ITパスポート 2026年 問17
問題文
AIを利活用する上で留意すべき事項として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a AIの意図しない動作によって、人間の生命や身体などに危害を及ぼす可能性
b AIの判断に差別的な内容が含まれる可能性
c AIの判断にプライバシーの侵害となる内容が含まれる可能性
選択肢
ア:a, b
イ:a, b, c(正解)
ウ:a, c
エ:b, c
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AIを利活用する上で留意すべき事項【ITパスポート 解説】
正解の理由
AIとは「人工知能(Artificial Intelligence)」の略で、データをもとに判断や予測を行う仕組みです。AIが出す結果は、人間が期待しない影響を及ぼす可能性があります。問題文の各項目を見れば、
- a:AIの意図しない動作で人の生命・身体に危害を及ぼす可能性(安全性の問題)
- b:AIの判断が差別的になる可能性(バイアス=偏りによる差別)
- c:AIの判断がプライバシー侵害につながる可能性(個人情報の扱い)
いずれも現実に起こりうるリスクです。したがって、a、b、c のすべてを含む選択肢である イ が適切です。
解法ステップ
- 各選択肢(a〜c)が「AIの利用で現実に生じ得る問題か」を一つずつ確認します。
- 「生命・身体への危害」は医療や自動運転、制御系で現実的なリスクです。
- 「差別」は学習データの偏りや設計の不備で起きます。
- 「プライバシー侵害」は個人データの不適切な利用や再識別で起きます。
- どの組み合わせがすべての真のリスクを含むかを見ます。
- a、b、c 全てを含む選択肢を選びます(= イ)。
短い確認フロー:各項目を「あり得る?」と自問→全て「あり得る」なら全て含む選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: a, b
- c(プライバシー侵害)を含んでいません。個人データの利用はAIの典型的なリスクであり、省略は誤りです。
- ウ: a, c
- b(差別)が抜けています。学習データの偏りで不公平な判断が出ることは頻繁に報告されています。
- エ: b, c
- a(生命・身体への危害)が抜けています。特に自律的な制御や医療分野では、誤動作が重大な被害につながる可能性があります。
よくある誤解
- 「AIはソフトだから人に危害を与えない」
- ソフト(プログラム)でも、制御対象が機械や医療機器であれば物理的な被害が生じます。ソフトの判断が現実世界に影響する点を忘れないでください。
- 「差別はデータの偏りだけが原因」
- データ偏りだけでなく、目的設定や評価指標、運用方法(誰がどのように使うか)でも差別が発生します。
- 「プライバシーは名前や住所だけ」
- 行動履歴や位置情報、顔画像などから個人が特定されることもプライバシー侵害になります。匿名化が完全ではない場合もある点に注意が必要です。
補足コラム
- バイアス(bias:偏り)はデータや設計に宿ります。たとえば就職選考のAIが過去の採用データを学習すると、過去に偏った採用があればその偏りを再現してしまいます。対策としては、データの多様化や公正性を測る指標の導入、結果の定期的な監査があります。
- プライバシー対策の基本は「最小限のデータ収集」と「目的外利用の禁止」です。可能であれば匿名化や加工(例:顔のぼかし、集計のみ利用)を行います。
- 安全対策は「人間の監視(human-in-the-loop)」や「フェイルセーフ(故障時に安全側に倒す設計)」がよく使われます。自動化して良い場面と、人が判断すべき場面を区別するのが重要です。
FAQ
Q1: AIが間違った判断をしたら誰が責任になりますか?
A1: 責任はケースバイケースです。製品やサービスの提供者、運用者、場合によっては設計者に責任が及ぶことがあります。法律や契約での責任分担、運用ルールの明確化が必要です。
A1: 責任はケースバイケースです。製品やサービスの提供者、運用者、場合によっては設計者に責任が及ぶことがあります。法律や契約での責任分担、運用ルールの明確化が必要です。
Q2: 差別的な結果をどう見つければいいですか?
A2: 性別・年齢・人種などの属性ごとに結果を比較して、不均衡がないかを測定します。統計的な指標(例:誤判定率の差)を用いると客観的に確認できます。
A2: 性別・年齢・人種などの属性ごとに結果を比較して、不均衡がないかを測定します。統計的な指標(例:誤判定率の差)を用いると客観的に確認できます。
Q3: プライバシーを守るための具体的な方法は?
A3: 必要最低限のデータ収集、データの匿名化やマスキング、アクセス制御、利用目的の明示と同意取得が基本です。
A3: 必要最低限のデータ収集、データの匿名化やマスキング、アクセス制御、利用目的の明示と同意取得が基本です。
Q4: 小さなサービスでもこれらの対策は必要ですか?
A4: はい。規模にかかわらず、個人の安全・公平性・プライバシーは重要です。リスク評価と簡単なガバナンス(ルール作り)は必須です。
A4: はい。規模にかかわらず、個人の安全・公平性・プライバシーは重要です。リスク評価と簡単なガバナンス(ルール作り)は必須です。
関連キーワード: AI倫理、バイアス(偏り)、プライバシー保護、説明可能性(Explainability)、リスクマネジメント、データガバナンス

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