ITパスポート 2015年 秋期 問29
問題文
プロジェクト開始後、プロジェクトへの要求事項を収集してスコープを定義する。スコープを定義する目的として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:プロジェクトで実施すべき作業を明確にするため(正解)
イ:プロジェクトで発生したリスクの対応策を検討するため
ウ:プロジェクトの進捗遅延時の対応策を作成するため
エ:プロジェクトの目標を作成するため
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プロジェクトのスコープを定義する目的【ITパスポート 解説】
正解の理由
スコープとは「プロジェクトで何を行うか・何を成果物として出すかの範囲(scope:範囲・対象)」を指します。問題文では「要求事項を収集してスコープを定義する」とありますから、スコープ定義の目的は「プロジェクトで実施すべき作業を明確にすること」です。したがって選択肢の中では ア が最も適切です。
スコープ定義によって、どの機能や作業が「対象(in‑scope)」で、どれが対象外(out‑of‑scope)かがはっきりします。これにより、作業漏れや不要な追加作業(スコープクリープ)を防げます。
(用語メモ)
- 要求事項(requirements:利害関係者が求める要素や条件)
- スコープ(scope:プロジェクトの対象範囲)
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「スコープを定義する目的」= scope definition の目的を問う。
- スコープの意味を思い出す:成果物や作業の“範囲”を決めること。
- 選択肢と照合する:範囲を決める目的に合うものを選ぶ。
- 不適切な選択肢を除外する:リスク対応や進捗遅延対応、目標作成は別のプロセスに該当するため除外。
短く言えば、「スコープ = 何をやるか」を定めるので、これに合う選択肢を選びます。
選択肢別の誤答解説
-
ア: プロジェクトで実施すべき作業を明確にするため
→ 正解。スコープ定義の核心です。成果物や作業範囲を具体化します。 -
イ: プロジェクトで発生したリスクの対応策を検討するため
→ 不適切。リスクの発見と対応は「リスク管理(risk management)」のプロセスです。スコープ定義は何を作るかを決める作業で、リスク対応の検討は別途行います。 -
ウ: プロジェクトの進捗遅延時の対応策を作成するため
→ 不適切。遅延時の対応は「スケジュール管理」や「進捗管理」の領域です。スコープ定義は計画の基礎になりますが、遅延時の具体的な対応策を作るための工程ではありません。 -
エ: プロジェクトの目標を作成するため
→ 不適切。プロジェクトの目標(ゴール)はプロジェクト開始時の「目標設定」やプロジェクト憲章(チャーター)で定めることが多いです。スコープはその目標を達成するために「具体的に何をするか」を定めるものです。
よくある誤解
-
「スコープ=目標」と混同する
- 目標は「何を達成したいか」(例:売上を増やす)。スコープは「その目標を達成するために何を作るか・どの作業をするか」です。目標が目的地、スコープが地図や行程に相当します。
-
「スコープ定義でリスクや遅延対応まで決めるべき」と考える
- スコープは主に“何をするか”の決定で、リスク対応や遅延時対策は別の管理プロセスで計画・実行します。役割分担を意識しましょう。
補足コラム
スコープ定義の具体的な成果物には次があります。
- スコープ記述書(Scope Statement):何が成果物か、どこまで含むかを文章で示すもの。
- 作業分解図(WBS:Work Breakdown Structure:作業を小さな単位に分けた図表):スコープを実際の作業に落とし込むために使います。
例:Webサイト制作プロジェクト
- 目標:新商品を紹介して問い合わせを増やす(目標)
- スコープ:トップページ・商品ページ・お問い合わせフォームの作成、スマホ対応、CMS導入(スコープ)
- WBS:デザイン作成、コーディング、テスト、公開手順・・・(作業単位)
また、スコープを明確にしないと「スコープクリープ(範囲の無計画な拡大)」が起きやすく、コスト増・納期遅延の原因になります。変更が発生した場合は、変更管理(Change Control)で影響範囲と費用・日程を評価して承認するプロセスが必要です。
(用語メモ)
- WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構造)
- スコープクリープ(scope creep:範囲の無計画な拡大)
- チェンジコントロール(変更管理)
FAQ
Q1: スコープはプロジェクトのいつ決めるべきですか?
A1: プロジェクト開始直後の計画段階で定義します。要求事項(利害関係者の要望)を収集してから具体化します。
A1: プロジェクト開始直後の計画段階で定義します。要求事項(利害関係者の要望)を収集してから具体化します。
Q2: スコープ定義は誰が担当しますか?
A2: プロジェクトマネージャ(プロジェクトを管理する人)を中心に、利害関係者(顧客、ユーザー、開発者など)と協力して決めます。ステークホルダーの合意が重要です。
A2: プロジェクトマネージャ(プロジェクトを管理する人)を中心に、利害関係者(顧客、ユーザー、開発者など)と協力して決めます。ステークホルダーの合意が重要です。
Q3: スコープとWBSの違いは何ですか?
A3: スコープは「何を達成するか(成果物と範囲)」、WBSは「それを実現するための作業を細かく分けたもの」です。WBSはスコープを実行可能な作業に落とし込むツールです。
A3: スコープは「何を達成するか(成果物と範囲)」、WBSは「それを実現するための作業を細かく分けたもの」です。WBSはスコープを実行可能な作業に落とし込むツールです。
Q4: 要求事項とスコープはどちらが先ですか?
A4: 要求事項(requirements)を収集して、それを基にスコープを定義します。要求事項がスコープの材料になります。
A4: 要求事項(requirements)を収集して、それを基にスコープを定義します。要求事項がスコープの材料になります。
関連キーワード: スコープ管理、要求事項収集、WBS、スコープクリープ、変更管理、プロジェクト計画、リスク管理

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