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ITパスポート 2023年 41


問題文

次のアローダイアグラムに基づき作業を行った結果、作業Dが2日遅延し、作業Fが3日前倒しで完了した。作業全体の所要日数は予定と比べてどれくらい変化したか。
ITパスポート 2023年  問41の問題画像

選択肢

3日遅延
1日前倒し
2日前倒し(正解)
3日前倒し

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アローダイアグラムによる所要日数の変化を求める問題【ITパスポート 解説】

正解の理由

図の経路(開始→終了)をすべてたどり、それぞれの合計日数を出して最長の経路を「プロジェクト全体の所要日数(クリティカルパス)」とします。ここで、作業Dが2日遅延(所要日数が +2)、作業Fが3日前倒し(所要日数が −3)された影響を反映すると、全体の最長経路が元より2日短くなります。したがって、全体は「2日前倒し」になり、正解は です。
(補足)クリティカルパス:プロジェクトで最も時間がかかる連続した作業の流れで、ここが短縮されない限りプロジェクト全体は短くなりません。スラック(余裕時間):クリティカルでない経路がどれだけ遅れても影響が出ないかの余裕日数です。

解法ステップ

  1. 図から「開始→終了」までの可能な経路と各作業日数を列挙する。
    • 経路1(上段): A(2) → C(4) → F(5)
    • 経路2(下段): B(3) → E(1) → G(5)
    • 経路3(下段経由で上段合流): B(3) → D(1) → F(5)
  2. 各経路の合計を求め、初期のプロジェクト所要日数を決める。
    • 経路1:
    • 経路2:
    • 経路3:
      → 初期の所要日数 = 最長の 11 日(経路1 がクリティカルパス)
  3. 変更後の各作業日数を反映する。
    • D は +2 日(1 → 3)
    • F は −3 日(5 → 2)
  4. 変更後の各経路を再計算する。
    • 経路1:
    • 経路2: 日(変化なし)
    • 経路3:
  5. 変更後の最長経路は経路2の 9 日。
    • 初期 11 日 → 変更後 9 日 → 全体で 日短縮(2日前倒し)
以上より、全体の所要日数は2日前倒しになります()。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 3日遅延
    誤り。Dの遅延だけを見ると経路3が11日になり得る(3+3+5=11)と誤解する場合がありますが、同時にFが3日短縮されているため、経路1と経路3は短くなり、全体は遅延しません。全体が3日遅れることはありません。
  • イ: 1日前倒し
    誤り。変更後の最長経路は9日で、元の11日と比べると2日短いので、1日短縮では説明できません。Fの前倒し効果が大きく、単にDの遅延で相殺されるだけではありません。
  • エ: 3日前倒し
    誤り。全体が3日短くなるには、最長経路が 11→8 日になる必要がありますが、変更後は最長経路が9日であるため、3日短縮ではありません。

よくある誤解

  1. 「一つの作業が遅れたら必ず全体が遅れる」
    → 誤り。遅れた作業がクリティカルパス上にある場合は全体に影響しますが、クリティカルでない経路の遅延は余裕時間(スラック)内であれば全体に影響しません。
  2. 「前倒しは単純に各作業を足し引きすれば良い」
    → 誤り。前倒し・遅延は各経路の合計に影響するため、どの経路が最長になるかを再評価する必要があります。
  3. 「経路ごとの関係(合流・分岐)を無視する」
    → 誤り。合流点で複数経路が競合するときは、それぞれの経路長を比べて最長を選びます。部分的な短縮が別の経路の方が長い場合、全体はそちらに引きずられます。

補足コラム

  • 余裕時間(スラック)の例
    初期状態で経路3の長さは9日で、クリティカル(経路1)は11日なので、経路3のスラックは 日です。つまり、経路3全体は最大2日遅らせてもプロジェクト全体には影響しません。今回、Dが +2 日で経路3はちょうど 11 日になりますが、同時にFが −3 日されたため、経路3は逆に短くなっています。こうした相互作用があるため、変更が複数ある場合は必ず全経路を再計算してください。
  • 用語ミニ解説(初出で簡単に説明)
    • クリティカルパス(Critical Path): プロジェクトで最も時間がかかる連続作業の流れ。ここが短縮されないとプロジェクト全体は短くならない。
    • スラック(余裕時間、Slack): ある経路・作業がどれだけ遅れてもプロジェクト全体に影響しないかを示す日数。

FAQ

Q1: D が遅延しても、なぜ全体が遅くならないのですか?
A1: D が元々属していた経路にはスラック(余裕)があり、その範囲内での遅延ならプロジェクト全体には影響しません。さらに今回は F が短縮されたことで、もともとのクリティカルパス自体が短くなり、D の遅延の影響が相殺されました。
Q2: F の前倒しだけなら全体はどうなる?
A2: F が単独で3日短縮されると、経路1 は 日になります。最長経路は経路2の9日なので、全体としては で2日前倒しになります。今回のように D の遅延が同時に発生しても結果は同じでした。
Q3: クリティカルパスの見つけ方が分かりません。簡単なコツは?
A3: すべての開始→終了経路を洗い出して、それぞれの合計日数を計算します。最も大きい合計がクリティカルパスです。実務では表やソフト(ガントチャート等)を使うとミスが減ります。

関連キーワード: クリティカルパス, スラック(余裕時間), プロジェクト管理, ガントチャート, CPM
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