ITパスポート 2015年 春期 問78
問題文
受け取ったデータが改ざんされていることを検知するのに使われる技術はどれか。
選択肢
ア:圧縮
イ:ディジタル署名(正解)
ウ:パスワード認証
エ:フィルタリング
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受け取ったデータが改ざんされていることを検知するのに使われる技術はどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
受け取ったデータが「改ざんされているかどうか」を検知するには、データの「整合性(変わっていないこと)」を確認できる仕組みが必要です。イのディジタル署名(digital signature:電子的にデータの作成者と改ざんの有無を検証する技術)は、送信側がデータの要約(ハッシュ)に自分の秘密鍵で署名し、受信側が送信側の公開鍵でその署名を確かめます。署名が正しい=ハッシュ値が一致する、ということはデータが途中で改ざんされていないことを意味します。したがって、改ざん検知に適しているのはイです。
(補足用語)
- ディジタル署名:電子的に「送信者の本人性」と「データが改ざんされていないこと」を保証する技術。
- ハッシュ関数:入力データから固定長の特徴値(要約)を作る関数。わずかな変更でも大きく変わる性質がある。
- 公開鍵暗号(public-key cryptography):「秘密鍵」と「公開鍵」というペアを使う暗号方式。秘密鍵で署名し、公開鍵で検証する仕組みで使われる。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「改ざんを検知」。これは「データが途中で変えられたかどうかを見つける」こと。
- 各選択肢が何をする技術かを簡単に思い出す。
- 圧縮:データのサイズを小さくする。
- ディジタル署名:データの作成者と改ざん有無を検証できる。
- パスワード認証:本人かどうかを確認する(アクセス制御)。
- フィルタリング:不要・有害な情報を除く処理。
- 「改ざん検知」に直接結びつくのはデータの整合性を保証するもの、つまりディジタル署名であると判断する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 圧縮
圧縮はデータのサイズを小さくする処理です。圧縮自体には「改ざんされているか」を検知する機能はありません。圧縮後に差異があるかは分かっても、改ざんかどうかの証明にはならないため誤りです。 -
イ: ディジタル署名(正解)
送信側がデータのハッシュ(要約)を作り、秘密鍵で署名します。受信側は送信側の公開鍵で署名とデータのハッシュを照合します。署名が一致すれば改ざんされていないと検知できます。よって正解です。 -
ウ: パスワード認証
パスワード認証は「誰がアクセスしているか」を確認する仕組みです。本人確認(認証)には使えますが、受け取ったデータ自体が途中で変えられたかどうかを検知する目的には直接使えません。したがって誤りです。 -
エ: フィルタリング
フィルタリングは特定の条件に合うデータを除外する処理(例:迷惑メールフィルタ)。改ざん検知のための仕組みではないため誤りです。
よくある誤解
-
「暗号化すれば改ざんも分かる」と思う
暗号化はデータの内容を第三者に読まれないようにする技術です。暗号化だけでは改ざんの有無を検知できない場合があります。改ざん検知にはハッシュや署名が必要です。 -
「パスワードで受信データの整合性が分かる」と思う
パスワードは利用者の認証に使います。送られてきたファイル自体が改ざんされたかどうかを示すものではありません。 -
「ハッシュだけでも十分」と考える
ハッシュ関数は改ざん検知に使えますが、送信側が本当に正しい人かを保証するには、ハッシュに署名(秘密鍵で暗号化)する必要があります。単にハッシュ値を別途送るだけでは第三者がハッシュを書き換えてしまう可能性があります。
補足コラム
ディジタル署名は実務でもよく使われます。たとえば会社間で契約書をPDFでやり取りするとき、署名が付いていれば「送信者が確かで、途中で改ざんされていない」ことが確認できます。署名は一般に以下の手順で作られます。
- 元データからハッシュ値 を作る(ハッシュ関数)。
- 送信者が自分の秘密鍵で に署名する(暗号処理)。
- 受信者は送信者の公開鍵で署名を検証し、得られたハッシュと受け取ったデータのハッシュを比較する。
この流れにより、改ざん検知と送信者の真正性確認が同時に行えます。電子証明書(certificate:公開鍵が正当な所有者のものだと証明する仕組み)と組み合わせて信頼性を高めます。
用語の語呂合わせのコツ:署名(sign)→「サインする=本人が書く」、だからディジタル署名は「電子的なサイン」と覚えるとよいです。
FAQ
Q1: ハッシュ関数だけで改ざんは検知できないのですか?
A1: ハッシュ自体は改ざん検知に役立ちますが、ハッシュ値を安全に伝えられなければ第三者にハッシュを差し替えられる危険があります。そこでハッシュに送信者の秘密鍵で署名する(ディジタル署名)ことで安全に改ざん検知できます。
A1: ハッシュ自体は改ざん検知に役立ちますが、ハッシュ値を安全に伝えられなければ第三者にハッシュを差し替えられる危険があります。そこでハッシュに送信者の秘密鍵で署名する(ディジタル署名)ことで安全に改ざん検知できます。
Q2: ディジタル署名と電子署名は同じですか?
A2: 日常語ではよく同じ意味で使われますが、厳密には技術的な「ディジタル署名」は公開鍵暗号を使った方式を指します。法律やサービスによって定義が異なることがあります。
A2: 日常語ではよく同じ意味で使われますが、厳密には技術的な「ディジタル署名」は公開鍵暗号を使った方式を指します。法律やサービスによって定義が異なることがあります。
Q3: 改ざん検知にはどんなアルゴリズムが使われますか?
A3: ハッシュ関数(例:SHA-256)と署名アルゴリズム(例:RSA、ECDSA)が組み合わされるのが一般的です。
A3: ハッシュ関数(例:SHA-256)と署名アルゴリズム(例:RSA、ECDSA)が組み合わされるのが一般的です。
関連キーワード: ディジタル署名、ハッシュ関数、公開鍵暗号、電子証明書、改ざん検知、整合性検証

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