ITパスポート 2019年 春期 問65
問題文
企業での内部不正などの不正が発生するときには、“不正のトライアングル”と呼ばれる3要素の全てがそろって存在すると考えられている。“不正のトライアングル”を構成する3要素として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:機会、情報、正当化
イ:機会、情報、動機
ウ:機会、正当化、動機(正解)
エ:情報、正当化、動機
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不正のトライアングルの3要素【ITパスポート 解説】
正解の理由
企業での内部不正(内部不正:社員など社内の人が行う不正行為)を説明する代表的なモデルに、fraud triangle(不正のトライアングル)があります。これは「不正が起きるときには次の3要素がそろっている」とする考え方です。3要素は「機会」「動機」「正当化」です。選択肢の中では ウ がこの3つを正しく並べています。
- 機会(Opportunity:不正を実行できる状況)
例:監査やチェックが甘い、職務分掌がされていないなど。 - 動機(Motivation / Pressure:不正を起こす理由やプレッシャー)
例:借金やノルマ未達のプレッシャー、生活苦など。 - 正当化(Rationalization:自分なりに不正を正当化する心の働き)
例:「会社も私に冷たい」「ちょっとだけなら問題ない」と自分を納得させること。
この3つが揃うと不正が発生しやすく、逆にどれか一つでも取り除ければ発生を防ぎやすくなります。したがって「機会、正当化、動機」を並べた ウ が最も適切です。
解法ステップ
- 問題文で「不正のトライアングル」とあるので、fraud triangleの要素を思い出す(機会・動機・正当化)。
- 各選択肢を日本語で読み替える(情報 = information、など)。
- 3つの要素が機会・動機・正当化になっているかを確認する。
- 3要素が正しく揃っている選択肢(ウ)を選ぶ。
短く言うと、「機会・動機・正当化」の3つが揃っているものを選べばよいだけです。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 機会、情報、正当化
「情報」は fraud triangle の要素ではありません。情報があると不正に役立つことはありますが、モデルの3要素に入らないため不適切です。 -
イ: 機会、情報、動機
ここも「情報」が含まれており、正当化(自分を納得させること)が抜けています。動機だけで行動に移すのは難しく、正当化が関わる点が欠けています。 -
ウ: 機会、正当化、動機
機会・動機・正当化の3要素が揃っています。これがfraud triangleの正しい組み合わせです。 -
エ: 情報、正当化、動機
「機会」がありません。いくら動機と正当化があっても、実際に不正ができる状況(機会)がなければ起こりにくい、という点で不十分です。
よくある誤解
- 情報が入っている選択肢を正しいと思う
- 「情報」は不正の原因の一部に影響しますが、fraud triangleの3要素には含まれません。情報と機会を混同しやすいので注意してください。
- 動機だけで不正が起きると思う
- 動機(やプレッシャー)があっても、実行できる「機会」がなければ起きにくいです。三つそろって初めて危険度が高まります。
- 正当化と動機を同じ意味だと考える
- 動機は「なぜやるか(外的・内的圧力)」、正当化は「やってしまった後に自分を納得させる理由」です。役割が違います。
補足コラム
- 起源:fraud triangle(不正のトライアングル)は犯罪学者のDonald R. Cressey(ドナルド・クレシー)が提唱した概念に由来します。覚え方としては英語の頭文字で「O(Opportunity)-P(Pressure)-R(Rationalization)」と覚えるとよいです。
- 実務での対策例:
- 機会の除去 → 職務分掌(複数人で担当を分ける)、アクセス権管理、定期監査。
- 動機の軽減 → 給与や福利厚生の改善、相談窓口の設置、現場の負荷軽減。
- 正当化の抑止 → 倫理教育、コンプライアンス(compliance:法令や規則を守ること)の徹底、透明な評価制度。
これらは内部統制(internal control:不正やミスを防ぐ仕組み)でよく用いられる対策です。
FAQ
Q1: 「情報」は全く関係ないですか?
A1: 情報そのものは不正に利用されることがありますが、fraud triangleの3要素として定義されているわけではありません。情報は「機会を作る要因」になり得ますが、要素そのものではないと覚えてください。
A1: 情報そのものは不正に利用されることがありますが、fraud triangleの3要素として定義されているわけではありません。情報は「機会を作る要因」になり得ますが、要素そのものではないと覚えてください。
Q2: どれか一つを取り除けば本当に不正は防げますか?
A2: 完全にゼロにはできませんが、どれか一つを効果的に抑えることで発生確率は大きく下がります。実務では複数の対策を組み合わせます。
A2: 完全にゼロにはできませんが、どれか一つを効果的に抑えることで発生確率は大きく下がります。実務では複数の対策を組み合わせます。
Q3: 覚え方のコツはありますか?
A3: 日本語だと「機(き)・動(どう)・正(しょう)」と頭文字を取る、英語だと O(Opportunity)-P(Pressure)-R(Rationalization)で覚えるとよいです。
A3: 日本語だと「機(き)・動(どう)・正(しょう)」と頭文字を取る、英語だと O(Opportunity)-P(Pressure)-R(Rationalization)で覚えるとよいです。
関連キーワード: 不正のトライアングル, fraud triangle, 内部不正, 内部統制, 不正防止, 機会, 動機, 正当化, 監査

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