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ITパスポート 2018年 秋期 58


問題文

装置のライフサイクルを故障の面から見てみると、時間経過によって初期故障期、偶発故障期及び摩耗故障期に分けられる。最初の初期故障期では、故障率は時間の経過とともに低下する。やがて安定した状態になり、次の偶発故障期では、故障率は時間の経過に関係なくほぼ一定になる。最後の摩耗故障期では、故障率は時間の経過とともに増加し、最終的に寿命が尽きる。このような故障率と時間経過の関係を表したものを何というか。

選択肢

ガントチャート
信頼度成長曲線
バスタブ曲線(正解)
レーダチャート

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装置のライフサイクルと故障率の関係【ITパスポート 解説】

正解の理由

問題文は「時間経過で故障率が最初に低下し、次にほぼ一定になり、最後に増加する」という3相の変化を説明しています。これはグラフの形が浴槽(バスタブ)の断面に似ていることから「バスタブ曲線」と呼ばれます。したがって選択肢の中ではのバスタブ曲線が該当します。
ポイントを簡単に言うと:
  • 初期故障期(infant mortality): 製造不良や初期不適合により故障率が高く、時間とともに低下します。
  • 偶発故障期(random failure): 故障率が安定してほぼ一定です。正常運用の期間に相当します。
  • 摩耗故障期(wear-out): 部品の劣化・摩耗で故障率が上昇します。
これら3つの相を合わせた故障率の時間推移が「バスタブ曲線」です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを確認:「初期故障期」「偶発故障期」「摩耗故障期」「故障率が低下→一定→増加」。
  2. それぞれの相が示す挙動(低下→横ばい→上昇)を頭の中でグラフに描く。
  3. 選択肢を1つずつ当てはめる:
    • グラフの形が浴槽に似ているものを探す → バスタブ曲線。
  4. 結論:が正しい。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ガントチャート
    ガントチャートはプロジェクト計画を棒グラフで表す図(スケジュール管理の図)です。時間経過における故障率の変化を表すものではありません。
  • イ: 信頼度成長曲線
    信頼度成長曲線は「信頼度(故障しにくさ)がテストや修正により時間とともに向上する」ことを表す曲線です。一般に故障率は単調に低下するような挙動を示すため、問題文のように最後に故障率が上昇する摩耗故障期を含む形とは異なります。機器の「寿命による劣化」を示しません。
  • ウ: バスタブ曲線
    問題文の三相(初期低下→一定→上昇)をそのまま表すため正解です。バスタブ(浴槽)の曲線に似ていることからこの名前が付いています。
  • エ: レーダチャート
    レーダチャート(レーダー図、スパイダーチャート)は複数指標を放射状に並べて比較する図です。故障率の時間変化を表すものではありません。

よくある誤解

  1. 「ソフトウェアもバスタブ曲線に従う」
    ソフトウェアは物理的に摩耗しないため、一般に摩耗故障期(時間経過で故障率が増える)は生じません。ソフトウェアはバグが見つかって修正されれば故障率が下がる(信頼度成長)傾向です。
  2. 「初期故障期=設計が悪い」
    初期故障は設計不良だけでなく、製造不良、組立ミス、輸送時のダメージ、取り扱いの誤りなど複数原因があり、必ずしも設計だけが原因ではありません。
  3. 「すべての製品が厳密にバスタブ曲線を描く」
    実際にはデータにばらつきがあり、三相がはっきりしない場合もあります。モデルはあくまで「一般的な傾向」を示すものです。

補足コラム

  • 用語の簡単な説明
    • 故障率(failure rate): 単位時間あたりに故障が発生する割合。時間の関数で表すことが多い(危険率、ハザード率とも呼ぶ)。
    • MTBF(平均故障間隔、Mean Time Between Failures): 故障と故障の間の平均時間。機器の信頼性指標として用います。
    • バーンイン(burn-in): 初期故障期の問題を早期に発見するため、製品を一定時間稼働させる試験。初期不良を取り除き、フィールドでの故障を減らす目的があります。
  • 実務での使い方
    バスタブ曲線の考え方は保守計画や保証期間設定に役立ちます。初期故障を避けるための品質検査、偶発期の予備部品の手配、摩耗期に備えた交換計画(予防保守)などに応用します。

FAQ

Q1: 「バスタブ曲線はハードウェアだけの話ですか?」
A1: 主に物理的部品が劣化するハードウェア製品に当てはまります。ソフトウェアは摩耗しないため、故障率の増加(摩耗故障期)は通常当てはまりません。
Q2: 「初期故障を減らす具体策は?」
A2: 生産ラインでの検査強化、出荷前のバーンイン試験、品質管理の改善、初期不良の原因分析とフィードバックが有効です。
Q3: 「信頼度成長曲線と混同しやすいのはなぜ?」
A3: 初期に故障率が下がる点だけを見ると、信頼度が成長しているように見えるためです。しかし信頼度成長曲線は通常「故障率が持続的に下がる」ことを示し、摩耗期の上昇を含まない点で異なります。

関連キーワード: バスタブ曲線、故障率、初期故障、摩耗故障、MTBF、バーンイン、予防保守
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