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ITパスポート 2020年 秋期 74


問題文

IoTデバイスへの電力供給でも用いられ、周りの環境から光や熱(温度差)などの微小なエネルギーを集めて、電力に変換する技術はどれか。

選択肢

PLC
PoE
エネルギーハーベスティング(正解)
スマートグリッド

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IoTデバイスへの電力供給でも用いられ、周りの環境から光や熱(温度差)などの微小なエネルギーを集めて、電力に変換する技術はどれか【ITパスポート 解説】

正解の理由

周囲の環境(光、熱、振動、電波など)にある微小なエネルギーを集めて電気に変換する技術は、エネルギーハーベスティング(Energy Harvesting:環境発電)と呼ばれます。IoT(Internet of Things:モノのインターネット。センサーや機器がネットに接続される仕組み)で使われる小型センサーは消費電力が非常に小さいため、光や温度差から得られる微少な電力で動作させることが可能です。したがって周囲の微小エネルギーを電力に変換するという記述に該当するのは の「エネルギーハーベスティング」です。
(補足)「エネルギーハーベスティング」は、太陽光を使う小型ソーラーや、温度差を利用する熱電発電、振動を利用する圧電発電など、複数の方式を含む総称です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワードを探します:今回なら「光や熱(温度差)などの微小なエネルギーを集めて、電力に変換」。
  2. 各選択肢の意味を短く確認します。
    • PLC:Power Line Communication(電力線通信)。電力線を使ってデータを送る技術。
    • PoE:Power over Ethernet(イーサネットを通して電力供給)。LANケーブルで電力を供給する技術。
    • エネルギーハーベスティング:環境にある微小エネルギーを回収して電力に変換する技術。
    • スマートグリッド:電力ネットワークにICTを組み合わせ、需給や供給を最適化する仕組み。
  3. 問題文の「周りの環境から集める」という点と一致する選択肢を選びます。これが です。

選択肢別の誤答解説

  • ア: PLC(Power Line Communication:電力線通信)
    • 説明:家庭や工場の電力ケーブルを使ってデータを送る技術です。電力の「伝送路」を利用して通信するもので、周囲の光や熱を電力に変換する技術ではありません。
    • なぜ違うか:通信のための技術であり、環境エネルギーの回収とは目的が異なります。
  • イ: PoE(Power over Ethernet:イーサネット経由の電力供給)
    • 説明:LANケーブル(イーサネット)を通じてネット機器に電力を供給する方式です。IP電話やネットワークカメラでよく使われます。
    • なぜ違うか:電力はケーブルを通して供給します。周囲の光や熱を「集める」技術ではありません。
  • : エネルギーハーベスティング(Energy Harvesting:環境発電)
    • 説明:周囲にある微小なエネルギー(光、温度差、振動、電波など)を回収して電気に変える技術です。IoTセンサーやウェアラブル機器の電源として使われます。
    • なぜ合うか:問題文の「周りの環境から集めて電力に変換する」という表現に正確に当てはまります。
  • エ: スマートグリッド(Smart Grid)
    • 説明:電力の発・配・需をICTで最適化する次世代の電力網です。需給の調整や再生可能エネルギーの統合などが主な目的です。
    • なぜ違うか:電力網の管理・最適化が目的であって、環境エネルギーを個別に回収して電力に変換する技術そのものではありません。

よくある誤解

  • 「太陽光発電=エネルギーハーベスティング」とだけ覚えている
    • 太陽光(小型ソーラー)は確かに一例ですが、エネルギーハーベスティングは他にも熱電、圧電、電波回収など多様な方式を含みます。
  • 「PoEやPLCも“外から電力を取る”から同じ」と考える
    • PoE・PLCは外部から電力やデータを伝送する仕組みですが、どちらも“既存の電力線やケーブルから供給する”方式であり、環境エネルギーの回収(harvesting)ではありません。
  • 「エネルギーハーベスティングはスマホやPCの主電源になる」と期待する
    • 実際は発電量が小さいため、主に消費電力が極めて小さなセンサーなどに適します。高出力機器の主電源には向きません。

補足コラム

  • 主なエネルギーハーベスティング方式と例
    • 太陽光(小型ソーラーパネル):屋外センサーの電源など。
    • 熱電発電(Thermoelectric Generator, TEG):温度差を利用して発電。産業機械の表面や人体と外気の差で利用。
    • 圧電発電(Piezoelectric):振動や圧力を電気に変える。歩行発電や機械振動監視センサーで使用。
    • RFエネルギーハーベスティング:周囲の電波(Wi‑Fiや携帯電波)を微量回収。
    • トライボ(摩擦)発電:材料の摩擦で電荷を発生させる新しい方式。
  • 利点と課題
    • 利点:バッテリー交換が不要な場合がある、配線不要で設置自由度が高い。
    • 課題:発電量が不安定で小さいため、エネルギーの蓄積(コンデンサや二次電池)や省電力設計が必須。
  • 実用例:スマート農業の土壌センサー、橋梁の振動監視センサー、ウェアラブル機器の補助電源 など。

FAQ

Q1: エネルギーハーベスティングは完全にバッテリ不要にできますか?
A1: 小さなセンサーでは可能な場合がありますが、多くは蓄電(小型バッテリやスーパーキャパシタ)と組み合わせて安定運用します。発電が断続的なためです。
Q2: 「熱」を使う方式はどのくらいの差が必要ですか?
A2: 熱電発電は温度差があるほど効率が上がりますが、実用的には数度〜数十度の差があればマイクロ〜ミリワット単位の発電が期待できます。用途によっては十分です。
Q3: 家庭のソーラーとエネルギーハーベスティングは同じですか?
A3: 原理は同じく光を電気に変える点で共通ですが、家庭用太陽光発電は大規模で高出力なのに対し、エネルギーハーベスティングは極小規模・低出力の用途を指すことが多いです。
Q4: IoT機器を作るときにまず何を検討すべきですか?
A4: 消費電力の見積もり(平均とピーク)、利用環境(光や振動の有無)、エネルギー蓄積方法、必要な動作期間(バッテリ交換の有無)を優先して検討します。

関連キーワード: エネルギーハーベスティング、環境発電、熱電発電(TEG)、圧電発電、RFエネルギーハーベスト、IoTデバイス、低消費電力設計、バッテリレスセンサー、PoE、PLC、スマートグリッド、センサーネットワーク
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