ITパスポート 2019年 春期 問91
問題文
E-R図で表現するものはどれか。
選択肢
ア:HDD内のデータの物理的な配置
イ:エンティティ同士の関係(正解)
ウ:処理の流れ
エ:入力データ及び出力データ
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E-R図で表現するものはどれか【ITパスポート 解説】
正解の理由
E-R図(Entity-Relationship図:エンティティとそれらの関係を表す図)は、データの「何があるか」と「それ同士がどう結びつくか」を表現する図です。したがって選択肢の中では、エンティティ同士の関係を表す イ が正解です。
ポイントをかみ砕くと:
- 「エンティティ」は現実世界のモノや概念(例:社員、商品、注文)を表します。
- 「リレーションシップ(関係)」はそれらのエンティティ同士の結びつき(例:社員が所属する、顧客が注文する)を示します。 E-R図はこれらを図で表して、データベース設計の論理的な土台を作ります。
解法ステップ
- 問題文の「E-R図」を見て、E-Rが何の略か思い出す(Entity-Relationship)。
- 各選択肢を「E(エンティティ)」「R(リレーションシップ)」の観点で当てはめる。
- 「エンティティ同士の関係」を直接表す選択肢を選ぶ。これが イ。
- 他の選択肢(物理配置、処理の流れ、入出力)は別の図(物理設計図、フローチャート/DFDなど)で表すことを確認して除外する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: HDD内のデータの物理的な配置
解説:HDD(ハードディスクドライブ:データを磁気で保存する装置)の物理的配置は「物理設計」です。E-R図は論理設計(どんなデータがあり、どう関係するか)を扱い、物理配置(ファイル配置やブロック配置)は別の文書や図で扱います。 -
イ: エンティティ同士の関係
解説:E-R図の中心です。エンティティ(実体)とそれらのリレーションシップ(関係)を図として表現します。これによりデータベースのテーブル設計(何をキーにするか等)につながります。 -
ウ: 処理の流れ
解説:処理の流れはフローチャート(流れ図)やDFD(Data Flow Diagram:データフロー図)で表します。E-R図は「流れ」ではなく「データの構造と関係」を示します。 -
エ: 入力データ及び出力データ
解説:入力・出力は業務フローや入出力仕様書、DFDなどで扱います。E-R図は入力や出力の項目一覧を直接示すものではありません(ただし、どのデータが必要かは間接的に示せます)。
よくある誤解
-
「E-R図はデータの細かい値や処理手順も書く」
→ 誤りです。E-R図はデータの種類(エンティティ)と関係を示します。具体的な値や処理手順は別の設計書で扱います。 -
「E-R図はすぐにデータの物理配置(HDDのブロック配置など)を決める図だ」
→ 誤り。まず論理的なモデル(E-R図)を作り、その後に物理設計(テーブル定義・インデックス・物理配置)を行います。 -
「E-R図とフローチャートは同じ」
→ 誤り。フローチャートは処理の順序、E-R図はデータの構造です。目的が違います。
補足コラム
E-R図の主な要素を簡単に紹介します(用語は初出で説明付き)。
- エンティティ(Entity:実体)
→ 表にする候補になる「もの」。例:社員、商品、注文。 - 属性(Attribute)
→ エンティティが持つ情報。例:社員なら「社員ID」「氏名」「入社日」。 - 主キー(Primary Key)
→ 各エンティティの中でレコードを一意に識別する属性。例:社員ID。 - リレーションシップ(Relationship:関係)
→ エンティティ同士の結びつき。例:社員が「所属する」部署。 - カーディナリティ(Cardinality)
→ 関係の多重度。例:1対1、1対多、多対多。
覚え方のコツ:E-Rは「Entity(何があるか)」「Relationship(どうつながるか)」をそのまま示す名前です。名前が意味を教えてくれます。
簡単な実例(言葉だけ):
- エンティティA:顧客(属性:顧客ID、氏名)
- エンティティB:注文(属性:注文ID、注文日)
- 関係:顧客が注文をする(1人の顧客が複数の注文を持てる → 1対多)
このE-R図から、データベースのテーブル設計(顧客テーブル、注文テーブル、注文テーブルに顧客IDを外部キーとして持たせる)へ進みます。
FAQ
Q1. E-R図とUMLのクラス図は同じですか?
A1. 似ている部分はありますが目的が少し違います。E-R図は主にデータベースのデータ構造(データ中心)。UMLクラス図はソフトウェアの設計(オブジェクトの振る舞いやメソッドも含む)に使われます。
A1. 似ている部分はありますが目的が少し違います。E-R図は主にデータベースのデータ構造(データ中心)。UMLクラス図はソフトウェアの設計(オブジェクトの振る舞いやメソッドも含む)に使われます。
Q2. E-R図は物理設計に使えますか?
A2. 直接は使いません。まずE-R図で論理設計(何があるか・関係)を整理し、それを基に物理設計(テーブル、インデックス、ストレージ配置など)を行います。
A2. 直接は使いません。まずE-R図で論理設計(何があるか・関係)を整理し、それを基に物理設計(テーブル、インデックス、ストレージ配置など)を行います。
Q3. 多対多の関係はどう表しますか?
A3. 多対多(例:学生と科目)は、そのままではリレーショナルデータベースに直接対応しないため、中間テーブル(関係を表す別のエンティティ)を挟んで表現します(例:履修テーブル)。
A3. 多対多(例:学生と科目)は、そのままではリレーショナルデータベースに直接対応しないため、中間テーブル(関係を表す別のエンティティ)を挟んで表現します(例:履修テーブル)。
関連キーワード: E-R図、エンティティ、リレーションシップ、データモデリング、DFD、論理設計、主キー、カーディナリティ、正規化

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