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ITパスポート 2016年 秋期 32


問題文

データベース化された顧客情報を活用し、優良顧客を抽出する方法として、適切なものはどれか。

選択肢

3C分析
RFM分析(正解)
SWOT分析
バリューチェーン分析

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優良顧客の抽出方法【ITパスポート 解説】

正解の理由

データベース化された顧客情報から「優良顧客」を抽出するには、購買履歴の「新しさ」「頻度」「金額」を使って評価する方法が実務で使われます。これがRFM分析です。RFMはそれぞれ Recency(最新購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(累計購入金額)の頭文字です。これらは全て顧客の取引データ(データベースにある情報)から直接計算できます。したがって、選択肢の中では が最も適切です。
  • Recency(最新購買日):いつ最後に買ったか。最近買っている顧客は関心が高いと判断できます。
  • Frequency(購買頻度):どれだけ頻繁に買っているか。頻繁に買う顧客はロイヤルティが高い可能性がある。
  • Monetary(購買金額):どれだけお金を使っているか。収益に直接関係します。
RFMは単純で実運用しやすく、データベースにある取引データだけで優良顧客を抽出できるため、本問の条件に合致します。

解法ステップ

以下は実際にデータベース(顧客の購買履歴)を使ってRFM分析で優良顧客を抽出する手順です。
  1. 必要データを準備する
    • 顧客ID、購入日、購入金額が基本です。
    • 返品・キャンセル情報がある場合は除外または調整します。
  2. 各顧客についてR, F, Mを算出する
    • R(Recency):基準日から最後の購入日までの日数(小さいほど良い)。
    • F(Frequency):一定期間内の購入回数(多いほど良い)。
    • M(Monetary):一定期間内の総購入金額(大きいほど良い)。
    例(SQL(Structured Query Language:データベース操作言語)で集計):
    SELECT
      customer_id,
      MAX(purchase_date) AS last_date,
      COUNT(*) AS freq,
      SUM(amount) AS monetary
    FROM purchases
    WHERE purchase_date >= DATE_SUB(CURRENT_DATE, INTERVAL 1 YEAR)
    GROUP BY customer_id;
    
  3. スコアリング(例:1〜5点)に変換する
    • Rは「日数が短いほど高得点」、F・Mは「数値が大きいほど高得点」にする。
    • 各項目をクォンタイル(上位20%を5点、次20%を4点…)で分ける方法がよく使われます。
  4. 総合スコアを作る
    • 単純合計:
    • 重み付け:(例:
    • スコアの高い順に並べ、上位何%を「優良顧客」と判定します。
  5. 抽出結果の活用と検証
    • マーケティング施策(優先的なDM、特典付与)に利用。
    • 一定期間後に施策の反応(購入の増減)を見て閾値や重みを調整します。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 3C分析
    • 3Cは Company(自社)、Customer(顧客)、Competitor(競合)の視点で戦略を立てるフレームワークです。企業戦略作りに有効ですが、個々の顧客をデータベースから選び出す手法ではありません。
  • : RFM分析
    • (正解)データベースの購買履歴から優良顧客を直接評価・抽出できます。
  • ウ: SWOT分析
    • SWOTは Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を整理する経営分析手法です。組織や事業の戦略分析には向きますが、顧客抽出には使いません。
  • エ: バリューチェーン分析
    • バリューチェーン分析は製品やサービスの提供過程(仕入れ→製造→販売など)で価値を生む活動を分析するものです。顧客を抽出するための方法ではありません。

よくある誤解

  1. 「RFMは高額購入(M)がすべて」
    • 高い金額は重要ですが、最近買っていない顧客や長期間買っていない顧客は再活性化が難しいこともあります。業種によって重要度が変わるので重み付けが必要です。
  2. 「RFMは小売だけの手法」
    • 実際にはサブスクリプションやBtoB(企業間取引)でも応用可能です。購買の定義を「契約更新」や「利用頻度」に置き換えれば使えます。
  3. 「スコア化すれば完璧」
    • データの欠損、返品、キャンセル、季節性などを考慮しないと誤った抽出になります。必ず検証と調整を行ってください。

補足コラム

  • RFMとCLVの違い
    • CLV(Customer Lifetime Value:顧客生涯価値)は将来の純利益を見積もる指標です。RFMは現在の行動でセグメントを作るのに向き、CLVは投資対効果(どの顧客に投資すべきか)を判断するときに使います。両方を組み合わせるとより精度の高い施策が可能です。
  • 自動化・拡張
    • RFMスコアを機械学習(例:クラスタリングのK-means)で細かくセグメント化する方法もあります。K-means(ケイミーンズ:データを似たものごとに自動でグループ化する手法)を使うと、人の目で見落とす特徴をつかめます。
  • 個人情報・ルールの注意
    • 顧客データを扱う際は、個人情報保護法や社内ルールに従ってください。EUのGDPR(General Data Protection Regulation:個人データ保護規則)など国際的な規制もあります。

FAQ

Q1. RFMで何段階に分ければよいですか?
A1. 1〜5点(5段階)が一般的です。分解能を上げるときは7段階や10段階もありますが、運用のしやすさを優先してください。
Q2. 期間はどれくらい見ればよいですか?
A2. 業種と購買サイクルによります。日用品なら直近半年〜1年、耐久財なら数年を見ることもあります。
Q3. 購入以外の行動(Web閲覧、カート放棄)は使えますか?
A3. 使えます。RFMは購買データに特化していますが、Web行動などを加えたスコアリングで精度向上できます。
Q4. 導入に高度な分析スキルは必要ですか?
A4. 基本集計と簡単なスコアリングならデータベースと表計算ソフトで可能です。精度向上や自動化は分析スキルが役立ちます。

関連キーワード: RFM、顧客分析、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)、LTV(顧客生涯価値)、セグメンテーション、データベースマーケティング、CLV、K-means、SQL
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