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ITパスポート 2015年 春期 83


問題文

PCのブラウザでURLが “https://” で始まるサイトを閲覧したときの通信の暗号化に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

PCからWebサーバへの通信だけが暗号化される。
WebサーバからPCへの通信だけが暗号化される。
WebサーバとPC間の双方向の通信が暗号化される。(正解)
どちらの方向の通信が暗号化されるのかは、Webサーバの設定による。

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PCのブラウザでURLが “https://” で始まるサイトを閲覧したときの通信の暗号化【ITパスポート 解説】

正解の理由

URLが「https://」で始まる場合、これは「HTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure:安全なHTTP)」です。HTTPSは通信の安全を確保するために「TLS(Transport Layer Security:通信を保護する仕組み)」(かつての名前はSSL)を使います。TLSの仕組みでは、ブラウザ(PC側)とWebサーバの間で暗号化された通信路(セッション)が確立され、そのセッション上のデータは双方向(PC→サーバ、サーバ→PC)の両方で暗号化されます。したがって、通信の両方向が守られるため、選択肢のうち正しいのは (WebサーバとPC間の双方向の通信が暗号化される)です。
(かみ砕き例:封筒に入れた手紙を送り合うようなもので、送る側も受け取る側も封筒で守られているイメージです。)

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認:「https://」に注目する。
  2. 「https://」はHTTPSであることを思い出す。初出であれば「HTTPS = HTTP を TLS で保護したもの」と理解する。
  3. TLSの基本動作を思い出す:通信開始時に鍵を決める(ハンドシェイク)→共通の暗号鍵でその後の通信を暗号化する。
  4. ハンドシェイクと鍵生成の後は、PCからサーバへのデータも、サーバからPCへのデータも同じセッション鍵で暗号化されるため、双方向の暗号化が行われる。
  5. よって「双方向が暗号化される」を選ぶ()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「PCからWebサーバへの通信だけが暗号化される。」
    誤り。HTTPS/TLSは片方向だけを守る仕組みではありません。セッションを確立すると、その後の送受信は共通の暗号鍵で暗号化されます。
  • イ: 「WebサーバからPCへの通信だけが暗号化される。」
    誤り。こちらも同様に片方向のみを暗号化するという誤解です。送信と受信の両方が暗号化されます。
  • ウ: 「WebサーバとPC間の双方向の通信が暗号化される。」
    正しい。HTTPS/TLSではクライアントとサーバ間の送受信が暗号化されます。したがって通信の盗聴や改ざんを防ぐ効果があります。
  • エ: 「どちらの方向の通信が暗号化されるのかは、Webサーバの設定による。」
    誤り。サーバ設定でHTTPSを有効/無効にすることはあります(HTTPSを使うか否か)が、一旦TLSで接続が確立されれば、暗号化は双方向に適用されます。サーバが片方向だけ暗号化する、という仕組みは通常ありません。

よくある誤解

  1. 「HTTPSは送信(フォーム入力)だけを守る」
    → 実際は送受信の両方を暗号化します。例えばページのHTMLや画像も暗号化されて届きます(ただしページ内にHTTPの画像が混在するとその部分は暗号化されないことがあります=混在コンテンツ)。
  2. 「鍵交換が終われば暗号化は不要」
    → 鍵交換(ハンドシェイク)は暗号化された通信のための準備です。ハンドシェイクでセッション鍵を作成し、その後のデータはその鍵で暗号化され続けます。
  3. 「ブラウザの鍵マーク=完全に安全」
    → 鍵マークは通信路が暗号化されていることを示しますが、表示されてもサイト自体の信頼性(詐欺サイトでないか)や端末の安全性は別問題です。

補足コラム

  • TLSの仕組み(ざっくり)
    1. クライアント(ブラウザ)とサーバが「こんにちは(互いの対応する暗号方式)」を確認する。
    2. サーバは証明書(そのサイトが本物であることを示すデジタルな身分証)を提示する。証明書の発行元は信頼できる認証局(CA)です。
    3. 鍵の受け渡し(公開鍵暗号)で安全にセッション鍵を決める。
    4. 以降は高速な共通鍵(対称鍵)でデータを暗号化して送受信する。
  • 注意点
    • DNS(ドメイン名の問い合わせ)やブラウザの履歴は別に保護されないことがあります(DNSは暗号化されていない場合もある)。
    • ページ内にHTTPの要素があるとそこだけ暗号化されない(混在コンテンツ)。
    • 「SSL」は古い呼び名で、現在は「TLS」が標準。日常では混同されることが多いです。

FAQ

Q1: HTTPSだと盗聴は完全に防げますか?
A1: 通信の盗聴や途中での改ざんは大幅に防げますが、端末がウイルスに感染している、サイト自体が悪意あるもの、あるいは証明書が偽造されるなどのリスクは別途あります。
Q2: ブラウザのアドレスバーの鍵アイコンがない場合はどうする?
A2: 鍵アイコンがない=HTTPSで接続されていない可能性があります。重要な情報を送る前にURLが「https://」か確認してください。
Q3: 「https://」以外に暗号化する方法はありますか?
A3: VPN(Virtual Private Network:公衆ネットワーク上に仮想の専用線を作る技術)や、DNS over HTTPS/DoT(DNSクエリの暗号化)など別の保護手段もあります。目的に応じて使い分けます。
Q4: SSLとTLSは違いますか?
A4: 技術的にはTLSが後継で安全です。一般的な会話では「SSL/TLS」や単に「SSL」と呼ばれることが多いですが、現代ではTLSが使われています。

関連キーワード: HTTPS、TLS、暗号化、ハンドシェイク、証明書、混在コンテンツ、公開鍵暗号、対称鍵、フィッシング対策、通信の機密性
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