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ITパスポート 2015年 春期 51


問題文

互換CPUに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

選択肢

オリジナルのCPUで動作するのと同じOSやアプリケーションソフトを動作させることができる。(正解)
オリジナルのCPUの特許が有効な期間は、開発・製造することはできない。
シングルコアCPUに対応する互換CPUは開発されているが、マルチコアCPUに対応する互換CPUは存在しない。
古くなったPCの性能を向上させるために用いられるCPUであり、新製品のPCに採用されることはない。

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互換CPUに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】

正解の理由

正解は の「オリジナルのCPUで動作するのと同じOSやアプリケーションソフトを動作させることができる。」です。
「互換CPU」は、命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture:CPUが理解する命令のルール)が同じであることにより、既存のOSやアプリケーションのバイナリ(実行ファイル)をそのまま実行できることを意味します。たとえば、IntelとAMDのx86系CPUは同じISAを持つため、同じOSやアプリが動きます。したがって「オリジナルと同じソフトを動かせる」という記述が最も適切です。
補足説明:
  • ISA(命令セットアーキテクチャ)は、CPUとソフトウェアの約束事です。これが一致すればバイナリ互換(コンパイル済みのプログラムを変更せず動かせること)になります。
  • 一方で、実際の回路設計や動作方法(マイクロアーキテクチャ:microarchitecture)は異なっても互換性は保てます。違いは性能や消費電力に現れますが、ソフトが動かなくなるわけではありません。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「互換CPU」を確認する。意味は「互換(同じルールで動く)CPU」かを考える。
  2. 「互換」の確認ポイントは命令セット(ISA)が同一かどうか=バイナリ互換があるか。
  3. 選択肢を一つずつ当てはめる。バイナリ互換を満たすものが正しいと判断する。
  4. 明らかに事実と矛盾する文(特許・存在の有無・用途の限定)を除外する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正しい。前述の通り、ISAが同じならOSやアプリをそのまま動かせる(バイナリ互換)。
  • イ: 「オリジナルのCPUの特許が有効な期間は、開発・製造することはできない。」
    • 誤り。特許は一定期間(通常は出願から20年など)排他的権利を与えるため、無許可で製造・販売することは法的に制限されますが、特許が有効な限り「誰でも自由に開発・製造できない」という意味なら近いです。しかし選択肢の書き方があいまいで、さらに「互換CPUの本質」を説明していないため不適切。加えて特許は永遠に効くわけではなく期限が切れれば誰でも作れます。
  • ウ: 「シングルコアCPUに対応する互換CPUは開発されているが、マルチコアCPUに対応する互換CPUは存在しない。」
    • 明確に誤り。マルチコア(複数の演算コアを持つCPU)でもISAが同じであれば互換CPUは存在します。現代のIntel/AMDやARM系プロセッサにはマルチコア互換品が多くあります。
  • エ: 「古くなったPCの性能を向上させるために用いられるCPUであり、新製品のPCに採用されることはない。」
    • 誤り。互換CPUは古いPCのアップグレードに使われる場合もありますが、新製品のPCにも互換CPU(同じISAの最新製品)が採用されます。例えばAMDやIntelの新しい互換CPUは最新PCに標準搭載されています。

よくある誤解

  1. 「互換=全く同じもの」ではない:互換性は命令のルール(ISA)が同じことを指します。内部構造(マイクロアーキテクチャ)や性能、消費電力は異なり得ます。
  2. 「互換CPUなら形もソケットも同じ」ではない:バイナリ互換とピン配置(ソケット)互換は別です。同じISAでも物理的に差し替えられない場合があります(BIOS/UEFIやソケットの違い)。
  3. 「特許があるから絶対に作れない」ではない:特許は期限付きの独占権です。期限が切れたりライセンス契約を結べば製造可能です。

補足コラム

  • 具体例:x86系ではIntelとAMDが互換関係にあります。両社のCPUは同じISA(x86)により同じOS/アプリを動かせますが、内部設計や性能は異なります。
  • ARM系では、ARM Holdings(現Arm)がISAを設計し、他社がライセンスを受けて互換CPUを作ります。スマホ用CPUは多くがARM互換です。
  • 移行の例:AppleはIntel(x86)から自社のARM系(Apple Silicon)に移行しました。この際、元のx86用アプリを動かすために「エミュレーション(emulation:ある環境を別の環境で真似して動かすこと)」で対応する仕組み(Rosetta)を使いました。これはバイナリ互換がない場合に使う方法です。

FAQ

Q1. 互換CPUは必ずソケットに差し替えて使えるのですか?
A1. いいえ。バイナリ互換(同じOS/アプリが動く)と物理的互換(ソケットやチップセットが同じ)は別です。差し替えにはソケット・BIOS/UEFI・電力仕様の確認が必要です。
Q2. 互換CPUだと性能は同じですか?
A2. 同じではありません。命令は同じでも、実装(マイクロアーキテクチャ)の違いで処理速度や消費電力は変わります。
Q3. 互換CPUを無断で作ると違法ですか?
A3. 他者の特許が有効な場合、無断で製造・販売するのは特許侵害になります。ただし特許には期限があり、期限後は自由に作れます。ライセンスで合法化する方法もあります。

関連キーワード: 互換CPU、ISA(命令セットアーキテクチャ)、バイナリ互換、x86、ARM、マイクロアーキテクチャ、ソケット、エミュレーション、Rosetta, BIOS/UEFI
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