ITパスポート 2015年 春期 問07
問題文
NDA (Non Disclosure Agreement)の事例はどれか。
選択肢
ア:ITサービスを提供する前に、サービスの提供者と顧客の間で提供されるサービス内容について契約で定めた。
イ:コンピュータ設備の売主が財産権を移転する義務を負い、買主がその代金を支払う義務を負うことについて契約で定めた。
ウ:システム開発などに際して、委託者と受託者間でお互いに知り得た相手の秘密情報の守秘義務について契約で定めた。(正解)
エ:汎用パッケージ導入の委託を受けた者が自己の裁量と責任によって仕事を行い、仕事の完了をもって報酬を受けることについて契約で定めた。
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NDA (Non Disclosure Agreement)の事例はどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
NDA(Non Disclosure Agreement:秘密保持契約。相手の情報を第三者に漏らさない義務を定める契約)は、相手から知り得た「秘密情報」を第三者に開示しないことを取り決める契約です。設問の選択肢のうち、相互の「秘密情報の守秘義務」について契約で定めているのは ウ の記述です。したがって、秘密保持を直接扱っているため ウ が正解になります。
解法ステップ
- 「秘密」「守秘」「開示しない」などのキーワードを探す。NDAはここに該当する。
- 各選択肢がどの契約類型かを短く判断する。例:売買契約、請負契約、サービス提供契約、秘密保持契約。
- 「秘密保護」を明確に扱っているものを選ぶ。選択肢に「秘密情報」「守秘義務」が書かれていればNDAに該当する。
- 相互(双方)か一方かの区別は、設問の表現に従う(相互でも片方向でもNDAの範疇)。
この問題では「お互いに知り得た相手の秘密情報の守秘義務」と明示している ウ が合致します。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「ITサービスを提供する前に、サービスの提供者と顧客の間で提供されるサービス内容について契約で定めた。」
→ これはサービス提供契約(契約書でサービス内容や料金、納期、品質などを定める契約)に当たります。NDAではなく、サービスの範囲や条件を決める内容です。 - イ: 「コンピュータ設備の売主が財産権を移転する義務を負い、買主がその代金を支払う義務を負うことについて契約で定めた。」
→ これは売買契約(物の所有権移転と代金支払いを約する契約)です。秘密保持とは無関係です。 - ウ: 「システム開発などに際して、委託者と受託者間でお互いに知り得た相手の秘密情報の守秘義務について契約で定めた。」
→ 秘密情報の取り扱いと守秘義務を明確に定めているため、NDA(秘密保持契約)に該当します。 - エ: 「汎用パッケージ導入の委託を受けた者が自己の裁量と責任によって仕事を行い、仕事の完了をもって報酬を受けることについて契約で定めた。」
→ これは請負契約(仕事の完成を約し、完成で報酬を得る契約)です。成果物や責任の所在に関する契約で、NDAとは別物です。
よくある誤解
- 「契約書があれば全部NDAだ」と思う誤解:契約書にはさまざまな種類があります。内容(何を定めているか)を見て判断することが重要です。
- 「口頭で『内緒にして』と言えばNDAと同じ」と思う誤解:口頭の約束でも守秘義務が生じる場合はありますが、証拠や範囲の明確さで不利になります。実務では書面のNDAを交わすのが一般的です。
- 「NDAは一方的なものだけ」と思う誤解:NDAには片方向(片方が情報を提供する)と相互(双方が情報を出し合う)の2種類があります。設問は相互型を示しています。
補足コラム
- NDA(秘密保持契約)の主なポイント
- 対象となる「秘密情報」の範囲(技術情報、業務情報、仕様書など)
- 守秘義務の期間(例:契約終了後5年など)
- 除外事項(既に公知の情報、受領側が独自に開発した情報など)
- 違反時の救済(損害賠償、差止請求など)
- 覚え方のコツ:NDAは「No Disclosure Agreement」の頭文字。disclose(ディスクローズ)=「公開する/漏らす」。つまり「漏らさない約束」です。
- 実務例:システム開発の打ち合わせで顧客が業務フローや顧客名簿といった機密情報を開示する場合、開発会社と顧客でNDAを結び、情報の第三者流出を防ぎます。
FAQ
Q. NDAはいつ締結すればよいですか?
A. 機密情報を共有する前に締結するのが基本です。共有後に締結すると、既に漏れている可能性が問題になります。
A. 機密情報を共有する前に締結するのが基本です。共有後に締結すると、既に漏れている可能性が問題になります。
Q. NDAの有効期間はどのくらいですか?
A. 契約次第です。一般的には数年(例:3〜5年)や、特定条件まで(営業機密は長期)などが多いです。
A. 契約次第です。一般的には数年(例:3〜5年)や、特定条件まで(営業機密は長期)などが多いです。
Q. 社員や下請けにも守秘義務を課せますか?
A. はい。通常、受領側は社員や委託先にも同等の管理を行う義務を負います。必要に応じて再委託先にもNDAを課します。
A. はい。通常、受領側は社員や委託先にも同等の管理を行う義務を負います。必要に応じて再委託先にもNDAを課します。
Q. 口頭での約束は有効ですか?
A. 法的には成立し得ますが、範囲や証拠が不明瞭になります。ビジネスでは書面(契約)で明確にすることが推奨されます。
A. 法的には成立し得ますが、範囲や証拠が不明瞭になります。ビジネスでは書面(契約)で明確にすることが推奨されます。
関連キーワード: NDA、秘密保持契約、守秘義務、秘密情報の範囲、請負契約、売買契約、サービス提供契約

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