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ITパスポート 2017年 秋期 75


問題文

CPUの性能に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

32ビットCPUと64ビットCPUでは、32ビットCPUの方が一度に処理するデータ長を大きくできる。
CPU内のキャッシュメモリの容量は、少ないほど処理速度が向上する。
同じ構造のCPUにおいて、クロック周波数を上げると処理速度が向上する。(正解)
デュアルコアCPUとクアッドコアCPUでは、デュアルコアCPUの方が同時に実行する処理の数を多くできる。

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CPUの性能に関する記述【ITパスポート 解説】

正解の理由

正解は です。
CPU(CPU:Central Processing Unit=中央処理装置、コンピュータの「頭脳」)の同じ構造(アーキテクチャ)であれば、クロック周波数(クロック周波数:clock frequency=CPUが動くリズムの速さ、単位はHz)を上げると、単位時間あたりに実行できる命令の回数が増えます。したがって処理速度は基本的に向上します。
ポイントを簡単に式で表すと、同じ命令あたりの処理量(IPC:Instructions Per Cycle=1クロックで何命令処理できるか)が一定なら、
となり、周波数を上げれば命令実行速度が上がります。

解法ステップ

  1. 各選択肢が示す用語の意味を確認する。初めての語は一言説明を付ける(例:ビット幅、キャッシュ、コア)。
  2. 「同じ構造のCPUにおいて」とある点に注目する。アーキテクチャが同じならIPCは同じと考えられる。
  3. クロック周波数が高い=1秒間に発生するクロック数が多いことを思い出す。クロック1回ごとに処理できる命令数(IPC)が同じなら、周波数増加で処理速度が上がる。
  4. よって、周波数を上げると処理速度が向上するという記述が正しいと判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「32ビットCPUと64ビットCPUでは、32ビットCPUの方が一度に処理するデータ長を大きくできる。」
    誤り。ビット数(bit:情報の最小単位)とはCPUが一度に扱えるデータ幅のことを指します。64ビットCPUの方が一度に扱える整数やアドレスの幅が大きく、データ長はむしろ64ビットの方が大きくなります。したがって記述は逆です。ただし「大きいビット幅が常に速い」わけではない点は補足参照。
  • イ: 「CPU内のキャッシュメモリの容量は、少ないほど処理速度が向上する。」
    誤り。キャッシュメモリ(cache:CPUに近い高速な記憶領域)は一般に容量が大きいほどメインメモリを参照する回数が減り処理速度は上がります。容量が小さいほど速度が上がる、という主張は逆です(設計上のトレードオフはあるが、容量が多いのは通常有利)。
  • ウ: 同じ構造のCPUにおいて、クロック周波数を上げると処理速度が向上する。
    正しい。上記「正解の理由」を参照。
  • エ: 「デュアルコアCPUとクアッドコアCPUでは、デュアルコアCPUの方が同時に実行する処理の数を多くできる。」
    誤り。コア(core:CPU内の独立した処理装置)数が多いほど同時に実行できるスレッドや処理の数は増えます。クアッドコア(4コア)はデュアルコア(2コア)より同時実行数が多くできます。実行効率はソフトウェアの並列化状況にも依存しますが、記述は逆です。

よくある誤解

  1. 「クロック周波数が高ければ必ず速い」
    → クロックだけで判断できません。IPC(1クロックあたりの命令数)やキャッシュ、命令セットなどアーキテクチャ全体で性能が決まります。周波数を上げると発熱や消費電力も増え、実際の性能は設計次第です。
  2. 「ビット数(32bit/64bit)が大きいほど常に処理が速い」
    → 64ビットは扱える数値やアドレス空間が大きくなりますが、必ずしも高速化には直結しません。データが小さい場合はメモリ使用量が増え、逆に遅くなることもあります。
  3. 「コア数が多ければ単純に速度が上がる」
    → マルチコア(多コア)は並列処理に有利ですが、ソフトウェアが並列化されていないと効果は出ません。並列化の限界(Amdahlの法則)も考える必要があります。

補足コラム

CPU性能を評価するときによく使うポイント:
  • クロック周波数(clock frequency): 高いと単位時間当たりのクロック数が増える。
  • IPC(Instructions Per Cycle): 1クロックで何命令処理できるか。アーキテクチャ依存。
  • コア数(cores): 同時に実行できる独立した処理単位の数。
  • キャッシュ容量: 主記憶(RAM)へのアクセス回数を減らし高速化する重要要素。
実用的には「周波数 × IPC」がシングルスレッド性能の目安です。マルチスレッド性能はコア数とソフトウェアの並列度で決まります。これらを組み合わせて総合的に判断します。

FAQ

Q1: クロック周波数を上げれば何でも速くなるのですか?
A1: ほとんどの処理は速くなりますが、IPCが異なったり、周波数増加による発熱や電力制約で実際の効果が限定されることがあります。
Q2: 64ビットCPUにすると古いソフトは使えなくなる?
A2: 一部古い32ビット専用ソフトは動作しない場合があります。ただし多くのOSやCPUは32ビット互換モードを持っていることが多いです。
Q3: ノートPCで「高周波だがコア数少ない」と「低周波だがコア多い」どちらが良い?
A3: 使い方次第です。単一の重い作業(動画編集のレンダリングなど)は高周波×高IPCが有利。多数の軽い作業や同時並列処理が多ければコア数が重要です。

関連キーワード: CPU性能、クロック周波数、IPC、キャッシュメモリ、コア数、マルチコア、32ビット、64ビット、性能評価、周波数と性能
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