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ITパスポート 2019年 秋期 45


問題文

会計システムの開発を受託した会社が、顧客と打合せを行って、必要な決算書の種類や、会計データの確定から決算書類の出力までの処理時間の目標値を明確にした。この作業を実施するのに適切な工程はどれか。

選択肢

システムテスト
システム要件定義(正解)
ソフトウェア詳細設計
ソフトウェア方式設計

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会計システムで「必要な決算書の種類や処理時間の目標値を明確にした」作業はどの工程か【ITパスポート 解説】

正解の理由

顧客と打合せして「何を作るか」「どんな目標を満たすか」を決める作業は、システムの要求(要件)を明確にする工程です。ここで決めているのは「必要な決算書の種類(何を出力するか)」という機能面の要求や、「会計データ確定から決算書類出力までの処理時間の目標値(何秒・何分で終わらせるか)」という性能や条件に関する要求です。性能や条件を含むこうした要求は「非機能要件(Non-Functional Requirement:機能以外の品質や性能に関する要求)」に当たります。
以上の理由から、この作業は要件を定義する工程である の「システム要件定義(system requirements definition:システムに求められる機能・性能を決める工程)」が適切です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを見つける
    • 「必要な決算書の種類」→ 作るべき機能(何を出力するか)
    • 「処理時間の目標値」→ 性能や品質に関する要求(処理速度、応答時間など)
  2. それが「何をするか(要求)」なのか、「どのように作るか(設計)」なのかを区別する
    • 要件:何を満たすか(顧客が求めること)
    • 設計:どう実現するか(技術や構成、内部設計)
  3. 該当する工程を選ぶ
    • 要件なら「システム要件定義()」、設計なら方式設計や詳細設計、テストは確認段階
  4. 正しい選択肢を確定する(今回の場合は
この手順で、設問が「何を決めているか(目的・条件)」を中心に読めば迷いにくくなります。

選択肢別の誤答解説

  • ア: システムテスト
    • システムテスト(system test:完成したシステムが仕様どおり動くかを確認する試験)は、要件を検証する段階です。仕様や目標を「決める」工程ではありません。したがって今回は不適切です。
  • : システム要件定義
    • 正解です。顧客と要件(どの決算書を出力するか、出力までの処理時間目標など)を明確にする工程は要件定義に当たります。
  • ウ: ソフトウェア詳細設計
    • ソフトウェア詳細設計(detailed design:プログラム単位の具体的な処理やデータ定義を決める)は、要件を基に「どのように実装するか」を細かく決める段階です。今回のように「何を達成するか」を決める場面ではありません。
  • エ: ソフトウェア方式設計
    • ソフトウェア方式設計(software architecture design:システム全体の構成や方式、使用する技術の選定)は、要件を満たすための設計上の方針を決める段階です。ここでも「何を要求するか」を決める工程ではないため不正解です。

よくある誤解

  1. 「処理時間の目標は設計で決める」と考える誤解
    • 処理時間の目標(例:決算処理をデータ確定後2時間以内に完了させる)は性能要求であり、まず目標を顧客と合意するのは要件定義の役割です。設計段階ではその目標を満たすための手段(並列処理、バッチ時間帯の選定など)を決めます。
  2. 要件定義=仕様書の書き方だけと思う誤解
    • 要件定義は単に文書化するだけでなく、顧客の業務(どの決算書が必要か、いつ出力するか)を正しく理解・合意するコミュニケーション作業です。現場の業務ルールを確認する重要な工程です。
  3. 「方式設計=要件の一部」と混同する誤解
    • 方式設計は要件を満たすための技術的方針を決める段階で、要件そのものを定義する工程ではありません。順序としては要件定義→方式設計→詳細設計→テスト、が基本です。

補足コラム

  • 要件には「機能要件」と「非機能要件」がある
    • 機能要件:システムが何をするか(例:貸借対照表を出力する)
    • 非機能要件:性能や信頼性など「どの程度の品質で行うか」(例:決算処理をデータ確定後2時間以内に完了する)
    • 非機能要件はテストや方式設計で実現方法を検討するため、要件定義段階で具体的な数値や測定条件(どのデータ量で、どの時間帯で測るか)まで合意しておくと後が楽になります。
  • 要件を書くときのコツ(覚えやすくて実務的)
    • 具体的で測定可能にする:例「処理時間は2時間以内」だけでなく「データ件数Xのときに平均・最大で」と条件を書く。
    • 責任と合意を明確にする:顧客側のデータ確定のタイミングやシステム運用の前提も要件に入れる。

FAQ

Q1: 要件定義で「処理時間は○分」とだけ書けば十分ですか?
A1: それだけだと不十分です。測定条件(データ量、実行環境、バッチ時間など)や合意された測定方法も明記してください。そうしないと、「達成されたか」の判定ができません。
Q2: 顧客が細かい実装方法まで指定してきたらどうする?
A2: 実装方法は基本的に設計側の判断です。顧客が業務要件として必要とする理由を確認し、要件としては「達成すべき結果(何を満たすか)」をまとめ、方式設計や詳細設計で実装方法を検討します。
Q3: 要件定義で失敗すると何が起きますか?
A3: 後工程(設計・開発・テスト)で手戻りが発生しやすくなり、コスト増や納期遅延の原因になります。特に性能目標が曖昧だと、期待した性能が出ないリスクが高まります。

関連キーワード: 要件定義、非機能要件、機能要件、決算書、パフォーマンス要件、方式設計、詳細設計、システムテスト、要件定義書
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