ITパスポート 2017年 春期 問79
問題文
情報セキュリティにおける完全性を維持する対策の例として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:データにデジタル署名を付与する。(正解)
イ:データを暗号化する。
ウ:ハードウェアを二重化する。
エ:負荷分散装置を導入する。
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情報セキュリティにおける完全性を維持する対策の例として、最も適切なものはどれか。【ITパスポート 解説】
正解の理由
「完全性(integrity:データが正確で、改ざんや不正な変更を受けていないこと)」を維持する対策として最も適切なのは ア の「データにデジタル署名を付与する。」です。
デジタル署名は、データそのものが送信元の正当な人物(またはシステム)から来ていることの証明と、受け取ったデータが途中で改ざんされていないことを検証できます。つまり「このデータは変わっていない」という完全性の確認に直接使える仕組みです。
デジタル署名は、データそのものが送信元の正当な人物(またはシステム)から来ていることの証明と、受け取ったデータが途中で改ざんされていないことを検証できます。つまり「このデータは変わっていない」という完全性の確認に直接使える仕組みです。
(補足)デジタル署名は一般に、データの要約値を作る「ハッシュ関数(データの短い代表値を作る仕組み)」と、送信者が持つ秘密鍵でその要約値に電子的な「署名」を付け、受信者が公開鍵で検証する、という流れで動きます。公開鍵暗号(public-key cryptography:秘密鍵と公開鍵のペアを使う暗号方式)を利用します。
解法ステップ
- 問題文の重要語を確認する:「完全性」→ データが改ざんされていないことを守る対策を選ぶ。
- 各選択肢が何を守る仕組みかを短く理解する。
- デジタル署名:改ざん検知と送信者の証明 → 完全性に直結。
- 暗号化:データを読めないようにする → 主に機密性(confidentiality)。
- ハードウェア二重化:機器故障対策 → 主に可用性(availability)。
- 負荷分散装置:処理能力・応答性改善 → 主に可用性。
- 完全性に直接関係するものを選ぶ → ア が該当。
選択肢別の誤答解説
-
ア:データにデジタル署名を付与する。
→ 正解。署名によってデータの改ざん検知と送信者のなりすまし防止が可能。完全性を維持する代表的な方法です。 -
イ:データを暗号化する。
→ 暗号化は「他人に読まれないようにする」ための対策で、主に機密性(confidentiality)を高めます。暗号化だけでは、受信側で「改ざんされていないか」を検証できない場合があります(注:認証付き暗号やMACを組み合わせれば改ざん検知も可能ですが、単に「暗号化する」と言った場合は機密性を指すことが多いです)。 -
ウ:ハードウェアを二重化する。
→ 機器が壊れてもサービスを続けられるようにする対策で、可用性(availability)の向上が目的です。データの改ざん検知や保証(完全性)とは直接関係しません。 -
エ:負荷分散装置を導入する。
→ トラフィックを分散して応答性や耐障害性を向上させる、可用性に関する対策です。完全性の維持には直結しません。
よくある誤解
-
暗号化すれば改ざんも防げると思い込む
- 単純な暗号化は「読めないようにする」だけで、改ざんされたかどうかを必ずしも検出できません。改ざん検知にはハッシュ+署名やMAC(Message Authentication Code)が必要です。
-
冗長化(ハードウェア二重化)でデータの正しさも保証されると思う
- 冗長化は「利用可能性(使える状態)」を保つ手段です。データが不正に書き換えられていたら、冗長構成でも同じ不正データが複製される可能性があります。
-
チェックサム(単純な合計など)で十分だと思う
- 簡易なチェックサムは偶発的なエラー検出には使えますが、意図的な改ざん(攻撃)に対しては安全ではありません。暗号学的ハッシュやデジタル署名が必要です。
補足コラム
- 他の完全性確保手段の例
- ハッシュ関数(SHA-256など):データの短い「指紋」を作り、改ざんがあれば指紋が変わるので検出に使える。
- MAC(Message Authentication Code):共有鍵を使ってデータと鍵から作る値。改ざん検出に使えるが送信者の署名とは異なり、鍵を共有する相手全員が作成可能。
- バージョン管理・監査ログ:誰がいつ変更したかの記録を残し、不正変更を追跡する。
- 実務での利用例
- ソフトウェア配布でのコード署名:配布ファイルにデジタル署名を付け、受け取る側が改ざんの有無と配布元の正当性を確認します。
- 電子文書の署名(電子署名):契約書などで文書が改ざんされていないことを証明するために使われます。
FAQ
Q. 暗号化とデジタル署名は両方必要ですか?
A. 多くの場合、両方を組み合わせます。暗号化で機密性を守り、署名で完全性と送信者の認証を行います。
A. 多くの場合、両方を組み合わせます。暗号化で機密性を守り、署名で完全性と送信者の認証を行います。
Q. ハッシュだけではダメですか?
A. ハッシュだけ(公開されているハッシュ値)は偶発的なエラー検出に使えますが、攻撃者がハッシュ値を差し替えられると意味がありません。安全に使うにはハッシュと秘密情報(署名やMAC)を組み合わせます。
A. ハッシュだけ(公開されているハッシュ値)は偶発的なエラー検出に使えますが、攻撃者がハッシュ値を差し替えられると意味がありません。安全に使うにはハッシュと秘密情報(署名やMAC)を組み合わせます。
Q. 電子署名とデジタル署名は同じですか?
A. 実務上ほぼ同じ意味で使われることが多いです。どちらも公開鍵暗号とハッシュを使って文書の改ざん検知と署名者の証明を行います。
A. 実務上ほぼ同じ意味で使われることが多いです。どちらも公開鍵暗号とハッシュを使って文書の改ざん検知と署名者の証明を行います。
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