ITパスポート 2015年 春期 問64
問題文
システムや機器の信頼性に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:機器などに故障が発生した際に、被害を最小限にとどめるように、システムを安全な状態に制御することをフールプルーフという。
イ:高品質・高信頼性の部品や素子を使用することで、機器などの故障が発生する確率を下げていくことをフェールセーフという。
ウ:故障などでシステムに障害が発生した際に、システムの処理を続行できるようにすることをフォールトトレランスという。(正解)
エ:人間がシステムの操作を誤らないように、又は、誤っても故障や障害が発生しないように設計段階で対策しておくことをフェールソフトという。
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システムや機器の信頼性に関する記述【ITパスポート 解説】
正解の理由
選択肢ウは「故障などでシステムに障害が発生した際に、システムの処理を続行できるようにすること」と述べています。これはフォールトトレランス(fault tolerance:故障を許容して継続動作させる設計)の定義そのものです。
フォールトトレランスとは、部品や機能の一部が故障しても、冗長(よじゅう:同じ機能を複数用意すること)や切替えなどでシステム全体が動き続ける仕組みを指します。したがって、選択肢ウが適切です。
フォールトトレランスとは、部品や機能の一部が故障しても、冗長(よじゅう:同じ機能を複数用意すること)や切替えなどでシステム全体が動き続ける仕組みを指します。したがって、選択肢ウが適切です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「処理を続行できるようにする」→「故障があっても動き続ける」ことを表す用語を探す。
- 用語の意味を確認する:
- フォールトトレランス(fault tolerance):故障があっても継続動作させる仕組み。
- フェールセーフ(fail-safe):故障時に安全な状態にする仕組み。
- フールプルーフ(foolproof):人の誤操作を防ぐ設計。
- 選択肢と用語の意味を照合して、最も合致するものを選ぶ→ウ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 「機器などに故障が発生した際に、被害を最小限にとどめるように、システムを安全な状態に制御することをフールプルーフという。」
誤りです。フールプルーフ(foolproof:人や操作ミスに対して安全にする設計)は主に人の誤操作を防ぐことを指します。故障時に安全な状態にするのはフェールセーフ(fail-safe)です。 -
イ: 「高品質・高信頼性の部品や素子を使用することで、機器などの故障が発生する確率を下げていくことをフェールセーフという。」
誤りです。高品質部品で故障確率を下げる行為は「信頼性向上」や「品質改善」と表現します。フェールセーフは故障が起きた際に安全側に停止・遷移させる設計です(故障を未然に防ぐこと自体ではありません)。 -
ウ: 「故障などでシステムに障害が発生した際に、システムの処理を続行できるようにすることをフォールトトレランスという。」
正しい説明です。フォールトトレランスは冗長化やフェイルオーバー(故障時に自動的に別の装置に切り替える仕組み)等でサービスを継続します。 -
エ: 「人間がシステムの操作を誤らないように、又は、誤っても故障や障害が発生しないように設計段階で対策しておくことをフェールソフトという。」
誤りです。人の操作ミスを防ぐ設計はフールプルーフです。フェールソフト(fail-soft)は一部機能を制限してでも動作を続ける「機能低下して継続する」方式で、フォールトトレランスに近い概念ですが意味が異なります。
よくある誤解
- フェールセーフとフォールトトレランスを混同する
- フェールセーフは「故障時に安全な状態(停止や安全側へ移行)にする」こと。
- フォールトトレランスは「故障があっても動きを続ける」こと。目的が異なります。
- 「高品質部品を使う=フェールセーフ」と思う誤り
- 品質向上は故障確率を下げますが、故障が起きた際の挙動(安全停止 or 継続)を決めるのは設計方針です。
- フールプルーフとフェールソフトの混同
- フールプルーフは人の誤操作対策。フェールソフトは障害時に機能を落として継続する方針です。
補足コラム
関連する用語を簡単に整理します(初出時に英語原語と意味を添えます)。
- フォールトトレランス(fault tolerance:故障許容)
故障が発生しても機能を維持する設計。冗長化や自動切替えが代表例。例:サーバの二重化で片方が故障してもサービス継続。 - フェールセーフ(fail-safe:故障安全)
故障時に人や機械の被害を小さくするため、安全な状態に遷移・停止する設計。例:エレベーターが異常時に停止して扉をロックする。 - フールプルーフ(foolproof:誤操作防止)
ユーザーが誤操作しにくい・誤操作しても被害が生じない設計。例:コネクタの向きが一方向にしか差せない構造。 - フェールソフト(fail-soft:機能低下継続)
一部機能を切り落としてでも動作を続ける方式。フォールトトレランスの一種と考えられるが、完全な冗長性はない場合もある。 - 冗長性(redundancy:余剰)
代わりの部品や回路を用意して故障時に切り替える考え方。例:RAIDでのミラーリング、電源ユニットの二重化。 - 可用性(availability:利用可能性)
システムが正常に使える割合。フォールトトレランスや保守性の向上で高められます。
実例:
- 航空機:複数の油圧系統や飛行制御装置を持ち、1系統が故障しても飛行を継続できる→フォールトトレランス。
- 信号機:故障時にすべて消灯ではなく点滅して事故を防ぐ→フェールセーフ的な対応。
FAQ
Q1: フォールトトレランスとフェールソフトは同じですか?
A1: 完全に同じではありません。フォールトトレランスは故障があっても通常どおりの機能を維持することを目指す概念です。一方、フェールソフトは一部機能を削ってでもシステムを継続する「機能低下での継続」です。設計によって使い分けます。
A1: 完全に同じではありません。フォールトトレランスは故障があっても通常どおりの機能を維持することを目指す概念です。一方、フェールソフトは一部機能を削ってでもシステムを継続する「機能低下での継続」です。設計によって使い分けます。
Q2: フェールセーフは止めることだけですか?
A2: 多くは「安全側へ移行・停止」ですが、安全な別動作に切り替える場合もあり、必ず完全停止とは限りません。
A2: 多くは「安全側へ移行・停止」ですが、安全な別動作に切り替える場合もあり、必ず完全停止とは限りません。
Q3: 日常で見かけるフォールトトレランスの例は?
A3: データセンターのサーバ二重化、RAIDによるディスクミラー、ノートPCのデュアルストレージ(SSD+HDD)などがあります。
A3: データセンターのサーバ二重化、RAIDによるディスクミラー、ノートPCのデュアルストレージ(SSD+HDD)などがあります。
関連キーワード: 信頼性、フォールトトレランス、フェールセーフ、フールプルーフ、冗長性、可用性

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