ITパスポート 2015年 秋期 問63
問題文
CPUのクロック周波数に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:32ビットCPUでも64ビットCPUでも、クロック周波数が同じであれば同等の性能をもつ。
イ:同一種類のCPUであれば、クロック周波数を上げるほどCPU発熱量も増加するので、放熱処置が重要となる。(正解)
ウ:ネットワークに接続しているとき、クロック周波数とネットワークの転送速度は正比例の関係にある。
エ:マルチコアプロセッサでは、処理能力はクロック周波数には依存しない。
🔒 解説は解答すると表示されます
CPUのクロック周波数に関する記述 【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢のうち、イ「同一種類のCPUであれば、クロック周波数を上げるほどCPU発熱量も増加するので、放熱処置が重要となる。」が適切です。
理由は次の通りです。CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)は、電気信号を高速に切り替えて計算を行います。クロック周波数(clock frequency:1秒あたりの信号の繰り返し回数、単位はHz)は、その「切り替えの速さ」を示します。クロック周波数を上げる(より速く切り替える)と、スイッチングに伴う消費電力が増えます。電力の主要な成分は動的消費電力で、概略として
(は消費電力、は回路の容量、は電圧、は周波数)
という式で表されます。周波数が増えるとも増え、結果として発熱量が増えるため、放熱(ヒートシンクやファンなどの冷却)が重要になります。
解法ステップ
- 各選択肢が述べる関係(周波数と性能、発熱、ネットワーク、マルチコア)を一つずつ確認する。
- クロック周波数の基本的な効果(処理スピードに影響するが消費電力・発熱も増える)を思い出す。
- 他の要素(CPUのビット幅、アーキテクチャ、コア数、ネットワーク機器)も性能に影響することを確認する。
- 最も一般的かつ物理的に正しい記述を選ぶ。結果として発熱と放熱に関する記述が妥当であると判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「32ビットCPUでも64ビットCPUでも、クロック周波数が同じであれば同等の性能をもつ。」
- 誤りです。32ビット/64ビットはレジスタ幅や扱えるメモリ空間の違いを示します。さらに、同じ周波数でもアーキテクチャ(命令セットやパイプライン、キャッシュ、IPC=一クロックあたりの命令実行数)が異なれば性能は変わります。したがって周波数だけで同等とは言えません。
-
ウ: 「ネットワークに接続しているとき、クロック周波数とネットワークの転送速度は正比例の関係にある。」
- 誤りです。ネットワークの転送速度はネットワーク機器(ルーター、スイッチ、NIC:Network Interface Cardなど)や回線の帯域、プロトコル、混雑状況に依存します。CPUの周波数が直接的にネットワーク速度を比例的に決めるわけではありません。CPUが処理不足でパケット処理が遅くなることはありますが、「正比例」とは言えません。
-
エ: 「マルチコアプロセッサでは、処理能力はクロック周波数には依存しない。」
- 誤りです。マルチコア(複数のコアを持つCPU)では、同時に複数の処理を行えますが、各コアの処理速度はクロック周波数の影響を受けます。並列化できる処理量が多いとコア数の恩恵が大きいですが、単一スレッドの性能はコアの周波数やアーキテクチャに依存します。したがって「依存しない」は間違いです。
よくある誤解
- クロック周波数が高い=常に速い
- 誤解です。周波数だけでなく、IPC(Instructions Per Cycle:1クロックで何命令処理できるか)、コア数、メモリやキャッシュの性能で実際の速度は左右されます。
- 発熱は周波数だけで決まる
- 部分的な誤解です。周波数は重要ですが、電圧、トランジスタの微細化や負荷状態(アイドル時か最大負荷時か)でも発熱は変わります。さらに冷却環境によって温度の上がり方が変わります。
補足コラム
- 「消費電力・発熱」の考え方は現代のCPU設計で非常に重要です。かつては「クロック競争(GHzレース)」が進みましたが、発熱や消費電力の増大(いわゆるパワーウォール)により、メーカーはコアを増やす方向や省電力技術(ターボブーストのような動的周波数制御、電圧制御)へとシフトしました。これにより、高性能と低消費電力のバランスを取っています。
FAQ
Q1: クロック周波数だけを見ればCPUの性能が分かりますか?
A1: いいえ。周波数は一つの指標ですが、IPC、コア数、キャッシュ容量、メモリ速度、ソフトウェアの並列性など複数要素で性能が決まります。
A1: いいえ。周波数は一つの指標ですが、IPC、コア数、キャッシュ容量、メモリ速度、ソフトウェアの並列性など複数要素で性能が決まります。
Q2: 発熱対策(放熱)は具体的に何をすればよいですか?
A2: ヒートシンク(放熱器)やファンで空気を流す、サーマルペーストで熱伝導を良くする、ノートPCなら排気口をふさがない、必要なら水冷などの方法があります。用途と予算に応じて選びます。
A2: ヒートシンク(放熱器)やファンで空気を流す、サーマルペーストで熱伝導を良くする、ノートPCなら排気口をふさがない、必要なら水冷などの方法があります。用途と予算に応じて選びます。
Q3: 周波数を上げると電圧も上げる必要がありますか?
A3: 多くの場合、安定動作のために高周波数では高めの電圧が必要です。電圧が上がると消費電力はに比例して増えるため、発熱がさらに大きくなります。
A3: 多くの場合、安定動作のために高周波数では高めの電圧が必要です。電圧が上がると消費電力はに比例して増えるため、発熱がさらに大きくなります。
関連キーワード: クロック周波数、発熱、放熱、マルチコア、IPC、消費電力

\ せっかくなら /
ITパスポートを
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

