ITパスポート 2026年 問77
問題文
ある企業では、サーバ室への入室管理を暗証番号で行っていたが、虹彩認証装置による本人確認を加えることによって、無許可の者の入室をより確実に防止する対策とした。これは、サーバ室における情報セキュリティ要素のうち、どれを高める対策に該当するか。
選択肢
ア:可用性
イ:完全性
ウ:機密性(正解)
エ:否認防止
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機密性【ITパスポート解説】
正解の理由
サーバ室への入室管理に虹彩認証を追加したのは、無許可の者がサーバに近づいたり中の情報を見たりできないようにする対策です。情報の「機密性」は、許可のない人に情報を見られないように守る性質を指します。ここでの対策はまさに機密性を高めるためのものであり、選択肢の中では ウ が該当します。
(用語メモ)
- 機密性:許可された人だけが情報にアクセスできることを守る性質。
- 暗証番号(PIN:Personal Identification Number:個人識別番号)は「知識要素(知っているもの)」の認証方法。
- 虹彩認証(iris recognition)は目の虹彩という身体の特徴を使う「固有(生体)要素」の認証方法。
解法ステップ
- 問題の対象を確認:サーバ室という「物理的にサーバやデータが置かれた場所」を守っている点に注目する。
- 何を防いでいるかを考える:無許可者の入室を防ぎ、サーバ内の情報が外部に見られたり盗まれたりするのを防止している。
- セキュリティの三要素(機密性、完全性、可用性)と選択肢を照らし合わせる:
- 情報を見られないようにする → 機密性
- 情報が改ざんされないようにする → 完全性
- サービスが止まらないようにする → 可用性
- 結論:機密性が高まるので ウ を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 可用性
可用性は「必要なときにサービスや情報にアクセスできること」です。入室制御は逆に正当な人のアクセスを制限することもあるため、可用性を高める対策とは言えません。 -
イ: 完全性
完全性は「情報の正確さや改ざんされていないこと」です。入室管理は物理的な不正アクセス防止にはなるものの、データが改ざんされないことを直接保証する対策ではありません。 -
ウ: 機密性
サーバ室への不正入室を防止することは、データや機密情報が未許可者に見られないようにすることに直結します。したがって機密性を高める対策です(ここが正答)。 -
エ: 否認防止
否認防止は「行為を行った本人が後でその行為を否定できないようにすること」です。入退室の記録があれば一部に関係しますが、問題文では虹彩認証の導入による“入室を防ぐ”点が強調されており、主目的は機密性の向上です。単に生体認証を付けたことだけで完全な否認防止が実現するわけではありません。
よくある誤解
-
虹彩認証は「所持要素」だと思う誤解
虹彩認証はカードや鍵などの「所持(something you have)」ではなく、「固有(something you are)」、つまり生体(身体的特徴)に基づく認証要素です。ここを取り違えると認証の仕組みの理解がずれます。 -
生体認証を入れれば安全が完全になると思う誤解
生体認証は有効な対策ですが、偽装(写真や偽物)や機器の故障、運用ルールの不備で突破されることがあります。多要素認証(MFA)や監査ログ、物理的な保守も重要です。 -
入室制御は必ず可用性を下げるわけではないが、目的は機密性であると理解すること
入室制御が過剰だと正当な人が入れず可用性に悪影響を与えることがあるため、設計と運用のバランスが必要です。
補足コラム
多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication:複数種類の認証要素を組み合わせる方式)は、異なるカテゴリの要素を組み合わせることで安全性を高めます。認証要素の代表は次の3つです。
- 知識(something you know):パスワード、暗証番号(PIN)など
- 所持(something you have):ICカードやスマホ、トークンなど
- 固有(something you are):指紋、虹彩、顔などの生体情報(生体認証:biometric authentication)
今回の例では、暗証番号(知識)に虹彩認証(固有)を追加しています。カテゴリーが異なるため、単独の認証よりも不正侵入を防ぎやすくなります。運用面では、認証失敗時の対応(ロックアウト、ヘルプ手順)や監査ログの保存も重要です。
FAQ
Q1: 虹彩認証だけで十分ですか?
A1: いいえ。虹彩認証は強力ですが、偽装や誤判定、機器故障のリスクがあります。暗証番号やカードなどと組み合わせる多要素認証がより安全です。
A1: いいえ。虹彩認証は強力ですが、偽装や誤判定、機器故障のリスクがあります。暗証番号やカードなどと組み合わせる多要素認証がより安全です。
Q2: 入退室記録は否認防止になりますか?
A2: 入退室ログは「誰がいつ入ったか」を記録するため、後から行為を追跡する助けになります。しかし完全な否認防止には、ログの改ざん防止や適切な時刻同期、運用ルールも必要です。
A2: 入退室ログは「誰がいつ入ったか」を記録するため、後から行為を追跡する助けになります。しかし完全な否認防止には、ログの改ざん防止や適切な時刻同期、運用ルールも必要です。
Q3: 物理的対策はソフトウェアの対策とどう違いますか?
A3: 物理的対策(入退室管理、施錠、監視カメラなど)は、サーバや設備への直接アクセスを防ぎ、機密性を守ります。ソフトウェア対策(アクセス権管理、暗号化)はデータそのものの保護を担います。両方を組み合わせるのが基本です。
A3: 物理的対策(入退室管理、施錠、監視カメラなど)は、サーバや設備への直接アクセスを防ぎ、機密性を守ります。ソフトウェア対策(アクセス権管理、暗号化)はデータそのものの保護を担います。両方を組み合わせるのが基本です。
関連キーワード: 認証要素、多要素認証(MFA)、虹彩認証、生体認証、物理的アクセス制御、機密性、完全性、可用性、入退室管理、ログ監査

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