ネットワークスペシャリスト 2011年 午前2 問01
問題文
LANケーブルに関する説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:LANケーブル内の対になった導線がより線となっているのは、導線に発生する外来ノイズを減らすためであり、ケーブル内の全ての対のピッチは均一の方が効果が高い。
イ:カテゴリ5EのUTPケーブルは1000BASE-Tで利用される非シールドより対線であり、2本の導線が4対収められている。(正解)
ウ:カテゴリ6のUTPケーブルを使用する1000BASE-TXでは、1対のより線で250Mビット/秒のデータを上り下り同時に送り、4対合計で1Gビット/秒の全二重通信を実現している。
エ:対線は2本の導線の電位差で情報を伝え、この対線に発生する外来ノイズの大きさは2本の導線の間隔に反比例する。
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UTPケーブルの規格【午前2解説】
正解の理由
選択肢 イ が正しいのは、カテゴリ5eのUTPケーブルが「非シールドのツイストペア(Unshielded Twisted Pair)」であり、1本のケーブルに2本の導線で構成される対(ツイストペア)が4対、合計8本の導線を収める構造であるためです。カテゴリ5eは1000BASE-T(ギガビットイーサネット)での運用を仕様上サポートしており、実務上も広く用いられます。
解法ステップ
- 各選択肢が述べている用語(より線/単線、UTP、カテゴリ5E/6、1000BASE-T/TX、ツイストペアのノイズ特性)を明確にする。
- 規格知識で照合する:カテゴリ5eが1000BASE-T対応であること、UTPは「非シールド」であること、ケーブル構造は4対8本であることを確認する。
- 物理的・電気的性質(より線の目的、対のピッチ=ツイスト率の役割、対間距離とノイズ感受性)を検討して誤りを見つける。
- 1000BASE-Tに関するペアごとの伝送性質(各対が250Mbit/s相当を伝送し、全二重で合計1Gbit/sとなる)を押さえる。
選択肢別の誤答解説
-
ア:誤り。
- 「より線(撚り線)が外来ノイズを減らすために用いられる」という説明は誤りです。より線は主に柔軟性(屈曲性)を確保するために使われ、パッチケーブル(移動や抜き差しの多い配線)で多く用いられます。長距離や常設配線では断面が安定で接続信頼性が高い単線(ソリッド)が一般的です。
- 「ケーブル内の全ての対のピッチは均一の方が効果が高い」も誤りです。むしろ各対でツイスト率(ピッチ)をずらすことで対間の近接結合(近端・遠端クロストーク)を低減します。均一なピッチにするとクロストークが増えるため逆効果です。
-
ウ:誤り。
- 文中の「1000BASE-TX」という表現が問題です。標準的に広く規定・普及しているのはIEEE 802.3の1000BASE-Tです。試験問題においては1000BASE-Tの性質(4対を用いる、各対が250Mbit/s相当を伝送し、送受信は同時に行われて合計1Gbit/sの全二重通信を実現する)を正しく理解する必要があります。具体的には、1000BASE-Tでは4対を使い、各対は250Mbit/s相当の信号を扱い(エコーキャンセレーションなどにより同一対で送受信を同時に行える)、 となります。
- 「カテゴリ6のUTPを使用する1000BASE-TX」と限定する点も誤解を招きます。カテゴリ6はより高い周波数性能を持つので有利ですが、1000BASE-T自体はカテゴリ5eでの使用が規格上認められています。
-
エ:誤り。
- 対線(ツイストペア)は2本の導線間の電位差(差動信号)で情報を伝えます。外来ノイズは両導線にほぼ同相に誘起されるため差動受信側でキャンセルされます。導線間の間隔を狭くするほどループ面積が小さくなり磁束による誘導ノイズは減る傾向にありますが、「外来ノイズの大きさが2本の導線の間隔に反比例する」といった単純な比例関係で表現するのは不正確です(多くの要因:ツイスト率、近接する干渉源の位相、ケーブル全体のシールド有無などが影響する)。
よくある誤解
- より線=ノイズ対策と思い込む。→ より線は主に柔軟性・機械的性質のため。ノイズ対策はツイスト率やシールドの有無が主因。
- 1000BASE-Tの1対あたりの扱いを誤解する。→ 正しくは各対が250Mbit/s相当を扱い、全二重で合計1Gbit/sになる点を押さえる。
- 対間の間隔は小さいほど常に良いとする単純化。→ 実際はツイスト率や対間位相ずらし(ペアごとのツイスト率の違い)など設計要素が重要。
補足コラム
- より線(stranded)と単線(solid)の選び分け:配線が固定で高い信頼性を求める横配線(長距離配線)には単線、可搬性の高いパッチケーブルにはより線が一般的です。
- カテゴリ分類のざっくり指標:Cat5eは100MHz、ギガビットEthernetをサポート。Cat6は250MHz以上でより良好な周波数特性を持ち、将来の高速化に有利。
- 1000BASE-Tの内部動作(概略):4対すべてを使用し、各対で複雑な信号処理(PAM、多値変調、エコーキャンセレーション、雑音符号化)を用いて同一対で送受信を同時に行い全二重1Gbit/sを実現しています。1000BASE-TXは実務上ほとんど使われていない代替案として扱われることがあるため、試験では1000BASE-Tを基準に理解するのが安全です。
FAQ
Q. Cat5eで本当にギガビットは出るのか?
A. 規格上Cat5eは1000BASE-Tをサポートします。施工品質やケーブル長、ノイズ環境によっては性能が低下するため、重要設備ではCat6を選ぶことが多いです。
A. 規格上Cat5eは1000BASE-Tをサポートします。施工品質やケーブル長、ノイズ環境によっては性能が低下するため、重要設備ではCat6を選ぶことが多いです。
Q. ツイストペアのツイスト率が異なる理由は?
A. 各対でツイスト率を変えることでケーブル内の対間クロストークを低減し、全体としての信号品質を保ちます。
A. 各対でツイスト率を変えることでケーブル内の対間クロストークを低減し、全体としての信号品質を保ちます。
Q. より線は接続信頼性が低いのか?
A. より線は接続部(IDC等)での扱いが単線と異なり、適切なコネクタや処理が必要です。パッチ用途では問題ありませんが、常設配線には単線が推奨されることが多いです。
A. より線は接続部(IDC等)での扱いが単線と異なり、適切なコネクタや処理が必要です。パッチ用途では問題ありませんが、常設配線には単線が推奨されることが多いです。
関連キーワード: カテゴリ5e, UTP, ツイストペア, より線, 1000BASE-T, クロストーク, Cat6

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