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ITパスポート 2016年 春期 83


問題文

情報セキュリティにおいて、可用性が損なわれる事象はどれか。

選択肢

機密情報のコピーが格納されたUSBメモリが盗難にあった。
顧客情報管理システムの顧客情報が誤った内容のまま運用されていた。
社内のサーバに不正侵入されて、社外秘の情報が漏えいした。
取引先との電子決済システムがDoS攻撃を受け、処理ができなくなった。(正解)

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可用性が損なわれる事象はどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

情報セキュリティの三大要素は、機密性(Confidentiality:データが許可された人だけに知られること)、完全性(Integrity:データが正しく、改ざんされていないこと)、可用性(Availability:必要なときにサービスやデータが利用できること)です。
選択肢の中で「取引先との電子決済システムがDoS攻撃を受け、処理ができなくなった」は、システムが利用できなくなる状況を示しています。つまり、サービスやデータへのアクセスや処理が妨げられているため、可用性が損なわれています。これが が正解である理由です。
DoS攻撃(Denial of Service:サービス拒否攻撃)は、過剰な要求などで相手のサービスを使えなくする攻撃です。ここでは「処理ができなくなった」という表現が可用性低下を直接示しています。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている用語を確認する:今回は「可用性」=必要なときに利用できること。
  2. 各選択肢の事象が「利用できないこと(可用性)」「情報が漏れること(機密性)」「情報が誤っている・改ざんされること(完全性)」のどれに該当するかを分類する。
  3. 「サービスが停止する」「処理ができない」「アクセス不能」などの語句があれば可用性を疑う。
  4. 該当する選択肢を選ぶ。今回は「処理ができなくなった」が典型的な可用性低下を示すため、 を選びます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 機密情報のコピーが格納されたUSBメモリが盗難にあった。
    • USBメモリ(小型の外部記憶装置)が盗まれると、許可されない人に情報が見られる可能性があります。これは「機密性(Confidentiality)」の侵害です。可用性ではありません。
  • イ: 顧客情報管理システムの顧客情報が誤った内容のまま運用されていた。
    • 情報が正しくない(誤情報である)状態は「完全性(Integrity)」の問題です。データが改ざんされたり誤っていると信頼できません。可用性とは別です。
  • ウ: 社内のサーバに不正侵入されて、社外秘の情報が漏えいした。
    • サーバ(サービスを提供するコンピュータ)に不正侵入されて情報が流出するのは、明らかな「機密性(Confidentiality)」の侵害です。場合によっては完全性も損なわれますが、可用性を直接示す事象ではありません。
  • エ: 取引先との電子決済システムがDoS攻撃を受け、処理ができなくなった。
    • DoS攻撃によりサービスが利用できなくなる=可用性の喪失です。したがって可用性に関する設問の正答は です。

よくある誤解

  • 「データが消える・壊れる」は可用性か完全性か迷う
    • データの消失や削除でアクセスできないなら可用性侵害になります。一方、データが改ざんされて誤った値になるのは完全性の問題です。状況で区別します。
  • 「情報が外に出る=可用性」と誤解する
    • 情報漏えいは機密性の侵害です。可用性は利用のしやすさ(使えるかどうか)に関する項目です。
  • DoS と情報漏えいを混同する
    • DoSはサービス停止が目的で、情報を盗む(漏えい)ことは基本的に目的ではありません。攻撃の目的を見れば区別できます。

補足コラム

  • DoS と DDoS の違い
    • DoS(Denial of Service:サービス拒否)は単一の攻撃源からの妨害。DDoS(Distributed DoS:分散型サービス拒否)は多数の攻撃源(踏み台となった多数のコンピュータ)から同時に攻撃され、より対処が難しくなります。
  • 可用性を高める対策(代表例)
    • 冗長化(同じ機能を持つ複数の機器を用意する)
    • 負荷分散(ロードバランサーでアクセスを分散する)
    • DDoS対策サービス(攻撃トラフィックを吸収・遮断する)
    • 障害時のフェイルオーバー(自動でバックアップ系に切り替える)
    • SLA(サービス品質保証)や定期的なバックアップ、電源冗長化なども重要です。
  • 覚え方メモ:CIAトライアド
    • C(Confidentiality:機密性)=秘密にする、I(Integrity:完全性)=正しさ、A(Availability:可用性)=使えること。英語の頭文字 CIA と覚えると分類しやすいです。

FAQ

Q: サーバが物理的に故障してアクセスできない場合は可用性の問題ですか?
A: はい。サーバ(サービスを提供するコンピュータ)が故障してサービスやデータにアクセスできなければ可用性の問題です。
Q: ランサムウェア(身代金型ウイルス)はどの要素を損ないますか?
A: 主に可用性です。ファイルを暗号化して使えなくするためです。ただし、暗号化の過程で完全性が損なわれる場合もあります。機密性とは直接関係しないことが多いですが、別の攻撃で情報が盗まれることもあります。
Q: 「誤った内容で運用」は業務に支障が出るので可用性とも言えますか?
A: 業務上の支障は出ますが、セキュリティの三要素では「誤った内容」は完全性の問題です。可用性は「使えるかどうか」、完全性は「正しいかどうか」を見ます。

関連キーワード: 可用性、機密性、完全性、DoS攻撃、DDoS、冗長化、負荷分散、フェイルオーバー、バックアップ、サービス停止
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