ネットワークスペシャリスト 2014年 午前2 問01
問題文
IPv6が利用できるネットワークに接続したPCにおいて、二つのIPv6アドレスが割り当てられていた。
(1) 2001:db8::b083:ba94:60c7:7c36
(2) fe80::200:c0ff:fea8:2
このうち、(2)はリンクローカルユニキャストアドレスである。この説明として適切なものはどれか。
選択肢
ア:下位のビットにこのPCのIPv4アドレスを埋め込み、IPv6アドレスとIPv4アドレスを関連付けて管理を容易にするアドレスである。
イ:グローバルユニキャストアドレスが取得できなかったときだけに有効なアドレスである。
ウ:このアドレスを使った場合、パケットはネットワークには送信されず、自分自身のPC内で動作しているプログラムとだけ通信できる。
エ:このアドレスをもつネットワークインタフェースからルータを介さずに直接接続できる相手との通信にだけ使用できるアドレスである。(正解)
IPv6のリンクローカルアドレスの説明【午前2 解説】
正解の理由
選択肢エは「このアドレスをもつネットワークインタフェースからルータを介さずに直接接続できる相手との通信にだけ使用できるアドレスである」と説明しており、リンクローカルアドレスの定義に一致します。リンクローカルは同一リンク(同一セグメント)での直接のノード間通信や近隣発見(Neighbor Discovery)に用いられ、ルータを経由したルーティング対象になりません。したがってエが正解です。
解法ステップ
- アドレスの先頭を見て
fe80::ならリンクローカルと判断する。 - リンクローカルの定義(同一リンクでの通信、ルータを越えられない)を思い出す。
- 選択肢の説明を「同一リンクで直接通信できるか」「自分のみの通信か」「代替アドレスか」で照合する。
- 最も一致するのが「ルータを介さず直接接続できる相手との通信に使用」となっている選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「下位ビットにIPv4アドレスを埋め込む」 — これはIPv4互換やトランジション技術(例:IPv4埋め込み)に関連する説明で、リンクローカルの定義ではありません。誤りです。
- イ: 「グローバルユニキャストが取得できなかったときだけ有効」 — リンクローカルは必ず割り当てられるもので、条件付きではないため誤りです。
- ウ: 「パケットはネットワークに送信されず自分自身のみ」 — それはループバックアドレスの説明です。リンクローカルは同一ネットワーク上の他の機器と通信できます。誤りです。
- エ: このアドレスをもつネットワークインタフェースからルータを介さずに直接接続できる相手との通信にだけ使用できるアドレスである。 — 正解。リンクローカルの用途・範囲を正確に表現しています。
よくある誤解
- 誤解1: 「リンクローカルはグローバルアドレスがないときの代替」は誤りです。リンクローカルは自動的に全インタフェースに割り当てられ、常に同一リンク用に使われます。
- 誤解2: 「ループバック(自分自身)アドレスと同じ挙動」は誤りです。ループバックは ::1 でプロセス内通信のみだが、リンクローカルはネットワーク上の他ノードとの通信に使えます。
- 誤解3: 「fe80:: はユニークローカルやグローバルと同様にルーティングされる」は誤りで、ルータ間で伝播されません。
補足コラム
- リンクローカルアドレスのプレフィックスは
fe80::/10で、実際の割当ではfe80::/64を使うことが一般的です。各インタフェースに自動的に生成され(SLAACやオートコンフィグ)、隣接ノード発見(Neighbor Discovery Protocol)や自動設定に必須です。 - 実務では、ホスト間の初期接続確認やルータのネイバー発見、DHCPv6のやり取りなどでリンクローカルが不可欠です。
FAQ
Q1: リンクローカルでインターネットに出られますか?
A1: いいえ。リンクローカルは同一リンク内のみ有効で、ルータを経由する通信には使えません。
A1: いいえ。リンクローカルは同一リンク内のみ有効で、ルータを経由する通信には使えません。
Q2: すべてのインタフェースにリンクローカルは割り当てられますか?
A2: はい。IPv6仕様では各インタフェースにリンクローカルアドレスを自動割当することが定められています。
A2: はい。IPv6仕様では各インタフェースにリンクローカルアドレスを自動割当することが定められています。
Q3: リンクローカルとユニークローカル(ULA)の違いは?
A3: リンクローカルは同一リンク限定、ULA(fc00::/7)はプライベートなサイト内でのユニークなアドレス空間としてルーティング可能(ただしグローバルへは通常出さない)です。
A3: リンクローカルは同一リンク限定、ULA(fc00::/7)はプライベートなサイト内でのユニークなアドレス空間としてルーティング可能(ただしグローバルへは通常出さない)です。
関連キーワード: リンクローカル, fe80::/10, SLAAC, Neighbor Discovery, IPv6アドレス種類, ループバック, ユニークローカル

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