ITパスポート 2018年 秋期 問52
問題文
プロジェクトマネジメントの活動には、プロジェクトタイムマネジメント、プロジェクトコストマネジメント、プロジェクト人的資源マネジメントなどがあり、これらの調整を行うプロジェクト統合マネジメントがある。システム開発プロジェクトにおいて、納期の前倒しを決定した場合のプロジェクト統合マネジメントの活動として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:クリティカルパスの期間を短縮するために、作業順序の変更を検討する。
イ:スケジュールを短縮するための増員、費用、短縮可能日数などを比較検討する。(正解)
ウ:スケジュールを短縮する場合の費用への影響を見積もる。
エ:要員の投入時期を見直して要員計画を変更する。
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納期の前倒しを決定した場合のプロジェクト統合マネジメントの活動【ITパスポート 解説】
正解の理由
プロジェクト統合マネジメントは、プロジェクト全体の調整を行う活動です。ここでの「調整」とは、スコープ(作業範囲)、スケジュール(工程)、コスト(費用)、人的資源(人員)など複数の要素を比較検討して、最終的な方針を決めることを指します。
納期を前倒しするという方針が決まったときに求められるのは、どの方法で短縮するか(増員するか、外注するか、手順を変えるかなど)を比較して、総合的に最善策を選ぶことです。これを表しているのが選択肢の イ「スケジュールを短縮するための増員、費用、短縮可能日数などを比較検討する。」です。したがって、統合的に利害(コスト・日数・人的影響)を比較して方針を決める イ が適切です。
納期を前倒しするという方針が決まったときに求められるのは、どの方法で短縮するか(増員するか、外注するか、手順を変えるかなど)を比較して、総合的に最善策を選ぶことです。これを表しているのが選択肢の イ「スケジュールを短縮するための増員、費用、短縮可能日数などを比較検討する。」です。したがって、統合的に利害(コスト・日数・人的影響)を比較して方針を決める イ が適切です。
(補足:PMBOK(Project Management Body of Knowledge:プロジェクト管理の知識体系)でも、統合マネジメントは変更や意思決定の調整役を担います。)
解法ステップ
- 問題文で「プロジェクト統合マネジメント」=何をする領域かを確認する。
- =複数の管理領域(時間・費用・要員など)をまとめて調整すること。
- 各選択肢がどの管理領域に該当するかを分類する。
- 時間(スケジュール)管理、コスト管理、人的資源管理、統合管理など。
- 「決定した場合の活動」とあるので、方針決定や利害の比較・調整に該当する選択肢を選ぶ。
- 比較検討やトレードオフの判断を含むものが統合マネジメントなので、それを正答とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: クリティカルパスの期間を短縮するために、作業順序の変更を検討する。
- これは「作業の順序を変える(ファストトラッキング)」という具体的なスケジュール短縮手法です。スケジュール(時間)管理の活動であり、統合ではなく時間管理に該当します。したがって誤りです。
- 用語:クリティカルパス(複数の作業のうち、全体の最短完了時間を決める連続した作業の流れ)
- イ: スケジュールを短縮するための増員、費用、短縮可能日数などを比較検討する。
- 統合マネジメントは複数領域の影響を比較して最終判断を下します。増員(人的資源)、費用(コスト)、短縮可能日数(スケジュール)を総合的に比較する行為はまさに統合の仕事です。よって適切です。
- ウ: スケジュールを短縮する場合の費用への影響を見積もる。
- これはコスト(費用)に対する見積りの活動で、主にコスト管理の仕事です。統合は「見積もり結果を受けて総合判断」しますが、見積もり自体はコスト管理領域に属します。よって誤りです。
- エ: 要員の投入時期を見直して要員計画を変更する。
- 要員の配置や投入時期を変更するのは人的資源(人的資源マネジメント)の具体的作業です。統合はその変更が他へ及ぼす影響を調整しますが、実際の要員計画の変更は人的資源管理の範囲です。よって誤りです。
よくある誤解
- 「スケジュールを短くする=統合マネジメント」と考える誤解
- 実際は、具体的な短縮手法(作業順序の変更、増員による短縮、外注など)はそれぞれ時間管理・人的資源管理・調達管理などの領域に属します。統合はそれらを比較して最終判断を行う役割です。
- 「費用への影響を見積もることも統合の仕事だ」と思う誤解
- 費用見積もり自体はコスト管理の仕事です。統合は見積もり結果を踏まえて他領域とのバランスを取る判断を行います。
補足コラム
- スケジュール短縮の代表的手法
- ファストトラッキング:並行実行できる作業を同時に行うことで時間を短縮する。例:設計完了前に並行して一部実装を開始する。リスクは手戻りや再作業の増加。
- クラッシング(crashing):追加コストをかけて作業時間を短縮する。例:増員や残業、外注で人手を増やす。コスト増が発生する。
- 統合マネジメントは、これらの手法の効果(何日短縮できるか)、コスト増、品質やリスクへの影響を比較して決定します。
FAQ
Q1. 統合マネジメントは実際の作業も行うのですか?
A1. 統合マネジメントは主に「調整・意思決定・計画の更新」が役割です。実際の作業(人員配置、見積もり、スケジュール変更の実行)は各専門領域が実施します。
A1. 統合マネジメントは主に「調整・意思決定・計画の更新」が役割です。実際の作業(人員配置、見積もり、スケジュール変更の実行)は各専門領域が実施します。
Q2. 「増員で短縮する」と「作業順序を変える」どちらがよいですか?
A2. 一概には言えません。増員はコスト増だがリスクは低め、順序変更(ファストトラッキング)はコスト抑制だがリスク(手戻り)が高い。統合的に比較して決めます。
A2. 一概には言えません。増員はコスト増だがリスクは低め、順序変更(ファストトラッキング)はコスト抑制だがリスク(手戻り)が高い。統合的に比較して決めます。
Q3. 試験で「統合マネジメント」を見分けるコツは?
A3. 「複数の領域をまたぐ比較・調整・最終決定」の記述があれば統合です。単一領域(例えば「見積もる」「要員配置を変更する」「作業順序の最適化」)ならその領域に該当します。
A3. 「複数の領域をまたぐ比較・調整・最終決定」の記述があれば統合です。単一領域(例えば「見積もる」「要員配置を変更する」「作業順序の最適化」)ならその領域に該当します。
関連キーワード: プロジェクト統合マネジメント、トレードオフ、クリティカルパス、ファストトラッキング、クラッシング、コスト影響、人的資源計画、変更管理、スケジュール短縮、意思決定

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