を決める手法を選べばよいです。
選択肢別の誤答解説
-
ア: CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)
- 顧客情報の管理や顧客との関係強化に用いる仕組みです。顧客の購買履歴や問い合わせ管理などが主目的で、製品別の投資配分を決めるための市場成長率とシェアの分析には直接使いません。
-
イ: ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)
- 会計・人事・在庫など企業内の業務を統合的に管理する仕組みです。業務効率化やデータの一元化が目的で、戦略的な製品ポートフォリオ分析(市場成長率×市場シェア)を行う手法ではありません。
-
ウ: PPM(Product Portfolio Management:製品ポートフォリオマネジメント)
- 市場成長率と市場シェアを使って製品ごとの投資優先度を決める手法です。BCGマトリクスが代表例で、資源配分や投資計画の作成に最適です。したがって本問ではこれが適切です。
-
エ: SWOT(Strengths, Weaknesses, Opportunities, Threats:強み・弱み・機会・脅威)
- 企業や製品の内外環境を整理して戦略を立てるフレームワークです。定性的な分析に優れますが、本問のように「市場成長率と製品シェアという定量指標を用いて、製品別の投資配分を決める」ことに特化した手法ではありません。
よくある誤解
-
「SWOTで十分」
- SWOTは戦略立案の出発点として有効ですが、投資配分の優先度を数値的に示す目的には不向きです。定性的整理のあとに PPM のような定量分析を使う流れが多いです。
-
「PPM = 売上管理ツール」
- PPM(BCGマトリクス)は管理ツールではなく、製品の位置付けと資源配分の意思決定フレームです。実際の売上管理や顧客管理は ERP や CRM の役割です。
-
「市場シェアはいつもそのまま使う」
- PPM では相対的市場シェア(自社シェアを最大競合のシェアで割るなど)で比較する場合が多く、市場の定義や分母の取り方で結果が変わります。単純な数字の比較だけで判断しないことが大切です。
補足コラム
BCGマトリクスの4象限(簡単な投資方針の例)
- 高成長 × 高シェア(花形 / Stars)
→ 成長維持のために投資を拡大。将来的に「金のなる木」になり得る。 - 高成長 × 低シェア(問題児/Question Marks)
→ 成長市場だがシェアが低い。選択的に投資してシェア拡大を狙うか、撤退を検討する。 - 低成長 × 高シェア(金のなる木 / Cash Cows)
→ 市場は成熟しているが既に強い地位がある。過度な投資は不要で利益を確保する。 - 低成長 × 低シェア(負け犬/Dogs)
→ 投資回収が難しいため、事業売却や撤退を検討することが多い。
注意点:
- PPM は単一市場(同じ市場定義)で比較するのが前提です。異なる市場を混ぜると評価が歪みます。
- 定量データ(成長率やシェア)の正確性が結果に直結します。データ取得方法の確認が重要です。
(参考)相対的市場シェアの考え方(簡易式):
FAQ
Q1. PPM と BCGマトリクスは同じですか?
A1. 厳密には PPM は「製品群を管理する考え方」で、BCGマトリクスはその代表的な分析ツールです。問題文の趣旨では同じカテゴリとして扱って差し支えありません。
A1. 厳密には PPM は「製品群を管理する考え方」で、BCGマトリクスはその代表的な分析ツールです。問題文の趣旨では同じカテゴリとして扱って差し支えありません。
Q2. 市場成長率はどの期間で見ればよいですか?
A2. 業界や製品サイクルによりますが、一般的には直近数年(2〜5年)の平均成長率を見ることが多いです。短期変動ではなくトレンドを重視します。
A2. 業界や製品サイクルによりますが、一般的には直近数年(2〜5年)の平均成長率を見ることが多いです。短期変動ではなくトレンドを重視します。
Q3. 複数市場で製品を展開している場合はどうする?
A3. 市場ごとに PPM を作るか、比較するための共通指標に正規化してから分析する必要があります。市場の定義が異なると比較は難しいです。
A3. 市場ごとに PPM を作るか、比較するための共通指標に正規化してから分析する必要があります。市場の定義が異なると比較は難しいです。
関連キーワード: PPM、BCGマトリクス、製品ポートフォリオマネジメント、相対的市場シェア、市場成長率、投資配分、CRM、ERP、SWOT、製品戦略

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

