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ITパスポート 2017年 春期 96


問題文

ネットワークにおける輻輳に関する記述として、適切なものはどれか。

選択肢

回線の接続が一瞬途切れ、通信データのパケットが消失すること
経路情報が書き換えられ、通信データが誤った宛先に届くこと
通信が急増し、ネットワークの許容量を超え、つながりにくくなること(正解)
一つのパケットを不特定多数のノードに対して同時に送信すること

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ネットワーク輻輳【ITパスポート解説】

正解の理由

ネットワークの「輻輳(ふくそう)」とは、通信の量が増えてネットワークが処理できる能力(許容量)を超えることで、通信が遅くなったり失敗したりする状態を指します。選択肢の中では、「通信が急増し、ネットワークの許容量を超え、つながりにくくなること」がこの定義に一致します。輻輳ではパケットの遅延や再送、最終的にはスループット(単位時間あたりの実際のデータ転送量)が低下します。
(補足)許容量とは、回線やルータなどが一定時間に扱えるデータ量、つまり帯域幅(bandwidth:通信できる量の目安)や処理能力のことです。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「輻輳」を確認する。意味は「混雑して性能が落ちる」こと。
  2. 各選択肢を定義と照らし合わせる:
    • 輻輳は「つながりにくくなる、遅延やスループット低下」が特徴。
    • 「回線の一瞬の途切れ」「経路情報の書き換え」「一対多の送信」は別概念。
  3. 上記で一致する選択肢が であることを判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 回線の接続が一瞬途切れ、通信データのパケットが消失すること
    • これは「一時的な切断」や「パケットロス(packet loss)」の説明に近いです。輻輳が原因でパケットが捨てられることはありますが、設問文の表現は「一瞬途切れる現象」を主に示しており、輻輳の定義そのものではありません。
  • イ: 経路情報が書き換えられ、通信データが誤った宛先に届くこと
    • これはルーティング(経路選択)に関する問題や設定ミス、あるいは攻撃(経路ハイジャック)の説明です。輻輳とは関係ありません。
  • ウ: 通信が急増し、ネットワークの許容量を超え、つながりにくくなること
    • これが輻輳そのものの説明です。通信量が増えて機器や回線が処理しきれなくなると、遅延やパケット破棄、接続不良などが起きます。
  • エ: 一つのパケットを不特定多数のノードに対して同時に送信すること
    • これはブロードキャスト(broadcast:単一の送信元から複数宛先へ同時に送る方式)や、ある条件ではマルチキャスト(multicast:特定グループに送る方式)に関する説明です。輻輳とは意味が異なります。

よくある誤解

  1. 輻輳=単に「パケットが消える」と考える誤解
    • 輻輳は「消失」だけでなく「遅延増加」「再送」「スループット低下」など複数の症状を含みます。パケット消失は結果の一つに過ぎません。
  2. ブロードキャストやマルチキャストと混同する誤り
    • ブロードキャストは「1対多送信(単一送信元から不特定多数へ)」であり、輻輳の定義とは別の概念です。選択肢エはブロードキャストであって、輻輳の説明ではありません。
  3. 「回線の一瞬の切断=輻輳」とする誤認
    • 一瞬の回線切断は機器故障やリンク障害の可能性が高く、原因が異なります。輻輳は負荷が原因で徐々に問題化することが多いです。

補足コラム

  • 輻輳の主な原因:
    • 同時に大量のユーザーが通信する(例:動画配信開始直後の急増)
    • ネットワーク機器の処理能力不足
    • 特定の経路にトラフィックが集中する(ホットスポット)
  • 輻輳による対処例(用語の説明を含む):
    • 帯域幅の増強:回線容量を増やす(より太いパイプにするイメージ)
    • QoS(Quality of Service:通信品質の優先制御)を設定して重要な通信を優先する
    • トラフィックシェーピング(流量制御)で急増を平準化する
    • TCP(Transmission Control Protocol:信頼性のある送受信を行う仕組み)の輻輳制御(ウィンドウ調整や再送制御)で送信量を自動調整する
短い例え:道路に車が殺到して渋滞になると、移動が遅くなり到着できない車も出ます。これがネットワークで起きるのが輻輳です。

FAQ

Q1: 輻輳が起きると必ずパケットが消えますか?
A1: 必ず消えるわけではありません。まず遅延が増え、場合によってはルータのキュー(待ち行列)があふれてパケットが破棄されることがあります。
Q2: ブロードキャストとマルチキャストの違いは何ですか?
A2: ブロードキャストは「全員宛て」に送る方式(単一送信元→不特定多数)。マルチキャストは「特定のグループだけ」に送る方式(単一送信元→特定グループ)。両者とも輻輳の原因になり得ますが、概念は別です。
Q3: 試験ではどう覚えればいいですか?
A3: キーワード「通信量が許容量を超える=つながりにくくなる」をセットで覚えてください。選択肢に「つながりにくい」「遅延」「許容量を超える」といった表現があれば輻輳を疑います。

関連キーワード: ネットワーク、輻輳、帯域幅、パケットロス、遅延、スループット、ブロードキャスト、マルチキャスト、QoS、トラフィックシェーピング、TCP、ルーティング
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