ITパスポート 2016年 春期 問56
問題文
ブラウザとWebサーバ間の通信プロトコルを、HTTPからHTTPSに変更した。これによって実現できることとして、適切なものはどれか。
選択肢
ア:クライアントPCとWebサーバ間の通信速度の向上
イ:コンピュータウイルス感染の防止
ウ:通信の機密性の確保(正解)
エ:ブラウザの表示速度の向上
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ブラウザとWebサーバ間の通信プロトコルを、HTTPからHTTPSに変更した【ITパスポート 解説】
正解の理由
HTTP(HyperText Transfer Protocol:ウェブのデータをやり取りする規約)をHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure:HTTPに暗号化・認証を加えたもの)に変えると、通信の内容が暗号化されます。暗号化とは、第三者が途中で通信を盗み見ても元の内容を読めないように変換することです。これにより、平文(そのままのデータ)のまま送られるHTTPに比べて、メールアドレスやパスワード、クレジットカード番号などの機密情報が外部に漏れにくくなります。
したがって、選択肢の中では ウ「通信の機密性の確保」が実現できます。HTTPS は暗号化に加え、サーバが本物であることを証明する「サーバ証明書(公開鍵証明書)」(証明機関:CA=Certification Authority が発行)を使うため、なりすましや改ざんの防止にも役立ちます。
※ 技術的には TLS(Transport Layer Security:通信を安全にする仕組み。旧称 SSL)というプロトコルで暗号化・認証を行います。
解法ステップ
- 問題文の変更点を確認:HTTP → HTTPS にした、つまり「通信が暗号化される」ことを想起する。
- 各選択肢と照らし合わせる:暗号化で実現できることは何か(機密性や改ざん防止、認証)。
- 暗号化で直接実現できないもの(速度向上やウイルス感染防止)を除外する。
- 残ったものが正解。ここでは通信内容を守る「機密性の確保」が該当する。
選択肢別の誤答解説
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ア: クライアントPCとWebサーバ間の通信速度の向上
- 誤り。HTTPS は通信を暗号化・復号する処理が入るため、理論上は若干のオーバーヘッド(遅延)が発生します。近年は最適化(HTTP/2 や TLS の高速化)で遅延を小さくできますが、速度向上を直接の目的とはしません。
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イ: コンピュータウイルス感染の防止
- 誤り。HTTPS は通信路の暗号化とサーバ認証を行いますが、端末(PC・スマホ)自体がマルウェアを持っている場合や、ダウンロードしたファイルにマルウェアが含まれている場合の防止にはならないです。ウイルス対策ソフトや安全な運用が別途必要です。
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ウ: 通信の機密性の確保
- 正しい。HTTPS はデータを暗号化して送受信するため、通信の内容を第三者に読まれにくくします。これが「機密性の確保」です。
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エ: ブラウザの表示速度の向上
- 誤り。HTTPS 自体は表示速度を向上させる仕組みではありません。条件によっては逆に若干遅くなることもあります(ただし、実装やHTTP/2の利用で表示が速くなるケースもあるため、「直接の効果」ではないことに注意)。
よくある誤解
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「HTTPS にすればウイルスに感染しない」
- HTTPS は通信の安全性を高めますが、端末内のウイルス感染や悪意あるサイトの誘導(フィッシング)を完全に防ぐわけではありません。別途セキュリティ対策が必要です。
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「HTTPS = サイトが安全(完全に信用できる)」
- HTTPS は通信経路の暗号化とサーバのなりすまし抑止に役立ちますが、サイト運営者自体が悪意を持っている場合や、サイトの中身(コンテンツ)が安全とは限りません。証明書がある=すべて安全、ではない点に注意してください。
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「HTTPS で必ず速くなる」
- 暗号化処理のオーバーヘッドでわずかな遅延が生じることがあります。近年はプロトコル改善で速度面の問題は小さくなっていますが、「速度向上が目的」という理解は誤りです。
補足コラム
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TLS と証明書の流れ(ざっくり)
- ブラウザがサーバに接続要求を出す。
- サーバは証明書を送る。証明書にはサーバの公開鍵と、信頼できる証明機関(CA)による署名が含まれます。
- ブラウザは証明書を検証し、問題なければ一時的な共通鍵を取り決め、以後の通信をその鍵で暗号化します。
この手順で「通信の機密性」と「サーバの正当性」が確保されます。
-
パフォーマンスについての現実
- 初回接続(ハンドシェイク)では追加のやり取りが必要ですが、近年のブラウザやサーバはセッション再利用や高速化技術を採用しており、大きな遅延を感じにくくなっています。実務では、セキュリティを優先して HTTPS を使うことが推奨されます。
FAQ
Q: HTTPS にすれば個人情報は絶対に漏れませんか?
A: 絶対ではありません。通信経路上の盗聴は難しくなりますが、端末のマルウェア、サーバ側の不正、フィッシングなど別経路で情報が漏れる可能性はあります。
A: 絶対ではありません。通信経路上の盗聴は難しくなりますが、端末のマルウェア、サーバ側の不正、フィッシングなど別経路で情報が漏れる可能性はあります。
Q: ブラウザで鍵マークが付いていれば安全ですか?
A: 鍵マークはその接続が HTTPS(暗号化)であることを示します。通信の暗号化はされていますが、サイト内容や運営者の信頼性は別問題です。
A: 鍵マークはその接続が HTTPS(暗号化)であることを示します。通信の暗号化はされていますが、サイト内容や運営者の信頼性は別問題です。
Q: 自分でサイトを運営するとき、HTTPS はどうやって導入しますか?
A: サーバに証明書をインストールする必要があります。証明書は有料のCAから取得する方法と、無料で発行する Let’s Encrypt のような仕組みを使う方法があります。
A: サーバに証明書をインストールする必要があります。証明書は有料のCAから取得する方法と、無料で発行する Let’s Encrypt のような仕組みを使う方法があります。
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