ITパスポート 2021年 問70
問題文
条件①~④を全て満たすとき、出版社と著者と本の関係を示すE−R図はどれか。
ここで、E−R図の表記法は次のとおりとする。
〔条件〕
① 出版社は、複数の著者と契約している。
② 著者は、一つの出版社とだけ契約している。
③ 著者は、複数の本を書いている。
④ 1冊の本は、1人の著者が書いている。


選択肢
ア:(正解)
イ:
ウ:
エ:
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問題タイトル +【ITパスポート 解説】
出版社・著者・本の関係を表す E−R 図の選択肢のうち、条件①〜④をすべて満たす図はどれか。
正解の理由
この問題では、次の条件が与えられています。
- ① 出版社は複数の著者と契約している(出版社 → 多 著者)
- ② 著者は一つの出版社とだけ契約している(著者 → 1 出版社)
- ③ 著者は複数の本を書いている(著者 → 多 本)
- ④ 1冊の本は1人の著者が書いている(本 → 1 著者)
E−R図(E-R図:Entity-Relationship図=実体と関係を表す図)で使っている表記法は、図補足の説明から「矢印の向きの起点(尾)が『1側』、矢印の先(頭)が『多側』を表す」ものです。したがって「出版社→著者」は出版社が1で著者が多、「著者→本」は著者が1で本が多、という関係を示します。条件①〜④と完全に一致するのは、出版社から著者へ矢印、著者から本へ矢印が向いている図、つまり選択肢アです。
(要点:矢印の向き=「1から多」を示す。出版社→著者、著者→本 が条件に合致するため ア が正しい。)
解法ステップ
-
用語と表記を確認する
- E−R図:実体(エンティティ=長方形)と関係(矢印など)で業務ルールを表す図。
- この問題の矢印表記は「尾が1、先が多」を示す(図の注記より)。
-
条件を一つずつグラフの矢印に当てはめる
- 条件①・②(出版社と著者の関係)→「出版社が1、著者が多」→出版社から著者へ矢印が向く。
- 条件③・④(著者と本の関係)→「著者が1、本が多」→著者から本へ矢印が向く。
-
選択肢と突き合わせる
- 出版社→著者、著者→本 の両方が右向き矢印で表現されている図が合致する(ア)。
選択肢別の誤答解説
-
ア(正解)
出版社→著者、著者→本 の両方が「1対多」の向きになっており、条件①〜④すべてを満たす。 -
イ(誤り)
出版社→著者 は合っているが、著者と本の関係が「本→著者」となっている。これは「1冊の本が複数の著者と関係する(本が1で著者が多)」ことを表すため、条件④(1冊は1人の著者)に反する。 -
ウ(誤り)
著者→本 は正しい(著者が1で本が多)が、出版社と著者の関係が「著者→出版社」になっている。これは「一人の著者が複数の出版社と契約する」ように読めて、条件②(著者は一つの出版社だけ)に反する。 -
エ(誤り)
本→著者 と 著者→出版社 の両方が逆向きになっている。これでは「本が1で著者が多」かつ「著者が1で出版社が多」と読み取れるため、条件②と④の両方に反する。
よくある誤解
-
矢印の先=「1」だと思ってしまう
- 図によって表記ルールは異なります。今回の図は「尾=1、先=多」です。問題文の注記を必ず確認しましょう。
-
「1対多」と「多対1」を混同する
- 「A→B(尾がA、先がB)」が「Aが1、Bが多」なのか逆なのか、どちらを『基準』に見るかで混乱します。今回のルールは「矢印の向き(尾→先)=1対多」です。実務では「多側に外部キーを置く」などの考え方も合わせて覚えると整理しやすいです。
-
表記のバリエーションを知らない
- E-R図は矢印以外に「カラスの足(Crow’s foot)」「(1,N) 表記」などがあります。試験では問題文の表記法に従って解釈してください。
補足コラム
関係をデータベースの表(リレーショナル)にすると、今回の関係は次のように実装できます。外部キー(他の表の主キーを参照する列)を使って「多側」が「1側」を参照します。
-- 出版社テーブル
Publisher(publisher_id PRIMARY KEY, name)
-- 著者テーブル(著者は一つの出版社のみ持つので publisher_id を持つ)
Author(author_id PRIMARY KEY, name, publisher_id REFERENCES Publisher(publisher_id))
-- 本テーブル(本は一人の著者のみ持つので author_id を持つ)
Book(book_id PRIMARY KEY, title, author_id REFERENCES Author(author_id))
もし「著者が複数の出版社と契約する」や「1冊の本を複数の著者が共同執筆する」などのケースがあると、出版社と著者や著者と本の間は「多対多」になり、中間(結合)テーブルを用意する必要があります。
FAQ
Q1: 矢印の向きだけで覚えていいですか?
A1: 問題ごとに図の表記法が示されることが多いです。必ず設問の注記(今回のように「1対多」を示す方法)がどう定義されているか確認してください。
A1: 問題ごとに図の表記法が示されることが多いです。必ず設問の注記(今回のように「1対多」を示す方法)がどう定義されているか確認してください。
Q2: E−R図で「1対多」と「多対1」はどう使い分けるのですか?
A2: 見る視点によりますが、実務では「多側のテーブルに1側の主キーを外部キーとして持たせる」ことで表現します。図ではどちらが「多」かを示す記号(矢印・カラスの足など)を見れば判断できます。
A2: 見る視点によりますが、実務では「多側のテーブルに1側の主キーを外部キーとして持たせる」ことで表現します。図ではどちらが「多」かを示す記号(矢印・カラスの足など)を見れば判断できます。
Q3: 問題文の条件が「著者は出版社と複数契約できる」だったら図はどうなる?
A3: その場合は出版社と著者の関係は「多対多」になります。E−R図では中間の関係(例:Contract)を設けるか、多対多記法で表します。リレーショナル実装では中間テーブルが必要です。
A3: その場合は出版社と著者の関係は「多対多」になります。E−R図では中間の関係(例:Contract)を設けるか、多対多記法で表します。リレーショナル実装では中間テーブルが必要です。
関連キーワード: E-R図、エンティティ、リレーションシップ、カーディナリティ、外部キー、正規化、1対多、多対多、データベース設計

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