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ネットワークスペシャリスト 2016年 午前204


問題文

図は、OSPFを使用するルータa~iのネットワーク構成を示す。拠点1と拠点3の間の通信はWAN1を、拠点2と拠点3の間の通信はWAN2を通過するようにしたい。xとyに設定するコストとして、適切な組合せはどれか。ここで、図中の数字はOSPFコストを示す。
ネットワークスペシャリスト 2016年 午前2 問04の問題画像ネットワークスペシャリスト 2016年 午前2 問04の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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OSPFの経路選択【午前2解説】

正解の理由

拠点1→拠点3はWAN1経由、拠点2→拠点3はWAN2経由にしたい条件を満たすのは、両方のリンクコストが30になる選択肢、すなわち です。各経路の合計コストを明示的に計算すると、拠点1側から見たWAN1経路の最短は170、WAN2側の最短はとなり、拠点2側から見たWAN1経路は190、WAN2側は同じくです。これらを比較して、拠点1はWAN1(170が最小)を選び、拠点2はWAN2()を選ぶためには が唯一の整数解になります。よって が正解です。

解法ステップ

  1. 各経路の「最短合計コスト」を式で表す。経路はWAN通過の左右でさらに2つずつ選べるため「内部の最短」を取る。
    • 拠点1(ノードa)→拠点3(ノードi)
      • WAN1経由(a→b→e→...→i)の最短:
        • a→b = 30
        • b→e = 100(WAN1)
        • e→i は e→h(30)+h→i(10)=40 または e→f(40)+f→i(10)=50 の小さい方 → 40
        • よって WAN1合計 =
      • WAN2経由(a→d→g→...→i)の最短:
        • a→d = 40
        • d→g = 100(WAN2)
        • g→i は g→f(x)+f→i(10)=x+10 または g→h(y)+h→i(10)=y+10 の小さい方 →
        • よって WAN2合計 =
    • 拠点2(ノードc)→拠点3(ノードi)
      • WAN1経由(c→b→e→...→i)の最短:
        • c→b = 50
        • b→e = 100
        • e→i 最短 = 40(上と同じ)
        • よって WAN1合計 =
      • WAN2経由(c→d→g→...→i)の最短:
        • c→d = 40
        • d→g = 100
        • g→i 最短 =
        • よって WAN2合計 =
  2. 要求を満たす不等式を立てる。
    • 拠点1はWAN1を選ぶ:
    • 拠点2はWAN2を選ぶ:
  3. 両方を満たす整数(選択肢の候補は20,30,40,50)は のみ → 選択肢の行でx=y=30が該当()。

選択肢別の誤答解説

  • ア(x=20, y=20)
    • 拠点1: WAN1 = 170、WAN2 = → 同コスト(170)で等コスト経路(ECMP)となり、WAN1に限定して通るとは言えない。拠点2はWAN2を選ぶが、拠点1が分散されるため要件を満たさない。
  • (x=30, y=30)
    • 拠点1: WAN1 = 170、WAN2 = → WAN1を選択
    • 拠点2: WAN1 = 190、WAN2 = → WAN2を選択
    • したがって両方の要件を同時に満たす(正解)。
  • ウ(x=40, y=40)
    • 拠点1: WAN1 = 170、WAN2 = → 拠点1はWAN1を選ぶ(良)
    • 拠点2: WAN1 = 190、WAN2 = → 同コストで等コスト経路(ECMP)。拠点2が確実にWAN2経由になるとは言えないため条件を満たさない。
  • エ(x=50, y=50)
    • 拠点1: WAN1 = 170、WAN2 = → 拠点1はWAN1を選ぶ(良)
    • 拠点2: WAN1 = 190、WAN2 = → 拠点2はWAN1(190)の方が小さくなり、WAN2を通らない → 要件不達成。

よくある誤解

  • e→i への経路で e→f(40)と e→h(30)を比べ忘れ、誤って e→f 経路だけを使って計算してしまう。実際は e→h の方が短く、WAN1側の最短に影響する(ここでは40になる)。
  • 等コストになった場合の扱いを考えない。OSPFでは等コスト最短経路が存在するとECMPで並列利用されるため、特定のWANに必ず流れるとは限らない。
  • "片方だけ大きくすればよい" と考えるが、実際には min(x,y) が評価されるため両方の最小値を意識する必要がある。

補足コラム

一般解法としては「各候補の経路ごとに最短合計コストを数値で出し、不等式で比較する」ことが確実です。本問は中間で複数の分岐があり、WAN通過後もクロスリンクで短絡できるため、局所的最短(各セグメントの最短)をまず求めて合成するのが早いです。等価な値が出るときはOSPFのECMP動作により負荷分散され、要件(特定WAN経由)を満たさなくなる点を常に確認してください。

FAQ

Q. 等コスト(同値)の場合はどうなるのか?
A. OSPFは等コスト最短経路を同等に扱い、負荷分散(ECMP)を行います。試験問題では「必ずそのWANを通る」ことが要件なら、等コストは不適合扱いになります。
Q. x と y が異なる値ならどう判定する?
A. 判定は常に を用います。上の不等式を満たすためには かつ 、つまり が必要です。したがって選択肢が異なる場合でも、片方が30で他方がそれ以上であれば要件は満たす可能性があります(ただし本設問の選択肢は両値同一なので )。

関連キーワード: OSPF、コスト、ECMP、経路計算、WANルーティング、最短経路、リンクコスト
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