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ネットワークスペシャリスト 2009年 午前204


問題文

図は,OSPFを使用するルータa〜iのネットワーク構成を示す。拠点1と拠点3の間の通信はWAN1を、拠点2と拠点3の間の通信はWAN2を通過するようにしたい。xとyに設定するコストとして適切な組合せはどれか。ここで、図中の数字はOSPFコストを示す。
ネットワークスペシャリスト 2009年 午前2 問04の問題画像ネットワークスペシャリスト 2009年 午前2 問04の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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OSPFコスト調整【午前2解説】

正解の理由

拠点1(ノードa)→拠点3(ノードi)と拠点2(ノードc)→拠点3(ノードi)のそれぞれで、目的のWANを経由するようにするには、経路ごとの合計コストを明確に比較する必要があります。主要な候補経路とコストは次の通りです。
  • 拠点1→拠点3(a→i)
    • WAN1経由(a–b–WAN1–e–h–i):30 + 100 + 30 + 10 = 170
      • (e→f→i経路は40+10=50で、e→h→iの40の方が短いのでこちらを採用)
    • WAN2経由(a–d–WAN2–g–h–i):40 + 100 + y + 10 = 150 + y
    よって、拠点1がWAN1を選ぶ条件は 、すなわち は等コストでタイブレークの対象)。
  • 拠点2→拠点3(c→i)
    • WAN2経由(c–d–WAN2–g–h–i):40 + 100 + y + 10 = 150 + y
    • WAN1経由(c–b–WAN1–e–h–i):50 + 100 + 30 + 10 = 190
    よって、拠点2がWAN2を選ぶ条件は 、すなわち は等コスト)。
以上より、両方を満たす範囲は (等コストを避けるため不等号は厳密)。問題の選択肢の中では のみがこの範囲に入り、かつその選択肢は (x=30, y=30)です。x(f–gのコスト)は、提示された選択肢範囲内では a→i/c→i の主要比較に影響を与えません(f→g経由は を余分に加えるため、ここでは短絡経路にならない)。
従って、目的(拠点1はWAN1、拠点2はWAN2)を満たす組合せは です。

解法ステップ

  1. それぞれの送信元(拠点1のa、拠点2のc)から拠点3(i)へ到る候補経路を列挙する(WAN1経路・WAN2経路)。
  2. 各経路のリンクコストを合算する(最短になる部分経路は常に比較する)。
  3. 目的のWANが選ばれるための不等式を立てる(例:WAN1 が選ばれるには WAN1_cost < WAN2_cost)。
  4. 不等式を満たす y の範囲を求め、選択肢と照合する。
  5. 等コスト(=)の扱い(ECMPやベンダのタイブレーク)にも注意し、可能なら等コストを避ける値を選ぶ。
(本問の主要計算:a→i WAN1=170、a→i WAN2=150+y、c→i WAN1=190、c→i WAN2=150+y。条件は

選択肢別の誤答解説

  • ア(x=20, y=20)
    • a→i:WAN1 = 170、WAN2 = 150+20 = 170 → 等コスト(170=170)
      等コスト時はECMP(等コストマルチパス)やタイブレークになるため、確実にWAN1のみを通すことができない(要件を満たさない)。c→iはWAN2を使うが、拠点1側で等コスト問題が発生するため不適切。
  • イ(x=30, y=30)
    • a→i:WAN1 = 170、WAN2 = 150+30 = 180 → WAN1(170 < 180)
    • c→i:WAN1 = 190、WAN2 = 180 → WAN2(180 < 190)
      両方とも所望のWANを明確に選ぶので適切。
  • ウ(x=40, y=40)
    • a→i:WAN1 = 170、WAN2 = 150+40 = 190 → WAN1(良)
    • c→i:WAN1 = 190、WAN2 = 190 → 等コスト(190=190)
      拠点2側で等コストとなり、WAN2専用にできないため不適切。
  • エ(x=50, y=50)
    • a→i:WAN1 = 170、WAN2 = 200 → WAN1(良)
    • c→i:WAN1 = 190、WAN2 = 200 → WAN1が選ばれてしまい(190 < 200)、拠点2がWAN2を通らないため明らかに不適切。

よくある誤解

  • 「コストが小さいほど選ばれる」は正しいが、複数経路の部分最短(例:e→h と e→f→i の比較)を見落として誤計算しやすい。部分経路の最短を常に使って合計を計算すること。
  • 等コスト(=)を同一視して片方が「より低い」と判断してしまう誤り。等コストはECMPやベンダ固有のタイブレークとなるので、要件で「確実に片方を通す」なら等コストを避けるべき。
  • x の値を軽視して良いと安易に結論づけるが、別の図や選択肢範囲では f–g のコストが支配的になり得る。必ず主要代替経路を全部評価する。

補足コラム

  • OSPFの経路選択は合計コストの最小化が基本です。等コスト複数経路(ECMP)が存在する場合は、OSPFは複数経路を同等に扱って負荷分散を行うことができますが、その挙動(負荷分散割合やタイブレーク)は実装(ベンダ)に依存します。運用上は意図しない分散を防ぐため、コストに余裕(マージン)を持たせて一意の最短経路となるよう設計するのが安全です。
  • 設計上の実務上の目安:重要なトラフィックが特定経路を使うようにするには、差を少なくとも 1 以上(または確実性を高めるために 10 など)確保する。

FAQ

Q1: 等コストになったらどうなる?
A1: OSPFは等コスト経路が複数ある場合にECMPで複数経路を使うことがある。ベンダによっては負荷分散の方式やタイブレークが異なるため、要件で「必ずこのWANを使う」とある場合は等コストを避ける設計が必要です。
Q2: 今回の選択肢で x はなぜ問題にならないのか?
A2: f–g(x)を経由する経路は e→f→g→h→i のように を余分に加えるため、提示された他の候補経路(e→h→i など)より常に長くなります。したがって、選択肢の範囲(20〜50)では x の値が a→i/c→i の最短判定を覆さないため、実質的な決定因子は y です。
Q3: 設定を確実にするにはどうする?
A3: y を選ぶ際に等コスト(境界値)を避け、差分を十分に取る(例えば問題のような設問では y=30 のように中央の値を選ぶ)とよい。また実環境ではルーティングテーブルやトラフィックモニタで実際の経路を確認して微調整する。

関連キーワード: OSPF、経路コスト、ECMP、リンクメトリック、経路選択、ルーティング設計、コストマージン、最短パス分析
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