ITパスポート 2015年 春期 問53
問題文
ISMSにおけるセキュリティリスクへの対応には、リスク移転、リスク回避、リスク受容及びリスク低減がある。リスク回避に該当する事例はどれか。
選択肢
ア:セキュリティ対策を行って、問題発生の可能性を下げた。
イ:問題発生時の損害に備えて、保険に入った。
ウ:リスクが小さいことを確認し、問題発生時は損害を負担することにした。
エ:リスクの大きいサービスから撤退した。(正解)
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ISMSにおけるリスク対応の事例判断【ITパスポート 解説】
正解の理由
ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)で言う「リスク回避(Risk avoidance:危険を避けること)」は、問題が発生し得る原因そのものを取り除くか、危険な活動をやめることでリスクをなくす対応です。選択肢の中でリスクそのものを無くす行為に当たるのは、リスクの大きいサービスから撤退する行為です。したがって、エが正解です。
(簡単にまとめると:撤退=危険源を断つ=回避)
解法ステップ
- 問題文に出てくる4つの対応を定義で整理します。
- リスク移転(Risk transfer):損失を第三者に移す(例:保険をかける)。
- リスク回避(Risk avoidance):危険な活動をやめる/そもそも行わない。
- リスク受容(Risk acceptance):起きた損失を自分で受け入れる。
- リスク低減(Risk reduction / mitigation):発生確率や影響を小さくする対策をする。
- 各選択肢を上の定義に当てはめます。
- 「危険源を無くす」行為があれば、それが回避に当たると判断します。
- その結果、サービスから撤退する選択肢が回避に該当するため正解とします。
選択肢別の誤答解説
-
ア: セキュリティ対策を行って、問題発生の可能性を下げた。
→ これはリスク低減(リスクを小さくする)です。問題の元を無くすのではなく、発生確率や影響を下げています。よって回避ではありません。 -
イ: 問題発生時の損害に備えて、保険に入った。
→ これはリスク移転(損害を保険会社に移す)です。損害の負担先を変える対応で、回避とは異なります。 -
ウ: リスクが小さいことを確認し、問題発生時は損害を負担することにした。
→ これはリスク受容(リスクを許容して損害を負う)です。対策を講じず自ら受け入れる選択です。 -
エ: リスクの大きいサービスから撤退した。
→ これはリスク回避(危険な活動をやめる)です。リスクの原因となる業務自体をやめるので、発生を根本から防ぎます。
よくある誤解
-
「保険に入る=リスク回避」と考える誤解
- 保険は損害の支払い先を変えるだけで、リスクそのもの(発生可能性や影響)を減らすわけではありません。よって移転です。
-
「対策をして発生確率が下がれば回避だ」と考える誤解
- 対策で確率や影響を下げるのはリスク低減です。回避は活動自体をやめることを指します。
-
「何もしない=回避」と思う誤解
- 何もしないで損害を受け入れるのはリスク受容。回避とは逆でリスクを受け入れる行為です。
補足コラム
-
覚え方のコツ(英語の語感を使う)
- Avoid(回避)→ Aで止める(Actionを止める)と覚えるとよいです。
- Transfer(移転)→ 運ぶ(transfer)から誰かに渡すイメージ。
- Accept(受容)→ 受け入れること。
- Reduce / Mitigate(低減)→ 小さくするイメージ。
-
実務での使い分け例
- 新サービスが法規制で危険なら「撤退(回避)」。
- サービスは続けたいがリスクが高い場合は「対策を強化(低減)」。
- 対策費が高すぎるが損害が限定的なら「自己負担する(受容)」。
- 起きたときの経済的負担が大きければ「保険で移転(移転)」。
FAQ
Q1. 保険はリスクをゼロにできますか?
A1. いいえ。保険は経済的損失をカバーしますが、事故自体の発生を防ぐわけではありません。発生確率や影響そのものを減らす方法ではありません。
A1. いいえ。保険は経済的損失をカバーしますが、事故自体の発生を防ぐわけではありません。発生確率や影響そのものを減らす方法ではありません。
Q2. リスク回避はいつ選ぶべきですか?
A2. リスクが許容できないほど大きく、対策や移転が非現実的(コストや法的制約が高い)な場合に選ばれます。撤退や中止は最終手段に近いですが有効です。
A2. リスクが許容できないほど大きく、対策や移転が非現実的(コストや法的制約が高い)な場合に選ばれます。撤退や中止は最終手段に近いですが有効です。
Q3. 回避と低減のどちらを優先すべきですか?
A3. 原則は状況により判断します。まずリスク評価を行い、回避が可能で妥当なら回避を検討します。撤退が難しい場合は低減や移転で対応します。
A3. 原則は状況により判断します。まずリスク評価を行い、回避が可能で妥当なら回避を検討します。撤退が難しい場合は低減や移転で対応します。
関連キーワード: ISMS、リスク管理、リスク移転、リスク回避、リスク受容、リスク低減、情報セキュリティ、セキュリティ対策、保険、サービス撤退

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