ネットワークスペシャリスト 2011年 午前2 問03
問題文
180台の電話機のトラフィックを調べたところ、電話機1台当たりの呼の発生頻度(発着呼の合計)は3分に1回、平均回線保留時間は80秒であった。このときの呼量は何アーランか
選択肢
ア:4
イ:12
ウ:45
エ:60(正解)
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呼量(アーラン)の算出【午前2解説】
正解の理由
問題の解答として配布されている選択肢は エ(60 アーラン)ですが、本問の条件を厳密に定義すると矛盾が生じます。アーラン(呼量)は一般に「単位時間当たりの呼数(call rate)」に平均保留時間を掛けて求めます。与えられた数値をそのまま標準定義に当てはめると、以下の二つの合理的な読み方があり、それぞれ結果は 80 アーランまたは 40 アーランになります。したがって、問題本文に追加の前提(例:端末計測がどのようにカウントされているか)が示されていない限り、エ の 60 を厳密に導く根拠は問題文中にありません。以下で計算と解法を示します。
解法ステップ
-
各数値の整理
- 電話機数: 台
- 1台当たりの呼発生頻度:3分に1回 → 1台あたり 1/3 回/分 = 20 回/時
- 平均回線保留時間:80 秒 = 時間
-
「発着呼の合計」の読み方により2通りの計算
- 読み方A(イベントをそのまま呼とする場合)
総呼数(回/時) = 回/時
呼量 アーラン - 読み方B(端末ごとの「発着」を両端で数えるため、1通話につき2カウントされているとみなす場合)
実通話数(回/時) = 回/時
呼量 アーラン
- 読み方A(イベントをそのまま呼とする場合)
-
公式解(エ = 60)に合わせるには、次のような補助仮定が必要(問題文には無い)
- 例えば「記録された発着呼のうち75%がユニークな通話を表す(内部呼や重複計上を除外する等)」という補正を入れると、総呼数 = 回/時 となり、
アーラン となる。だがこの 0.75 の根拠は問題文に示されていない。
- 例えば「記録された発着呼のうち75%がユニークな通話を表す(内部呼や重複計上を除外する等)」という補正を入れると、総呼数 = 回/時 となり、
選択肢別の誤答解説
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ア: 4 アーラン
単位換算や桁を1つ読み間違えた結果として出る値です。典型的には「秒→時」の換算を誤った(80秒を 分のまま使った等)ミスです。与えられた規模からは明らかに小さすぎます。 -
イ: 12 アーラン
こちらも単位換算ミスや、電話機数を大幅に小さく扱った誤りから出る値です(例えば「1台当たりの時間当たり呼数」を誤って にする等)。 -
ウ: 45 アーラン
中間的な誤りの産物です。たとえば「3600 を 2 で割って 1800 にし、80 秒を分で 1.333... 分として 1800×1.333.../60 ≒ 40 のところでさらに別の誤差処理(四捨五入や誤った分母)を入れると 45 に近づく」など、複数の小さなミスが複合した結果として出得ます。出題意図に基づく標準計算(上記の A/B のいずれか)では導かれません。 -
エ: 60 アーラン
試験配布の正答となっている値。これを得るには上で示したように「3600 に 0.75 を乗じる」などの補正が必要ですが、その補正係数を導く根拠(外線比、内部呼の比率、観測方法の定義等)が問題文に提示されていません。したがって、問題文の厳密読みでは直接的な根拠が不足します。
よくある誤解
-
「発着呼の合計」をそのまま総通話数とみなすかどうかの判断ミス
端末ごとの発着呼(各端末の発着の合計)を全部足すと1通話が2カウントされることがあるため、意味を取り違えると 80 と 40 のどちらかの結果になる。 -
単位の変換ミス(秒→時間)
平均保留時間 80 秒は 時間で扱うこと。分や時間に直す際の計算ミスで桁違いの誤答が生じやすい。 -
出題文にない補正を無批判に導入すること
解答を選択肢に合わせるために任意の係数(例:0.75)を入れると説明不能な解答になる。補正を入れるなら必ず設問文中のどの文言に基づくかを明示する。
補足コラム
アーラン(Erlang)は呼量の単位で「ある時刻に占有されている回線の平均的な本数」を表します。基本式は
ここで は単位時間あたりの通話発生数(call attempts/hour)、 は平均保留時間(hour)。端末ベースで与えられた「1台あたりの呼発生頻度」と「台数」から を算出し、 に単位を揃えて掛ければよいだけです。端末合計が「発着呼の合計」で与えられている場合、1通話が両端で2回数えられている可能性があるため、その点の確認が重要です。
FAQ
Q. 「発着呼の合計」は常に2で割るべきですか?
A. 常にではありません。端末側で「発着の合計」を数えたデータは通話の両端を2回数える場合がありますが、問題文に「端末計測」なのか「通話センタの発呼数」なのかが明記されているかを確認してください。明記がなければ出題者が想定する読み方に依存します。試験では問題文中の語句(例:外線比、発信呼数の定義等)に注意を払い、指示がなければ通信工学・運用上の標準定義(通話は両端で2カウントされるため /2)で処理するのが安全です。
A. 常にではありません。端末側で「発着の合計」を数えたデータは通話の両端を2回数える場合がありますが、問題文に「端末計測」なのか「通話センタの発呼数」なのかが明記されているかを確認してください。明記がなければ出題者が想定する読み方に依存します。試験では問題文中の語句(例:外線比、発信呼数の定義等)に注意を払い、指示がなければ通信工学・運用上の標準定義(通話は両端で2カウントされるため /2)で処理するのが安全です。
Q. 今回の問題でどう答えるべきでしたか?
A. 厳密には設問の読み方で 40 または 80 のどちらかが合理的に導かれます。試験配布の正答は エ(60)となっていますが、その数値を導くための前提が問題文に示されていない点に注意してください。実際の試験では、設問文の記述に従って「発着呼」がどのように定義されているか(両端カウントかどうか)をまず確認し、それに基づく計算プロセスを答案に明示すると良いでしょう。
A. 厳密には設問の読み方で 40 または 80 のどちらかが合理的に導かれます。試験配布の正答は エ(60)となっていますが、その数値を導くための前提が問題文に示されていない点に注意してください。実際の試験では、設問文の記述に従って「発着呼」がどのように定義されているか(両端カウントかどうか)をまず確認し、それに基づく計算プロセスを答案に明示すると良いでしょう。
関連キーワード: アーラン、呼量計算、保留時間、単位変換、発着呼、呼発生率

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